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注目映画紹介:「blank13」“齊藤”工監督が高橋一生主演で撮り上げた心にしみる感動作

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映画「blank13」のビジュアル (C)2017「blank13」製作委員会

 俳優の斎藤工さんが齊藤工名義でメガホンをとった映画「blank13」が3日からシネマート新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。俳優の高橋一生さんを主役に、斎藤さん自身も高橋さん演じる主人公の兄役で出演している。13年間音信不通だった父の死をきっかけに、残された家族が父との関係を見つめ直すヒューマン作だ。リリー・フランキーさん、神野三鈴さんら個性的な実力俳優が集まり、心にじわりとしみる感動作に仕上がっている。

 13年前に失踪し、余命3カ月で見つかった父、松田雅人(リリー・フランキーさん)が亡くなり、次男コウジ(高橋さん)は、兄で喪主のヨシユキ(斎藤さん)、コウジの恋人、西田サオリ(松岡茉優さん)と葬儀場にいた。会葬者を待つ間、コウジは、父との過去を思い出す。やがて葬儀が始まり、数少ない会葬者が、家族の知らない父雅人の13年間を語り始める……というストーリー。佐藤二朗さん、村上淳さんらも出演。ミュージシャンとしても活躍する金子ノブアキさんが音楽監督を務め、出演もしている。

 葬儀場で椅子に座り、無言のまま会葬者を待つコウジとヨシユキ。あるいは、野球に興じる子供たちのかたわらで、公園のベンチに座る喪服姿の母(神野さん)。沈黙が絵になり、そこに不思議な磁力を感じ、引き込まれずにはいられなかった。

 コウジの回想と共に静かに進んでいた物語は、参列者が父について語り始めると、新たな熱を帯び始める。佐藤さんのアドリブ全開のしゃべりに思わず笑いがこみ上げ、およそ葬式らしくない服装で現れた村上さんの読み上げる手紙に胸を打たれた。

 放送作家のはしもとこうじさんの実体験が基になっているという。監督7作目で初の長編作という齊藤監督。短編やドキュメンタリーを撮ってきただけあり、その技には既に熟練を思わせる安定感がある。第20回上海国際映画祭アジア新人賞部門での最優秀監督賞をはじめ数々の賞を獲得しているのもうなずける。(りんたいこ/フリーライター)

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