ムロツヨシ:役者23年目の“新境地” 「一つのルールは消した」

テレビ
俳優のムロツヨシさんが出演する連続ドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」の1シーン(C)TBS

 ドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系、金曜午後10時)で、本格ラブストーリーの連続ドラマに初出演している俳優のムロツヨシさん(42)。これまではコミカルなイメージが強かったが、今回は切ない純愛物語で戸田恵梨香さんの相手役を演じており、第1話が放送されると、SNSではムロさんの“イケメン”ぶりが話題になった。19歳で役者を志し、今年で23年目。これまで自分の中にあった「一つのルールは消した」というムロさんに話を聞いた。

 ◇「人生何が起こるか分からない」

 今年2月、“俳優として、将来性が大いに期待される人”に送られる「第42回エランドール賞」の新人賞に選ばれ、授賞式では20代のころを「将来性をあきらめる毎日でした」と語っていたムロさん。42歳の今、若年性アルツハイマーを患う医師の北澤尚(戸田さん)を支える恋人の元小説家・間宮真司役に起用され、「たまたま役者としては、恋愛ドラマの恋愛をする人たちの中には必要とされていなかった人間で、40(歳)過ぎてあきらめかけたときに、『やりませんか?』と言ってくれたから、人生何が起こるか分からない。不思議な時間の流れだなと思います。うれしかったです」としみじみと話す。

 1976年1月23日生まれ、神奈川県出身。19歳で役者を志し、入学したばかりの東京理科大学を中退し、役者の養成所に。99年に上演した独り舞台で俳優としての活動をスタートさせた。本広克行監督の「サマータイムマシン・ブルース」(2005年)で映画初出演を果たすと、その後、福田雄一監督の映画「大洗にも星はふるなり」(09年)に出演するなど、徐々に頭角を現してきた。08年から自身が作・演出・出演した舞台「muro式」を定期的に上演。映画やドラマ、CMなどで活躍している。

 役者・ムロツヨシとしては23年目。「勇者ヨシヒコ」シリーズの珍妙な呪文ばかり唱える魔法使いのメレブ役など、福田監督作品の“常連”で、NHKの人気コント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」にもレギュラー出演。舞台あいさつやバラエティー番組などでも、軽妙なトークで場を盛り上げるなど、コミカルなイメージが広く浸透している。

 ◇「僕はすべてが普通」 あえて選ばなかった“選択肢”

 だが、ムロさんは「コメディーを主にやってきて、皆さんが認知してくれている“ムロツヨシってこんな役”っていう前の段階にも、映画とかドラマに出させてもらっているんですけど、昔は『誰も選ばない選択肢を選択して成立させる役者』として皆さんに覚えてもらおうとしていたんですね」と明かす。

 2017年に発売された著書「ムロ本、」(ワニブックス)では、「本業以外の時給制の仕事ばかりしていた20代」「やりたい舞台をやりたいように作ろう、と決めた32歳」「余計な芝居を選択した30代」とつづっていたが、“個性がある”と知られるまでには「(自身について)冷静に判断、証明する時間がたくさんあった」といい、「僕はすべてが普通」と自己分析した結果、“ある程度多くの人が選ぶであろう選択肢”を、「“あえて”選ばないようにしていた」と振り返る。

 ◇「すべてを選択肢に入れていい」という“新境地”に

 “ある程度多くの人が選ぶであろう選択肢”は、「もっと頭のいい、もっと背の高い、もっとスタイルのいい、もっと個性的な顔をした、もっと個性の持った人、もっといい声の人がやるべきこと」と表現し、それを選ばないようにしなければ「僕のいる場所はない」と話す。

 「“みなさんが選択しない選択肢”をとって、何かを成立させるという場所を作って、少しずつ覚えてもらって、やっと今、『大恋愛』もしくは、ここ数年の呼んでいただいた映画やドラマで、“みんなが選ぶ選択肢”を選ばない選択をしなくてもすむようにはなりました」と話す。「一つのルールは消したというところですよね。すべてを選択肢に入れていいというふうになったところの“新境地”」と続ける。

 「『この役でやってほしい』という人がいるからには、一つの正解が出ているから、『僕なんて』『僕はダメですよ』って言って、緊張していたら意味がないと思う。“自分なんて……”と思わないように、いつでもしています。どこの場所でも」。

 “一つのルールを消した”ムロさんは、これからどんな新たな顔を見せてくれるのか。ますます目が離せない存在になりそうだ。

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