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城桧吏:「万引き家族」で息子役を好演 プライベートの素顔は?

映画
映画「万引き家族」で祥太役を演じている城桧吏さん

 5月にフランスで行われた「第71回カンヌ国際映画祭」で最高賞のパルムドールを受賞した映画「万引き家族」(是枝裕和監督)が8日に公開された。犯罪でしかつながれなかった家族を通して人と人との絆を描いたヒューマン作だ。リリー・フランキーさんや安藤サクラさん、松岡茉優さん、樹木希林さんら実力派俳優が出演しており、リリーさん演じる治の息子で、物語の核となる祥太役を現在11歳の城桧吏(じょう・かいり)さんが好演している。城さんに、撮影エピソードやカンヌ国際映画祭に参加した感想、俳優業についての思い、そしてプライベートの顔などについて聞いた。

 ◇オーディションで手応え 苦労したシーンは…

 映画は、犯罪で生計を立てる家族を通して人と人との“真のつながり”を描いた作品。万引きに精を出す治は、凍えている幼い女の子・じゅり(佐々木みゆちゃん)を目にして思わず家に連れて帰る。妻の信代(安藤さん)は体中傷だらけのじゅりの境遇を察し、面倒を見ることに。一家は祖母の初枝(樹木さん)の年金を頼りに、アルバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡さん)らと幸せに暮らしていたが、ある事件をきっかけに、家族の隠された秘密が明らかになっていく……というストーリー。高良健吾さんや池脇千鶴さん、池松壮亮さん、緒形直人さんらも出演している。
 
 祥太役は、オーディションで選ばれた。オーディション時は台本がなく、その場で言われたように演じたといい、「緊張しましたね」と城さんは当時の心境を振り返る。ただ、手応えはあったという。「うまくいけたかもしれない気がしたんですよね。受かりたい気持ちで、全力でやったので。だから手応えはありました」と語る。祥太役が決まって、「跳び上がって。うれしかったです」と当時の喜びを振り返る。撮影前は、たくさんの大人に囲まれて緊張していたというが、「スタッフやキャストの皆さんと仲良くなって、話すようになって。撮影中は緊張しなかったです」と大物ぶりものぞかせる。

 万引きに精を出す治と行動しつつ、じゅりの面倒もみる祥太は、物語の重要な役どころ。撮影時も台本はなく、是枝監督が口伝えで演出する形だった。演じる上で特に大事にしていたことは「祥太になり切ること」だという。「自分が祥太だと思って、心を作って。その場の状況に合わせて演じてみたりしました」と語る。是枝監督については、「『誰も知らない』(2004年)や『そして父になる』(13年)を見ていて。テレビにも出ていたので、(存在は)知っていました。最初に会ったときは、とても緊張しました」と語るも、「とても演技指導が分かりやすくて。でも、優しくていい監督なんです」とほほ笑む。

 今作は、治がハンドサインを出して、祥太がリュックサックにお菓子を入れる“万引き”のシーンから始まる。特に苦労したシーンだといい、「なかなか入らなかったんですよ、お菓子が。店員さんを見ながら鏡越しで万引きしているので、(カバンの位置が)分からなくて……。何回か挑戦して、カバンの開き具合や位置を微妙にずらしたりしてみて。どうしても外しちゃうんです。でも、やっているうちにどんどん慣れて、うまくなって(笑い)」と撮影の裏側を語り、「あそこのシーンだけで、30分以上は絶対かかっていると思います」と苦労を明かす。

 撮影中は同じ子役の佐々木みゆちゃんと一緒にいる時間が長かった。“父”役のリリーさんの印象を聞くと、「すごく優しいんですよね。寒い日はカイロで耳を温めてくれたり、肩をもんでくれたり」と城さん。安藤さんは面白い“歌”を教えてくれたことが印象に残っているといい、「その歌を学校の友だちに歌うとバカウケで、みんな笑う」と楽しそうに語る。

 ◇“パルムドール”受賞に「うれしい」 プライベートの素顔も…

 出演作がカンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞。「一番いい賞をとれて、うれしいと思いました」と感想を明かす。周囲の反応については、「すごいね、とか、いい作品に出させてもらったじゃん、とか(言われた)。すごいという言葉が一番多かったです」といい、レッドカーペットの感想は「緊張しました。笑顔は出ていたかもしれないけど、心の中では超緊張してて」と思い出していた。

 プライベートでは、意外にも「クラスでは普通の存在です」という。「クラスの普通にいそうな人。みんなとワイワイ話して、みんなについていく、みたいな……」と自己評価する。出演作がパルムドールを受賞し、これから一層の注目を集めることが予想されるが、「いつもの自分でいようと」決めている。注目されることへのプレッシャーは?と聞くと、「プレッシャーはないかな……」と自然体だ。

 今後の活躍が期待される城さんだが、挑戦してみたい役は? 「アクション系とかホラー系もやってみたいです」といい、「普段だったら、ワイヤを使って飛ぶことなんてできないじゃないですか。あと、ホラーは苦手なんですけど、好きでもあるんです。怖い話が好きで。だからホラーもやってみたいです」と理由を説明する。では、俳優としての楽しさとは? 「万引きとか、高いところから飛び降りる、とか……。普通にできないことが実際にできて、そういうのも楽しい」と顔をほころばせる。

 目標にしている俳優は、「リリーさん」と即答。「優しくて、演技もすごくうまくて。いつも笑わせてくれたり……。そういう俳優さんになりたい」と明かした。さらなる活躍が期待される城さんの今後に注目したい。

 <プロフィル>

 じょう・かいり。2006年9月生まれ、東京都出身。映画はほかに「となりの怪物くん」(18年)に出演。Netflixのドラマ「僕だけがいない街」では杉田役を演じた。7人組ユニット「スタメンKiDS」のメンバーとしても活動中。趣味はゲーム。特技は短距離走、ダンス。

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