間宮祥太朗: “純度の高さ”が重圧に? 「半分、青い。」怒濤の展開の裏側で…

NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」で森山涼次を演じている間宮祥太朗さん (C)NHK
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NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」で森山涼次を演じている間宮祥太朗さん (C)NHK

 永野芽郁さん主演のNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」に、ヒロインの鈴愛(永野さん)と心を通じ合わせる美青年、森山涼次役で出演している間宮祥太朗さん。5日放送の第82回から登場すると、鈴愛との距離を一気に縮めて、結婚の約束までしてしまうという怒濤(どとう)の展開の裏側で、間宮さんは「プレッシャーがすごかった」と振り返る。また「北川悦吏子さんの(台)本も、永野芽郁という女優も、純度が高すぎて……。涼次も自分というフィルターを通すことによって、より純度の高いものにしていかなくてはいけないのに、そこに雑味が生まれたらどうしようって、すごく考えましたね」と語る間宮さんに、役柄や永野さんの印象、「北川悦吏子作品」への思いを聞いた。

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 ◇涼次は「絶対に愛してもらえる役」 確信が持てているゆえの“重圧”も

 間宮さん演じる涼次は、尊敬する映画監督の元住吉祥平(斎藤工さん)の家に居候中の映画会社「クールフラット」の助監督。3歳の時に両親を交通事故で亡くし、叔母である“三オバ”こと藤村三姉妹に溺愛されて育つ……というバックボーンを持ち、性格は嫌みがなく、人の心を癒やす天性の優しさがある、母性本能をくすぐられる“愛されキャラ”だ。

 間宮さんによると、涼次は「台本を読んだ時点で、女性が魅力的だなって思う役」だという。その分「俺が演じて、そうじゃなくなったらどうしようって。みんなに絶対に愛してもらえる役になるって確信を持てている分、自分自身に確信が持てないというか。そのプレッシャーがすごかった」と語る。

 また、間宮さんは涼次に「あの年齢(28歳)で恋に恋していて、鈴愛と出会ってすぐプロポーズするところは少し子供っぽい」と感じつつ、「でも根本で、愛情というものをすごく求めているし、自分も持ちたいと思っている。そこに対してはピュア。“ダメなところこそが愛せる部分”というのは絶対にあると思ったし、本人が恥ずかしいと感じたり、照れてしまう、いたらない部分こそ、周りの人から見たら魅力だったりするのかな」と擁護する。

 さらに間宮さんはこれまで役柄的に「ピュアな恋愛をしてこなかった」といい、「僕は役者として“恋愛素人”なところがあるので、本当に芽郁ちゃんが演じる鈴愛を信じようと思ったんですけど……。信じようと思ったら、信じざるを得ない状況になり、おんぶにだっこでやらせてもらった感じです」と笑顔で告白する。一方で「僕の今までのイメージとは違う柔らかい、愛嬌(あいきょう)があって愛されるようなすごくすてきな役を、北川さんが自分に会ったときのイメージから書いてくださったと聞いていたので、愛着を持って演じることができたと思う」と胸を張る。

 ◇永野芽郁に驚き「こんなにも信じられる涙はない」

 鈴愛役の永野さんとは2107年公開の映画「帝一の國」や連続ドラマ「僕たちがやりました」(フジテレビ系)などで共演してきたが、恋人役や結婚相手となるのは今回が初めて。

 改めて「今回はすごく助けられた」という間宮さんは、「朝ドラで北川さんの本で、すごく繊細な感情を見せていく中、やっぱり目の前の相手を信じてお芝居に挑めるって重要なこと。芽郁ちゃん自身、生の感覚をとても大事にする、実際に触れた温度とか、その場の呼吸を拾って演技をする方なので、その彼女の生の感情の揺らぎに引っ張られる形で演じていた。すごく助けられたなって思います」としみじみ。

 特に印象的だったのが、9日放送の第85回で、鈴愛のマンガの「ファンだった」と明かす涼次と握手した瞬間、鈴愛が涙を流すというシーンで「自分の手の温度で、握った瞬間に蛇口をひねったかのようにぽろぽろぽろって。芝居中なのに僕、びっくりしてしまった。こんなにも信じられる涙はない、頼りがいのある女優さんだなって思った。朝ドラのヒロインって、スケジュールとか大変なので、自分が助けられたらって思っていたんですけど、逆でしたね」と驚きを隠せない様子だった。

 ◇北川悦吏子作品に心酔 台本から感じた表現者としての“愛情”と“覚悟”

 もともと北川さんの書く物語が好きだったという間宮さん。「ドラマも好きだったのですが、『ハルフウェイ』(2009年)って映画がすごく好きで。繊細かつ力強さもあって、今回の台本を読んだときも思ったのですが、登場人物がリアルで感情移入もできるし、その奥に北川さん自身の愛情が見える。“生きたせりふを書く方”って感じています」と心酔している。

 今回の「半分、青い。」でも、「台本を読みながら感動して涙が出た」といい、「僕がすごく感じたのは、鈴愛も(元)マンガ家で、僕も映画監督を目指していて、表現者ってものに対して、愛情と覚悟をすごく感じる台本で。その部分が一番胸に刺さった。北川さん自身も表現者、クリエーターであって、表現するために背負う葛藤や苦悩、それを越える喜び。そこはすごく北川さんの覚悟だったり、表現者としての愛情をすごく感じましたね」と、その印象を強めていた。

 「半分、青い。」は、大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系、1996年)などで知られ、“恋愛ドラマの神様”の異名も持つ北川さんのオリジナル作品。1971年に岐阜県で生まれ、病気で左耳を失聴したヒロイン・鈴愛が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜ける物語。NHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。全156回を予定。

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