鈴代紗弓:テレビアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」で初主演 注目の声優は「少しずつでも成長を」

アニメ「荒野のコトブキ飛行隊」で主人公・キリエの声優を務める鈴代紗弓さん
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アニメ「荒野のコトブキ飛行隊」で主人公・キリエの声優を務める鈴代紗弓さん

 美少女たちが空戦アクションを繰り広げるテレビアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」が、13日からTOKYO MXほかで順次、放送される。「ガールズ&パンツァー」などの水島努さんが監督を務めるオリジナルアニメ。昨年放送されたテレビアニメ「ハイスコアガール」でヒロイン・大野晶を演じたことも話題になった鈴代紗弓さんが主人公・キリエの声優を務める。「荒野のコトブキ飛行隊」が初主演作で、活躍が注目される鈴代さんに、今回の作品や声優としての活動について聞いた。

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 ◇オーディションのアプローチ変え大役を射止める

 「荒野のコトブキ飛行隊」は、雇われ用心棒・コトブキ飛行隊が、客の大事な積み荷を守るために大空をかける姿を描く。鈴代さんが演じるキリエは、正確な操縦技術と空間把握能力にたけたパイロット。丁寧な言葉遣いだが実は超毒舌なエンマ、トリッキーな操縦を淡々とやってのけるケイトら個性的なコトブキ飛行隊のメンバーと空戦を繰り広げる。幸村恵理さんや仲谷明香さん、瀬戸麻沙美さん、山村響さん、富田美憂さんらも声優として出演する。

 「荒野のコトブキ飛行隊」の大役が決まった時は「めちゃくちゃうれしかったです。グループのレッド的なポジションの役をいつかやりたかったんです。夢が一つかないました」と喜ぶ。このオーディションは「アプローチの方法を変えた最初のオーディションでもあったんです」と明かす。

 「オーディションはたくさんの人が受けます。なかなかうまくいかないこともあり、足りないものがあるのでは……と考えていた時期に『コトブキ』のオーディションを受けました。どうせ落ちるなら、何かしら印象を残したい。受かりたい!と力んでしまうのではなく、そういうことを考えずに楽しくやろう!と臨んだんです。私の場合、芝居には、内面も出てしまうので、いい状態でオーディションに臨めたのかもしれません」

 いい意味で少し力を抜いてオーディションに臨んだ結果、大役を射止めた。オリジナルアニメということもあり、オーディション時はキャラクターの詳細が分かっていなかった。

 「キャラクターの性格と戦闘スタイルが説明されていたのですが、キリエは『瞬間湯沸かし器のような性格』と書いてあったのが印象的でした。そこを考えつつ、勝手に設定を想像していたんです。たまたま、その解釈と方向性が同じだったのかな? 実際にアフレコで演じてみて、そう感じました」

 ◇考えるよりも感じろ!なところはキリエに似ている

 テレビアニメ「ハイスコアガール」で演じたヒロイン・大野晶は極端に無口なキャラクターだったが、今回のキリエは頭に血が上りやすいタイプ。アフレコでもキリエの瞬間湯沸かし器のような性格を意識した。

 「『瞬間湯沸かし器』と性格を表現しているのを見たのは初めて。いろいろ考えてみました。いきなりカッとなるんですね。血が上りやすいタイプで、そのマックスが思っていた以上でした。『もっとやっていいよ!』というディレクションをいただくことが多いんです。あとは(キリエの好物)パンケーキに対する愛ですね。パンケーキをないがしろにされた時にも『もっと怒っていいよ!』とディレクションをいただきました」

 鈴代さん自身は、瞬間湯沸かし器のような性格なのだろうか?

 「そんな短気ではないです(笑い)。ただ、考えるよりも感じろ!なところはキリエに似ていますね。お芝居にしても、理詰めにするよりも、感覚的と言いますか、その時に感じたものを出すことが多いタイプだと思っています。アフレコの前に練習し過ぎると演技が固まってしまって、アフレコで変えられなくなってしまう……。これまでそういう経験があったので、ある程度、方向を決めつつ、現場で臨機応変に対応できるようになりたいですね。まだまだなんですけど」

 ◇アフレコで水島マジック

 アフレコでは「これぞ水島作品!」と感じることもあるという。水島作品はテンポの良さが魅力の一つだ。せりふにもスピード感が求められることがあった。

 「決められた尺に決められたせりふを入れるのが声優ですが、少し尺が短いところがあるんですね。テンポが速いので、慣れるまで少し時間がかかりました。チャレンジでした。演じていると速いな!と思いましたが、実際に見ると速く感じないんです。そこが水島さんマジックなのかもしれません」

 空戦シーンも見どころの一つになる。「すごいです! 鳥肌が立ちました。迫力、臨場感がすごいんです。ぜひ、いい音響、大きな画面で見ていただきたいですね。キャラクターも格好いいですし、見どころがたくさん詰まっています」と力を込める。

 ◇少しずつでも成長を 油断はしてはいけない

 鈴代さんは昨年、「ハイスコアガール」出演が話題になった。「生活がガラッと変わりました」という。

 「昨年は事務所に所属して2年目でした。1年目はオーディションに落ちてばっかりだったのですが、昨年は『コトブキ』の出演が決まり、イベントがあったり、キャラソンを歌わせていただいたり、初めてのことをたくさん経験させていただきました。ただ、最初が肝心。油断はしてはいけないし、初心を忘れずに頑張りたいと思います」

 今年は「荒野のコトブキ飛行隊」以外にも4月にスタートするテレビアニメ「ぼくたちは勉強ができない」への出演が決まっており、さらなる活躍が期待されている。「軸はお芝居なので、引き出しを増やしていって、少しずつでも成長していきたいですね。『コトブキ』で初めてキャラクターソングを歌わせていただいたのですが、技量がまだまだ追いついていません。歌の幅も広げていきたいですね。あとはトークも!」と意欲を見せる。

 「『コトブキ』は熱を込めてみんなで作っている作品。アフレコは終盤でして、寂しいです……。すてきなものがたくさん詰まっている作品ですし、キリエを長く演じていきたい!」と話す鈴代さん。「荒野のコトブキ飛行隊」はもちろん、今後の活動がますます注目を集めそうだ。

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