話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、ソーシャルゲーム「神撃のバハムート」から生まれたキャラクターのアンとグレアの日常を描くテレビアニメ「マナリアフレンズ」です。岡本英樹監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
非日常にある世界を日常とするキャラクターたちの生活や感情といった部分を紹介することで、よりキャラクターに対して興味や魅力を感じていただければと思っています。王国の姫さまで、明るく人気者であるアンと、竜族の姫さまで、人一倍力はあるけど内向的で穏やかな性格のグレア。この二人が出会い、心がひかれ合い、離れられないくらい心を許した友達になるまでを、心情に寄り添ってゆっくりした時間の流れで描いています。
ゲームですとキャラクターのカッコいいビジュアルはいっぱい出てくるのですが、そのバックボーンでもある美術世界や生活感を感じさせるシチュエーションというのはビジュアルではなかなか出てきません。アニメはそこをしっかりと作ることで地に足がついたお話を作れると思っていましたので、その辺を作り上げることにまずはこだわりました。キャラに関してはとにかく表情ですね。感情をいかに表現するか。視線や細かい機微の部分を表現するために丁寧に作画をしていただいています。
美術や小物、衣装にいたるまで細かく設定を考えさせていただいたのがとても楽しかったです。後は時間や季節、天候に合わせて細かく色調整をさせていただけたのがうれしかったです。作画にしてもフィルムチェックの段階で線一本分の修正をしてほしいとか、これもなかなかさせてもらえるものではありません。当然その分スタッフさんに大きな負担をかけてしまって申し訳なかったのですが、出来上がりを見るとやって良かったなと思います。
見どころはたくさんあるのですが、中でも第8話の学園祭の話です。一番の見せ場はハンナのラストシーンですが、アンとグレアの関係も変化が表れてきています。第1話からゆっくりと積み上げてきた二人の感情がどのように変化しているのか、最終回までどのように変化していくのか。そんなところも楽しみにしていただければと思います。
既に人気のあったこの作品を、途中からの参加で作らせていただくのは緊張と不安がいっぱいでした。ゆっくりとした時間の流れの中でほんの少しの感情の揺れ動きを見てほしいと思って今回の作り方になっています。時間を追って深くなっていく二人の気持ちに寄り添って見ていただければうれしく思います。
監督 岡本英樹
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