探偵物語:テレビドラマとして34年ぶりに映像化 斎藤工、二階堂ふみが主演

ドラマ「探偵物語」に出演する斎藤工さん(右)と二階堂ふみさん=テレビ朝日提供
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ドラマ「探偵物語」に出演する斎藤工さん(右)と二階堂ふみさん=テレビ朝日提供

 小説家・赤川次郎さん原作の「探偵物語」(角川文庫)が、テレビドラマとして約34年ぶりに映像化されることが23日、明らかになった。テレビ朝日が4月に新設する日曜午後9時の「日曜プライム」枠の作品第1弾で、ドラマスペシャルとして放送される。ドラマは俳優の斎藤工さんと女優の二階堂ふみさんが主演を務める。

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 「探偵物語」は、ドジの連続で崖っぷち状態の探偵・辻山秀一と、彼がボディーガード兼監視役を務めるお嬢さま・新井直美が織りなす5日間のミステリーラブロマンス。ある殺人事件に巻き込まれた2人が真犯人を捜し、距離を縮めていく……という展開で、1983年に薬師丸ひろ子さんと松田優作さんで映画化、84年にTBS系で渡辺典子さんと柄本明さんが出演してテレビドラマ化され、人気を博した。

 今回は斎藤さんが探偵、二階堂さんがお嬢さまを演じる。二階堂さんが同局ドラマに出演するのは、2010年7~9月に放送された「熱海の捜査官」以来、約8年ぶり。直美を見守る家政婦・長谷沼君江役で夏木マリさん、殺人事件を追う刑事・高峰清人役で吹越満さん、辻山の元妻で殺人事件の重要参考人・本宮幸子役で長谷川京子さん、幸子の命を狙う大物フィクサー・国崎成道役で國村隼さんが出演する、

 斎藤さんは「“進行形の『探偵物語』”を生み出そうという思いで参加しました」と意気込みを語り、二階堂さんは「赤川先生の作品ならではのスリルやコメディー感を自分なりにかみ砕いて表現できたらな……そう思って、今回は撮影に取り組みました」とコメントを寄せている。

 斎藤さん、二階堂さん、赤川さんのコメントは次の通り。

 ◇斎藤工さんのコメント

 「探偵物語」は映画版で見たラストシーンがとても強烈で印象深く、僕自身も大好きな作品。大好きだった作品に演者として関われることに幸せを感じると同時に、複雑な気持ちになったのも事実でした。ですが、ふと、今回再び映像化することで、皆さんに映画版をまた見ていただける可能性もあるんじゃないかな、と思ったんです。シェークスピアしかり、普遍的なテーマは設定をどんどん現代に置き換えて継承していくべきだという考えも相まって、今回は“進行形の「探偵物語」”を生み出そうという思いで参加しました。撮影前には、映画版で辻山を演じた松田優作さんの墓前にご報告に伺うと同時に、奥さまの松田美由紀さんにもご連絡し、自分の等身大の芝居を出したいと伝えました。

 撮影中は「辻山には2枚目な瞬間が極力ない方がいい。唯一、自分より誰かを優先するときに、まっとうな何かが見えたらいいな」と思い、“抜け感”を意識しました。作品に華やかな彩りを添えてくれる二階堂さんをはじめ、共演者の皆さんのキャッチャーに徹しながら取り組む中、皆さんのスパイシーでコクのあるお芝居に触発され、僕自身からもいろんなものが出てきましたし、刺激的な現場でした。

 ◇二階堂ふみさんのコメント

 小学生のときに赤川次郎先生の小説が大好きで、よく読んでいたんです。初めて読んだ長編小説も赤川先生の作品でした。中でも「探偵物語」は映画も小説も拝見していて、好きな作品です。

 撮影に入るにあたっては特に何かを準備することはせず、自然体のままで臨みました。印象的だったのは衣装チェンジの回数(笑い)。今回はお嬢さま役ということで、いろんなお洋服を着させていただいたので、着替えるたびに皆さんをお待たせして申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、衣装が替わるとまた新鮮な気持ちにもなりますし、斎藤さんにも華やかだとおっしゃっていただき、光栄です。

 赤川先生の作品ならではのスリルやコメディー感を自分なりにかみ砕いて表現できたらな……そう思って、今回は撮影に取り組みました。皆さんにもぜひ楽しんでいただければ、と思います。

 ◇赤川次郎さんのコメント

 薬師丸ひろ子さんの映画から30年余り、新たな「探偵物語」が生まれる。軽快でおしゃれなミステリーというのは、よくあるようで、実は日本の映画・テレビの苦手なジャンルなのだ。今回、主演の斎藤工さんは原作の「中年の疲れた探偵」にはスマート過ぎるが、二階堂ふみさんのみずみずしい女子大生とのジェネレーションギャップが生み出す、ユーモアとロマンチックな雰囲気は充分に楽しめるものに仕上がっているに違いない。

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