女優の北川景子さん主演の映画「スマホを落としただけなのに」(中田秀夫監督)が2日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。原作は、2017年「このミステリーがすごい!」大賞の“隠し玉”作品(=ベストセラーの可能性がある作品)になった志駕晃さんの同名小説。恋人がスマホを落としたことをきっかけに、ヒロインが覚えのないメールの送信やSNSのなりすましなどに遭遇し、そこから思いもよらない大事件に巻き込まれていく。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
派遣社員の稲葉麻美(北川さん)が、恋人の富田誠(田中圭さん)のスマホに電話すると、聞き覚えのない男の声が……。その後、スマホを拾ったという男から本体は戻ってきて安心するが、誠が身に覚えのないクレジットカード料金を請求されたり、麻美もSNSだけでつながっている友人からしつこく連絡が来るなど、その日を境に奇妙な出来事が続発。同じ頃、若い女性の遺体が山中で次々と発見され……。
とにかく怖い。現代人の最も身近なスマホが物語の中心にあるだけで、真に迫る恐怖と切実さを感じた。スマホは便利な半面、とてつもない個人情報が詰まっているもの。それを落とすということは、まさに自分の全てを失うのと同じような感覚に陥る。その恐怖をあらゆる角度から描き、見る側の心を揺さぶってくる。
スマホにまつわるさまざまな現象が盛り込まれ、批判するだけでなくその利便性についても知ることができてハウツー的な見方も可能。そしてラスト、麻美の運命には……本当に驚かされた。(遠藤政樹/フリーライター)
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