玉木宏:羽田圭介原作「盗まれた顔」でWOWOW連ドラ初主演 「今までにない刑事ドラマに…」

WOWOWの連続ドラマ「盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」に主演する玉木宏さん(右)と原作者の羽田圭介さん
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WOWOWの連続ドラマ「盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」に主演する玉木宏さん(右)と原作者の羽田圭介さん

 俳優の玉木宏さんが、芥川賞作家・羽田圭介さんの小説が原作のWOWOWの連続ドラマ「盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」に主演することが14日、明らかになった。羽田さんの小説が連ドラ化されるのは今回が初で、玉木さんがWOWOWの連ドラに出演するのも今回が初めてとなる。

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 玉木さんは3000人の指名手配犯の顔を記憶し、数万もの“顔”が 行き交う雑踏で、いつ現れるとも知れない犯人を捜す、“見当たり捜査員”を演じ、特報映像も公開された。

 題材となる「見当たり捜査」とは、指名手配書の写真や防犯カメラの画像などから容疑者の特徴を記憶し、駅や繁華街を歩いて似ている人を捜し出す捜査手法。大阪府警が1980年ごろに始め全国に広まったとされる。愛知県警では刑事特別捜査隊に専門部署があり、毎年25人前後を逮捕している。

 ドラマは、女優の安藤サクラさんが女性ボクサー役を務めた映画「百円の恋」(2014年)の武正晴監督がメガホンをとり、同作で第39回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞した足立紳さんが脚本を執筆する。

 警視庁捜査共助課に勤める白戸崇正(玉木さん)は、顔だけを頼りに、潜伏する指名手配犯を捕まえる“見当たり捜査員”。部下たちと共に繁華街を行き交う群衆を見つめ、脳に刻んだホシの顔を捜し続ける日々を送っていたが、ある日、白戸は群衆の中に「見つかるはずのない顔」を見てしまう。4年前に謎の死を遂げた先輩刑事・須波で、見間違いだと否定しようとした矢先、白戸は須波にまつわる不可解なうわさを耳にする。事件について調べるうち、公安や中国マフィアが動きだし、白戸はいつしか命をも狙われることになる……というストーリー。

 玉木さんは「この作品は『見当たり捜査』という変わった捜査手法を題材としていますが、ある『顔』を見つけてしまったことがきっかけとなり、そこから芋づる式にいろいろなものがつながってしまうという、事件性の怖さが詰まった作品です。誰かを追っていると思っていたらいつのまにか自分が追われている立場にいる、そんな緊張感に満ちた、今までにない刑事ドラマになるのではないかと思います」と期待を寄せていた。

 「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」は全5話。WOWOWプライムにて19年1月放送予定。

 ◇白戸崇正役・玉木宏さんのコメント

 ――WOWOW連続ドラマ初主演となる本作「盗まれた顔」の魅力とは

 この作品は「見当たり捜査」という変わった捜査手法を題材としていますが、ある「顔」を見つけてしまったことがきっかけとなり、そこから芋づる式にいろいろなものがつながってしまうという、事件性の怖さが詰まった作品です。誰かを追っていると思っていたらいつのまにか自分が追われている立場にいる、そんな緊張感に満ちた、今までにない刑事ドラマになるのではないかと思います。

 ――白戸崇正の人物像

 人の顔を覚える相貌識別能力の高さを評価されて“見当たり捜査員”になった男です。彼は業務に対して真摯(しんし)に向き合うのですが、その分どんどん神経をすり減らし、自分の身を削ることになる。そういう意味では、誰もが白戸のようになり得る、普通の感覚を持った人間だと思います。身を削りながら仕事をしている一方で、付き合っている女性を大事にしたいと思う気持ちもあり、その葛藤がままならない感じが、非常に人間らしいと感じています。

 ――「見当たり捜査」についての感想

 人の顔は変わるものですが、手配写真から何年も経過していても、彼らは経年した顔の変化を想像して見つけることができます。実際にそうやって検挙されている実績もあるので、本当にすごい仕事だと思います。

 ――メッセージ

 このドラマは監督に武正晴さんを迎えて、映画さながらの作りになっています。決して派手さはないですが、非常に奥行きのあるサスペンスに満ちたドラマです。ぜひ楽しみに放送をお待ちいただければと思います。

 ◇武正晴監督のコメント

 本作は、見当たり捜査というまこと奇妙な仕事を職能とする主人公の物語である。まてよ、映画監督という職業も人の顔を見続けるという商売と重なるではないか。「孤独者とは良き観察者になり得る」とは、ある映画の名ぜりふではあるが、僕はこの顔を盗み、読む、見当たり捜査員たちの職能の孤独性に共感したのだ。玉木宏さんは、今回白戸という役の、喜怒哀楽だけでははかれないさまざまな感情や孤独、哀愁を見事体現された。孤高の主人公、白戸が仲間たちと苦難をどうくぐり抜け、どのような宝を手に入れるのか、視聴者の皆さんには息を潜めて見届けていただきたい。

 ◇原作者・羽田圭介さんのコメント

 当初、推理とはかけ離れた“見当たり捜査”という、アナログな力業の性質が、起承転結に重きを置く映像作品とは親和性が低いのではないかと思っていました。しかしだからこそ、どんなものが出来上がるのかとても興味深く、楽しみにしています。玉木さんは自分が高校生だった頃に映画で見てとても印象的な役者さんだったので、今回白戸を演じられるというのは感慨深いです(自分がイメージするもう少し野暮ったい白戸像からすると、いささか格好良すぎる気もしますが)。視聴者の皆さんには、ぜひドラマをご覧いただき、そして原作本も買っていただければ、と思います。

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