注目映画紹介:「雪の華」名曲モチーフのラブストーリー W主演の登坂広臣&中条あやみが期間限定の恋人同士を好演

映画「雪の華」の一場面 (C)2019映画「雪の華」製作委員会
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映画「雪の華」の一場面 (C)2019映画「雪の華」製作委員会

 ダンス・ボーカルグループ「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の登坂広臣さんと女優の中条あやみさんがダブル主演した映画「雪の華」(橋本光二郎監督)が1日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開される。中島美嘉さんの楽曲「雪の華」をモチーフにしたラブストーリー。東京とフィンランドを舞台に、“期間限定”の恋が切なく展開する。登坂さんは自分の気持ちを表現するのが苦手な職人気質の悠輔を、中条さんは余命を宣告されながらも無邪気で可愛らしい美雪を好演している。

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 映画は、中島美嘉さんの同名ヒット曲をモチーフにしたオリジナル作。幼少のころから病弱だった平井美雪(中条さん)は、いつか憧れのフィンランドでオーロラを見るという夢を抱いていた。美雪は、余命1年を宣告された日、ひったくりに遭い、打ちひしがれて声も出せずにその場に座り込んでしまう。そんな美雪の前に現れたのが、ガラス工芸家を目指す綿引悠輔(登坂さん)だった。ひったくり犯を捕まえた悠輔は、動けない美雪を見て「声出していけよ! 声!」と発破をかける。その真っすぐな性格に引かれた美雪は、悠輔が働くカフェが借金で危機に陥っていることを知り、「私が出します、100万円。その代わり1カ月間、私の恋人になってください」と期間限定の恋を持ちかける……というストーリー。

 美雪の母・礼子役で高岡早紀さん、悠輔が働くカフェのオーナー、岩永役で浜野謙太さん、美雪の主治医の若村役で田辺誠一さんも出演している。脚本は映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(17年)、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」などで知られる岡田惠和さんが担当している。

 ラブストーリーというと、恋敵など2人を取り巻く第二、第三のキャラクターが登場することが多いが、今作はラストまでほぼ2人の世界だ。二転三転……といったハラハラ感はないが、引かれ合い、徐々に距離を縮めていく2人の関係が浮き彫りになり、共感しやすい。ヒロインの美雪は余命を宣告され打ちひしがれるが、恋をすることで明るく積極的な一面ものぞかせる。そんな美雪を、中条さんが無邪気な表情やはしゃぐ姿などキュートに演じ、今作の見どころの一つになっている。序盤は地味な装いの美雪が、悠輔と出会い華やかさを増していく姿にも注目だ。

 意外性のあるストーリーではなく、王道な展開ともいえるが、それでもクライマックスのシーンには涙腺を刺激された。フィンランドの美しい街並みや幻想的な風景もスクリーンで堪能できる。(河鰭悠太郎/フリーライター)

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