BG~身辺警護人~:「泥臭さ」テーマに描く 最終回には「驚き」も? プロデューサーが語る制作の裏側

連続ドラマ「BG~身辺警護人~」最終話の一場面=テレビ朝日提供
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連続ドラマ「BG~身辺警護人~」最終話の一場面=テレビ朝日提供

 木村拓哉さんが民間のボディーガード役で主演する連続ドラマ「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系、木曜午後9時)が15日に最終回を迎える。武器を持たない丸腰で対象者を守る木村さんの演技やアクション、木村さんと山口智子さんとの22年ぶりのドラマ共演、上川隆也さん演じる身辺警護課の課長・村田の死という衝撃的な展開……と話題に事欠かず、8日に放送された第8話では平均視聴率は16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高を記録した。「全編にわたって『泥臭さ』がテーマ」、最終回に向けても「驚きは期待してもらえると思う」と語る同局プロデューサーの秋山貴人さんに制作の裏側を聞いた。

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 ◇ありそうで無かったテーマ×木村拓哉 「絶対に面白くなる」

 民間のボディーガードという「ありそうでなかった」テーマと、木村さん主演という組み合わせに「絶対に面白くなる」という確信があったという秋山さんは、今作の魅力について「じわりじわりと迫る脅威に対して、武器も持たず、満足な情報もない中で、それでも立ち向かっていくという厳しさと面白さ」と分析する。

 制作に当たって自らもボディーガードの訓練を受け、「守っている側よりも、攻撃する側の方が、圧倒的に何百倍も有利。人を守るのがいかに大変か」ということを知ったという。取材を重ねる中で「ボディーガードは依頼人の体、生命だけでなく、社会的イメージや秘密や財産を守る」ことも分かったといい、「体張って命を守るだけでなくて、(守る)人の延長線上にあるものも描きたい」と考えてきた。

 ◇民間ボディーガードゆえの“制約” テーマは「泥臭さ」

 また、民間のボディーガードは、拳銃など殺傷能力のある武器を所持できず、丸腰で警護に当たらなければならない上、「自ら事件の証拠を捜したり、聞き込みをしたり」という捜査権もない。そういった“制約”の中で、「ボディーガードものというと、ド派手なものを想像されるかもしれないですけど、泥臭く、真面目に、過酷な状況の中、それでも守っていくということの面白さを出していきたいと思っていた。全編にわたって『泥臭さ』というのがテーマ」だったと明かす。

 アクションについても「自己犠牲のアクションというのがキーワード。自分を犠牲にして、依頼人を守る。依頼人に良い状況を与えるという意味のアクションで、受け身のアクション、自ら行動していくことにならないように」心がけた。木村さんも「犯人側から攻撃を仕掛けられても、依頼人を助けるために、反撃せず、ぐっとこらえたりするアクション」を披露しており、時にはボコボコにされながらも対象者を守る泥臭い姿を見せてきた。

 ◇木村×山口智子の共演 「誤差なし!」の秘話も

 今作では、木村さん演じる主人公・島崎章の元妻役に、1996年の大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系)で共演した山口さんを起用し、22年ぶりのドラマ共演として大きな話題になった。1月の制作発表会見では木村さん自身が「プロデューサーから『(元妻役は)誰がいい?』と聞かれた」と語っていたが、実際にその時点では決まっておらず、直前になって決定したという。また、キャスティングは木村さんのリクエストではなく、「こちらからお声がけさせていただいた」と制作サイドからのオファーで実現したのだという。

 また、身辺警護課のメンバー同士が腕時計を突き合わせ、「誤差なし!」と声をそろえて時刻を確認し合う場面が、それぞれのエピソードで印象的に使われているが、実際の警護の現場でも「みんなで時計を合わせる行動は絶対する」という。「警護監修の方に聞いた話ですが、秒単位で状況は動いていて、残り何時何分何秒にここの地点とか、みんなで同じものを共有していないと、それが事故につながるので、みんなで時計を合わせるというのは、リアルであるみたいです。実際に『誤差なし』とは言っていないとは思うんですけど、(脚本の)井上(由美子)さんの見せ方ですね」と明かす。

 ◇最終回で伏線を回収? 民間ボディーガードは何を守るのか…

 15日に放送される最終回では、発砲事件に巻き込まれて命を落とした村田課長(上川さん)と身辺警護課の名誉を懸けた最後の戦いが描かれる。衝撃的だった村田の死を受けて「残されたメンバーがどう向き合っていくのか。そこにSPとの最終決戦というか、1話からずっとやってきたSPとの戦いの終止符が打たれるような」展開になる。

 「人の体を守るだけではなくて、民間のボディーガードが何を守るのかを見ていただきたい。最終回に向けては『正しいことを言えるようにする』というのがテーマ。世の中、いろいろな忖度(そんたく)があると思うんですけど、ボディーガードがいるから、自分が正しいことができるという状況で、頑張っていくような話になっています」と秋山さんは明かす。

 さらに「1話から見てもらった方が『そういうことに個々、結論がいくのか!』という驚きは期待してもらえると思う」と、さまざまな伏線が回収されることを示唆。「いろいろな要素を1話から描いてきていますが、最後にどういう局面を迎えて、最終局面の中で出てきたキャラクターが、どういうところにいくのかという、意外なものを提供できていると思うので、ご期待ください」と語っていた。

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 15日放送の最終回は15分拡大スペシャル。発砲事件に巻き込まれ命を落とした村田の遺品で、唯一現場の状況を知ることができるはずだったICレコーダーも、警察によってデータを消され、真相が闇の中に葬られようとしていた。そんな中、厚生労働相の職を辞した立原愛子(石田ゆり子さん)が「真実を話します」と名乗り出る。章たちは真相を語ろうとする愛子を警護をすることになるが、自分たちの身にも危険が迫る。一方、SPの落合義明(江口洋介さん)は上司の氷川(宇梶剛士さん)に「自ら事件の処理をする」と宣言し、驚きの行動に出る……。

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