モデルで女優の池田エライザさん主演の映画「ルームロンダリング」(片桐健滋監督)が7日、公開された。池田さんの役は、5歳で父親と死別、その翌年に母親が失踪し、人付き合いが苦手で“人生こじらせ中”というオカルト女子・八雲御子。御子の隣人で“不器用男子”の虹川亜樹人役を演じた伊藤健太郎(※6月30日、健太郎から改名)さんと共に、撮影の思い出などを振り返ってもらった。
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映像クリエーター発掘が目的のコンペティション「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015」で準グランプリに選ばれた片桐監督作品を実写化した。御子は、母の弟の雷土悟郎(オダギリジョーさん)に住む場所とアルバイトを用意してもらう。そのバイトは、自殺事件などが起こった訳あり物件に住むことで履歴を浄化するルームロンダリングだった……というストーリー。作品が上映された4月の「島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭」の合間に2人が取材に応じた。
――演じた役柄について教えてください。
池田さん:今まであまり人とのコミュニケーションを取っていない根暗な御子ちゃんというキャラクター。(設定は)少し現実と離れたファンタジーなんですけれど、御子ちゃんは日常の中にいるような女の子です。人見知りだけれど内弁慶で頑固なところがあって、変わる勇気がない。演じるのはすごく楽しくて、親身に話を聞いてくださる監督と(役柄の)幼少期のことから話し合えた。でも、割とありのまま演じていた気がします。
伊藤さん:亜樹人は、御子の隣人で小説を書く人間。最初、物語を見ていたら「この人、犯人なんじゃないの?」みたいに見える人ですが、亜樹人の正義感を感じられた部分も、尊敬する部分もあったので、演じてて楽しかったです。
――幽霊の出る映画ですが、オカルト映画は大丈夫ですか?
池田さん:私は苦手だな。ホラーゲームは好きでしたけれど。兄2人、弟1人の4人きょうだいなんですけれど、4人掛けのソファーに座って毛布を持って、長男がコントローラーを持ってホラーゲームをやって盛り上がりましたね。お化けが出たら(長男以外の3人が)毛布をかぶる。でも、ホラー映画は怖くて見られなかったかな。
伊藤さん:苦手ですね。怖いから見たくないんですけれど、人間の心理で見たくなっちゃうんですよね。最近怖いものよく見てるなと、自分でも思うんです。高校生みたいですが、男みんなで集まって怖い映画を見て、キャッキャと騒ぐ。そういうこともできるのが、ホラー映画の魅力ですよね。
――撮影で不思議な体験はありましたか?
池田さん:いや、お化け以前に人間だった人の話だったので(無かった)。なぜそんな(幽霊)になったのかに寄り添った作品だったので、特に怪奇現象が起きるような空気も無かった。陽だまりのような現場だったと思います。
――主人公が事故物件に住むという物語でしたが、ご自分はどんな部屋に住んでいますか?
池田さん:雑貨が好きなので、トルコ皿とかトルコの椅子とか、ギターとか電子ドラムとかもいっぱいある。物が多いんですが、散らかって見えないように、いろんなところにバランスよく雑貨を飾っています。あと、昔からペン画が好きなので、ペン画のコピーとか、写真集の切り抜きとか飾ったりしていますね。
伊藤さん:僕も好きなものに囲まれている部屋です。革がすごく好きなので、革ジャンが飾ってあったり、テーブルクロスの代わりに切りっぱなしの革を机に掛けているので、革の匂いがする。昔の酒瓶とかも飾っています。
池田さん:意外だね。割と無機質な部屋なのかと思った。
伊藤さん:全然興味無い人から見たら、「何だこの部屋? ゴチャゴチャしてるな」と思われがちですが、僕からしたら、好きなものが、あってほしい所にある部屋。雑貨店みたいです。
――2人は初共演とのことですが、撮影現場ではいかがでしたか?
池田さん:何日間くらいでしょうね、しゃべらなかったの。何畳かの狭い空間に共演者が何人か座っていたんですが、何日間かあったんですが、まあ、しゃべらなかった!
伊藤さん:共通の知り合いの話をきっかけに、ちょっと話し始めました。
池田さん:それまでが(お互いに話し始めるまでが)長かったです。でも悪い空気ではなかった。みんな趣味が多い人たちだったので、自分の好きな本を読んだり音楽を聴いたり、動画見て笑ってたり、そんな自由な空間でした。マイペースな人ばかりでした。
伊藤さん:人見知りの変な空気が流れていたわけではなく(話さなきゃとか)そこまで考えてなかったのかな。全然悪い空気ではないと僕は思っていたんですが、今までに感じたことの無いような空気感ではあった。
池田さん:御子ちゃんと亜樹人くんが仲良くなってからは、仲良くお話しすることが増えていったのかな。
伊藤さん:撮影とリンクしていたかもしれないですね。
――ファンへメッセージをお願いします。
伊藤さん:本当にあったかい、人間味のあふれている映画です。包丁刺さってたり、手が取れてたりする人がいましたけれど、全然お化けという感覚で見てなくて、一人の人間として見ていました。それぞれの人間味あふれるストーリーが詰まっています。誰かを大事にしようと思える作品なんじゃないかなと思います。
池田さん:お披露目が終わった後「ありがとうと言えなかった人にありがとうと言おうと思った」とか、いろんな方がSNSに素敵な言葉を書いてくださった。本当にその通り。どの世代にも、性別も関係無く、心整う映画なんじゃないかと思います。
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