柏木由紀:初大河「西郷どん」でアイドルの“顔”消す? 人生で一番緊張「ほぼ記憶がない」

NHKの大河ドラマ「西郷どん」に西郷園役で出演している柏木由紀さん (C)NHK
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NHKの大河ドラマ「西郷どん」に西郷園役で出演している柏木由紀さん (C)NHK

 鈴木亮平さん主演のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」で、主人公・西郷吉之助(鈴木さん)の弟・吉二郎(渡部豪太さん)の妻・園を演じているアイドルグループ「AKB48」兼「NGT48」の柏木由紀さん。今回が初の大河ドラマで、クランクイン時のことを「緊張しすぎて、ほぼ記憶がないですね。人生で一番緊張したし、(AKB48の)オーディションより緊張しました」と振り返る。また、鹿児島出身で「理想の薩摩おごじょを目指した」という柏木さんに、役やドラマへの思いを聞いた。

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 ◇クランクインの前日は「1時間も眠れなかった」

 地元・鹿児島が舞台だけに、「西郷どん」は第1回から見ていたという柏木さん。「まさか、自分が見ているものに出演させていただけたことにびっくり。うれしかったです」と話す。また「両親や身内も喜んでくれて、毎週感想が届いたりする」といい、「友達は『チェスト!』、薩摩ことばで『気張れ』という意味なのですが、そういうメールを送ってきます」と笑う。

 クランクインの前日は「1時間も眠れなかった」とも明かす柏木さんは、「初めてのときに『西郷園役の柏木由紀です』と紹介するのですが、めちゃくちゃ緊張するんですよ。しかも私はリハーサルに参加できず、ぶっつけ本番だったので、緊張しすぎて、ほぼ記憶がないですね。人生で一番緊張したし、(AKB48の)オーディションより緊張しました」と振り返る。

 アイドルとして常に注目され、緊張とは無縁のような柏木さんだが、「人と比べると緊張しない方なのですが、初めての大河の現場で頼れる人は誰もいない。一生あんな思いはしたくない」と言い切るほどで、その緊張をほぐしてくれたのが、夫役の渡部さんだった。「全然寝てなくて……」という柏木さんに、渡部さんは「寝ないとダメだよ」と優しくアドバイスしてくれたといい、「渡部さんには気持ちを素直に打ち明けることができたし、助けていただきました」と感謝していた。

 ◇夫・吉二郎を戦場へと送り出す園 台本「読むたびにつらく」

 演じる園の印象は「自分が理想としている『薩摩おごじょ』」。「男性を立てて、三歩後ろでついていく。母もそうですが、昔からそう感じることが多かった」と明かす。14日放送の第38回「傷だらけの維新」では、そんな園が「戦働きがしたい」という思いを抱く夫・吉二郎の背中を押すことになる……。

 柏木さんは「台本を読んで泣いてしまいました。戦争に行くという夫の背中を押すことはなかなかできないものですが、夫が『薩摩隼人らしく働きたい』と。その言葉はカッコいいと思ったし、園さんも幸せだっただろうなと」としみじみ。

 さらに「台本を読んでいる段階では(気持ちが)追いつかなかったのですが、吉二郎さんが『戦争に行きたい』と勇気を出して言ったことを応援できるのは、自分しかないと実感した」といい、「『私が送り出してしまった』という後悔よりも、『頑張りました。お疲れ様でしたね』という気持ちが素直に出てきました」と思い返す。

 他の仕事をしていても、第38回のことは頭から離れなかったようで、「台本を撮影の3週間前にいただいたのですが、読むたびにつらくなってしまって。だったら読まなきゃいいのですが(笑い)。毎日、読んでは『はあ……』とため息をつくの繰り返しで、シーン的にも大変でした」と語った。

 ◇アイドルと大河女優の切り替え「すんなり」 実は肌を黒く塗っている…

 そんな柏木さんに、アイドルと大河女優の“兼任”について聞くと、「切り替えは大変ですが、かつらを着け、着物を着るとすんなり(役に)入っていけるのです。現代ドラマとは違って、(時代劇の大河は現実と)あまりにかけ離れているので」との答えが。一方でメンバーやファンから「赤ちゃんの抱っこの仕方が下手」と言われたといい、「確かに赤ちゃんと接する機会がないので……。そこは猛反省ですね」と苦笑しつつ、「私は常に演技の仕事をしているわけではないので、演技に対して引け目に思うことがある。まずは迷惑をかけないようにしようと心がけています」と本音をちらり。

 それでも柏木さんは「『女優ではない私が大河に出させていただいていいのか』と今も思っているのですが、現場はすごく楽しい。ご一緒させていただくだけで糧になる。今は西郷家の皆さんに会えるのが楽しいし、緊張が楽しめるようになった」と笑顔も見せ、今後については「かなり頼もしくなった園が見られると思います」とアピールする。

 最後に、「大河では、いい意味でアイドルとしての“顔”(オーラ)が消えているが……」と尋ねると、柏木さんは「それはうれしいですね」とにっこり。「AKB48として見られるのは仕方ないけれど、一方で西郷園として見られないといけないと思う。自然となじめればいいなと」と決意を見せつつ、「実は肌を黒く塗っているのです。『これで大丈夫かなあ?』という不安も正直あったのですが、(アイドルオーラを消せたのであれば)いいかな」と照れ笑いを浮かべていた。

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