妖怪ウォッチ ワールド:「ポケモンGO」と似て非なるもの “ゲーム哲学”に表れる相違点

スマートフォン用ゲーム「妖怪ウォッチ ワールド」の発表会で公開されたビジュアル
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スマートフォン用ゲーム「妖怪ウォッチ ワールド」の発表会で公開されたビジュアル

 27日から配信を始めたスマートフォン用ゲーム「妖怪ウォッチ ワールド」。人気ゲーム「妖怪ウォッチ」シリーズの最新作のため、ネットで話題となっているが、同時に、一昨年、社会現象となった「ポケモンGO」と似ているという指摘も少なくない。同作の狙いを探った。

 「妖怪ウォッチ ワールド」は、GPS(全地球測位システム)を用いた位置情報ゲームで、「パズル&ドラゴンズ」のガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)と、「妖怪ウォッチ」シリーズのレベルファイブが共同制作した。グーグルマップを基にした日本全国のフィールド上をサーチし、画面上に現れた妖怪をタップ、バトルに勝つと妖怪を仲間にできる。ジバニャンやコマさんなどシリーズに登場してきた人気キャラクターに加え、ご当地妖怪や新妖怪も登場する。基本利用料無料のアイテム一部課金制。

 ◇ポケモンGOを「意識しなかったといえばうそ」

 27日に開催された「妖怪ウォッチ ワールド」の発表会後に両社長を記者が囲んだ。「先行する『ポケモンGO』について……」と記者から質問が出ると、ガンホーの森下一喜社長は「『ポケモンGO』(2016年6月配信)より『パズドラレーダー』(16年3月配信)の方が先に出していたと思う」と自社のゲームを引き合いに出しつつ、「(ポケモンGOを)意識しなかったかといえばうそかもしれない……」と“ライバル心”ものぞかせていた。

 「ポケモンGO」と「妖怪ウォッチ ワールド」は、位置情報ゲームという意味では同じジャンルだが、似て非なる部分があるのも確かだ。その差は両作品の“ゲーム哲学”に表れている。「ポケモンGO」は、ゲームの設計上、外に出て実際に歩くことが必要だが、「妖怪ウォッチ ワールド」は必要ではない。「妖怪ウォッチ ワールド」は、遠隔地にいる他のプレーヤーと協力して、例えば東京にいながら福岡にいる妖怪を捕まえることもできる。

 森下社長は「実際にゲームを触ってもらうと分かるが、移動して(その都度)妖怪が出る仕組みでない。(ある一定の)場所ごとにサーチするゲーム。実は『パズドラレーダー』も最初は(ポケモンGOのように)歩き回っていたが、それだと危ない。歩きスマホを助長しないように作っている」と力を込める。「歩きスマホ」を助長する「ポケモンGO」への皮肉とも取れるが、裏を返せば両ゲームのコンセプトが異なっていることが分かる。

 「妖怪ウォッチ ワールド」は他にも、プレーヤーの位置情報を正確に特定させず、また匿名性にも配慮した設計にするなど相違点が多い。「ポケモンGO」と同じ位置情報ゲームで、グーグルマップを用い、人気キャラが実在の場所に出現することから、ネット上の反応では両作品が似ているという声があるが、その点、「妖怪ウォッチ ワールド」は損をしているともいえる。

 ◇収益は二の次?「楽しいのが最優先」

 森下社長にはビジネスモデルについての質問が集中した。ファミリーマートやNTTドコモとコラボをすることから「企業コラボで収益を得るのか」という質問もあった。森下社長は「こんなことを言ってはだめなのかもしれないが……」と前置きした上で、「楽しいのが最優先。結果的に(人気が出て)間接的に収益になれば。(ユーザーが)楽しんでくれたら収益になると信じている」と話した。

 確かに、会社としては利益を求めなければならないが、「パズドラ」のようにゲームの人気が爆発すれば、想像を超える売り上げになることも熟知しているのだろう。レベルファイブの日野晃博社長も「このゲームは、無課金でもいいのでたくさんの人に遊んでほしい。コミュニケーションツールで、レアな妖怪が出たときに課金をする。それで十分だと思う」とアピールした。

 配信前から期待が寄せられていた「妖怪ウォッチ ワールド」。もちろん前評判が高いゲームが必ずしもブレークするわけでないのが、ゲームビジネスの難しさだ。とはいえ期待は大きく、「パズドラ」の“後継不在”に苦しむガンホーと、市場の売り上げ縮小が指摘されている「妖怪ウォッチ」のレベルファイブの巻き返しのカギになるのか、注目だ。

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