永野芽郁:朝ドラヒロインの「壁」も軽々? 天真爛漫で泰然自若な18歳の素顔

2日スタートのNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロインを務める永野芽郁さん
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2日スタートのNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロインを務める永野芽郁さん

 2日にスタートするNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」でヒロインの楡野鈴愛(にれの・すずめ)を演じる永野芽郁さん。この春、高校を卒業したばかりの18歳は、女優としてはもちろん、ファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の専属モデルとしても活躍し、女子中高生に絶大な人気を誇っている。そんな永野さんが、幅広い年齢層が視聴する朝ドラでどのような演技を見せてくれるのか、興味は尽きない。昨年11月のクランクインから約5カ月が経過し、現在の心境について「感覚としてはすごく早い。気がついたらきっと終わってますね。壁は何も感じてないです」と明かす永野さんに、話を聞いた。

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 「半分、青い。」は、大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系、1996年)などで知られ、“恋愛ドラマの神様”の異名も持つ北川悦吏子さんのオリジナル作品。1971年に岐阜県で生まれ、病気で左耳を失聴したヒロイン・鈴愛(永野さん)が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、一大発明を成し遂げるまでの物語だ。

 ◇「オーディション好き」告白 まさかのまさかのまさかで朝ドラヒロイン!

 候補者2366人の中からヒロイン鈴愛役を射止めた永野さんは「本当にオーディションが好きなんですよ、私」と笑う。この発言だけ聞くと相当の自信家に思えてしまうが、理由はいたって単純だ。「実際に作品に入ってしまうと『この役はこういう子で』って何となく決められていて。逆に『自由にやってみて』っていうのがオーディション。自分の想像で自由にできるから」と理由を説明する。

 この肩肘張った感じのない、泰然自若な部分は永野さんの大きな魅力だ。「オーディションが好きというわりには毎回すごく力が抜けちゃって。いつも私の意欲は伝わっているんだろうかって」と本人にとっては悩みの種の一つのようで、「今回の朝ドラもオーディションだったから、もっと『やる気があります』って感じを出せたらよかったんですけど……。だからマネジャーさんには『たぶん落ちました』って報告をしましたし、お母さんにも『今回は無理』って言っていたので、まさかのまさかのまさかでここにいるっていう!」と目を輝かせる。

 「だからヒロインに決まったときはよく分からなかったです。『ヒロインはあなたです』『受けてくれますか』って、たたみかけるように言われるから、とりあえず『はい』って返事しましたけど、パニックでしたね。ようやく実感できたのが、クランクインして3週間後、岐阜ロケが終わるころ。『私がヒロインなのかな』って実感するまでに時間がかかりましたね」としみじみと思い返す。

 ◇“やってまった”の日々も「明るく元気にやっております」と前向き

 今回、永野さんが演じる鈴愛は、どんなに失敗しても「やってまった(やってしまった)」の一言で気持ちを切り替え、何度でも立ち上がる天真爛漫(らんまん)な女の子として描かれている。普段から「やってまう」ことが多いという永野さん。「すごく寒い日に、いつもはかないような短いスカートで素足で出掛けたり、常に『やってまった』ですね。次の日、早くから仕事があるのに、夜中に本棚を作り始めて、朝になっていたとか、1週間前にも『やってまった』って思ったし。やってまったなあという日々を過ごしています」と笑顔を崩さない。

 また今回、“座長”という立場でありながら、「周りの人が何とかしてくれるはずです。引っ張ってもらいます」と素直に言ってのけてしまうのも永野さんの天真爛漫さがなせる業だ。撮影は今のところ順調のようで、「スケジュールもわりと先まで出てますし、北川さんが脚本を早めに上げてくださるので、あまり苦労することもなく。皆さんが『朝ドラは大変』っていう理由はもちろん分かるんですけど、毎日やっているし。でも、まだ5カ月ですからね。これが8カ月とかになったら『死にたい』って言っているかもしれないけど(笑い)、今のところは明るく元気でやっております」と頼もしい限りだ。

 ◇役への思いは人一倍 芽ばえる責任感…目指すは「愛されるヒロイン」 

 そんな永野さんだが、鈴愛役への思いは人一倍だ。昨年公開された初主演映画「ひるなかの流星」で東京に転校してきた田舎育ちの女子高生・与謝野すずめを演じていた永野さんは、「『すずめ』って名前にすごく縁を感じて。もし、私が朝ドラのヒロインをやれるとするならばこの子しかいないんだろうなっていう、ふわっとしたものはオーディションを受けていてあったから、ヒロインに決まったときは、私はなんて運がいいい人間なんだろうてって思いましたね」と振り返る。

 底抜けの明るさと、後に一大発明を成し遂げるユニークな発想力、朝ドラのヒロインらしい真っすぐさやひたむきさで周囲の人々にも大きな影響を与えていく鈴愛。永野さんは「鈴愛はそこに存在しているだけで魅力的、魅力しかないような女の子」といい、「もう鈴愛は自分にしかできないなって思うくらいなじんできている。今は現場に入ったら、何も考えずに自然に鈴愛としてせりふが出てくる」と自信をのぞかせる。

 同時に「この魅力を自分自身が演じることによって、少なくならないように努力はしている」と責任感も芽ばえている様子で、「鈴愛は他の人が持っていないような感性を持っていて、鈴愛が言うせりふには一つ一つ考えさせられる。せりふって軽くも言えるし、重くも言える、感情やテンション、テンポで全然違ってくるものなんですけど、鈴愛の言葉は“ただの軽いもの”にはしたくないんです」ときっぱり。

 「いかにそのせりふを相手に届けるのか、自分自身の内側に入れて、ちゃんと言葉にして出せるか、ちゃんと考えないと鈴愛がすごい軽い子、わがままで自由奔放な女の子になってしまうし、愛されるヒロインにならないと思っているので、できるだけ考えてせりふを言うようにはしています」と力を込めた。

 「半分、青い。」はNHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。全156回を予定。

 <プロフィル>

 ながの・めい 1999年9月24日生まれ。東京都出身。2009年公開の映画「ハード・リベンジ、ミリー ブラッディバトル」で子役デビュー。10年放送の連続ドラマ「ハガネの女」(テレビ朝日系)に出演。13年にNHK大河ドラマ「八重の桜」にも出演した。15年公開の映画「俺物語!!」ではオーディションでヒロイン役を勝ち取る。17年には初主演映画「ひるなかの流星」ほか、「帝一の國」「ピーチガール」「ミックス。」などに出演した。

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