アニメ質問状:「イングレス」 世界展開を意識したキャラ設定とは? エージェントを裏切るような作品にはできない

テレビアニメ「INGRESS THE ANIMATION」の一場面(C)「イングレス」製作委員会
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テレビアニメ「INGRESS THE ANIMATION」の一場面(C)「イングレス」製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、 スマートフォン用ゲーム「Ingress(イングレス)」(Niantic)から生まれたテレビアニメ「INGRESS THE ANIMATION」です。櫻木優平監督に作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 --作品の概要と魅力は?

 スマートフォン向けリアルワールドゲーム「イングレス」を原作としたアニメ作品になります。ただ、ゲームのストーリーをそのままアニメにするわけではなく、オリジナルのストーリーとキャラクターを作り上げ、ゲームをプレーしたことのない方にも楽しんでいただけるような構成にしています。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 今回、企画時点でグローバルに展開することが決まっていたので、世界中の人が見て、違和感のない作風になるよう心がけました。特にキャラクター設定に関しては、気を使っています。日本のアニメでは中学生や高校生が主人公の場合が多いですが、海外の人から見ると子供が世界の命運を握るという展開に無理を感じる可能性があるので、今回は30歳の青年を主人公にしています。

 そのほかのキャラクターも、ある程度年齢を高めに設定しました。国籍に関しても、日本だけに絞らず、米国、アジア、ヨーロッパとさまざまな国籍のキャラクターが登場する構成にしました。

 キャラクターに関しては、フル3DCGで作成しています。これも世界に向けて挑むにあたり、できるだけ新しい表現で勝負したいという気持ちがありました。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 制作中、実際に「イングレス」のエージェント(プレーヤ―)の方々にレクチャーいただきました。本格的な制作に入る直前、ゲームの醍醐味(だいごみ)を知ろうということで、ベテランエージェントの指導の下、アニメの制作スタッフたちだけでちょっとしたミッションを行いました。何とか成功にまでたどり着くことができ、非常に分かりやすく、面白さを感じることができました。

 アニメの発表後、イベントにゲストとしてお呼びいただく機会があったのですが、皆様とても情熱的で、これは彼らを裏切るような作品にできないと、強く感じました。逆に、エージェントたちにも心から「イングレス」のアニメだと思ってもらえるようにするため、設定から外れないようにしつつ、アニメとしても面白くするため試行錯誤しました。結果、良いバランスになったと感じています。

 --今後の見どころを教えてください。

 主人公の翠川誠は元々、過去にトラウマを持つ引きこもりがちな青年でした。その彼が外に出たことにより、サラやジャックと出会い、さらには大きな陰謀に立ち向かうため、世界に旅立っていきます。そしていろんな出会いをし、いろんな経験をして、成長していくことになります。ぜひ彼らと一緒に旅をする気持ちで作品をご視聴していただければと思います。

 映像や音に関しましても、かなり気合を入れ制作しましたので、クオリティーにも期待していただければと思います。

 --ファンへ一言お願いします。

 テレビアニメ「イングレス」、世界中のどなたが見ても楽しめるような作品を目指し制作いたしました。11話、最後までご視聴いただけると幸いです。何とぞよろしくお願いいたします。

監督 櫻木優平

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