女優の常盤貴子さんが主演する「日曜劇場」の連続ドラマ「グッドワイフ」(TBS系、日曜午後9時)に出演中の北村匠海さん。常盤さん演じる杏子と採用枠を争うライバルの若手弁護士・朝飛光太郎(あさひ・こうたろう)役を好演している。「見た人に『別人に見えて面白い』と言ってもらえている。またいい作品に出合えた気がします」と手応えを語る北村さんに、ドラマの反響や撮影現場の様子、俳優業への思いも聞いた。
ウナギノボリ
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ドラマは、米国の人気連続ドラマ「The Good Wife」が原作で、夫・壮一郎の汚職疑惑での逮捕を機に、子供を守るために弁護士に復帰した杏子の苦闘と成長を描いている。北村さん演じる朝飛は、杏子と同期で神山多田法律事務所の経営者の一人でもある小泉孝太郎さん演じる先輩弁護士・多田征大との仲むつまじいシーンも話題になっている。ネットでは2人の“イチャイチャ”ぶりが「癒やし」「来週も見ます!」と話題を集めている。
反響について、北村さんは「SNSとかで見ると(視聴者が)面白がってくれている実感があって、すごくうれしい」と喜ぶ。小泉さんとのシーンは「自然とドラマにおける男同士の絡みのシーンが、そう(イチャイチャに)とらえてくれているのはすごくうれしい(笑い)」と照れながらも、「役柄の関係性が、物理的距離でも分かりやすく(仲良く)見えた方がいいなと思って。『ここは2人でわちゃわちゃしてください』と監督から指示もあり……」と演技を説明し、「すごく楽しいシーンの一つでもありますね。自由です!」と現場の裏側を明かす。
小泉さんとは「多田と朝飛の関係が、カメラが止まっていても続いている」という。俳優の先輩として「こんなに包んでくれる人っているんだなと。兄貴的に引っ張ってくれます」といい、「僕がテイクを重ねてしまうときに『大丈夫、大丈夫』と励ましてくださるのは小泉さん。2人でわちゃわちゃするシーンも『こういうのしてみようよ』といろいろ提案してくださる」と親密な関係性を明かした。
今回は初の弁護士役で「気持ちを持っていくのがすごく難しかった」と、撮影スタート時を振り返る。主人公のライバルという立ち位置と職業のイメージで「割とダークに役作りをして本読みに行っていた」というが、現場でオーダーされたのは「このドラマのぶっ壊しキャラ」「もっと可愛らしく」という真逆のキャラクターだった。
北村さんは「一回ゼロになって、また現場に向かう感じになった」と苦笑い。第1話、第2話の撮影中にキャラクターを再構築したといい「朝飛を作ってくれたのは先輩方、現場の空気感でした。今は現場に行くと自然に役になれる」と共演者やスタッフに感謝する。「可愛い」演技についてはしぐさから取り組んだ。「基本的に人を斜めに見て小ばかにするという姿勢。ちょっと腕組んでみたり、チャラさとか(を出して)、基本的にカッコつけている。でも嫌いにはなってほしくない。どこか憎たらしい役ですけれど、愛してもらえたら……」と語る。
主演の常盤さんは「事務所の大先輩ですが、一緒にドラマを作っている仲間として、何でも相談できる雰囲気を作ってくださる」と北村さんは感謝する。演技では「常盤さんのすごさ(を感じた)。いろんな自然体を演じられる方なので、すごく勉強になります」といい、常盤さんの印象は「縦横無尽、メリハリがすごい。一つの作品でこんなにいろんな表情を出せるなんて……」と語る。そんな常盤さんのライバル役を演じる今作は「正攻法で戦っても必ず負けてしまうと思ったので、憎たらしい愛らしさ全開で」演じたという。
同ドラマのほか、最近では映画「十二人の死にたい子どもたち」(堤幸彦監督、公開中)、「君は月夜に光り輝く」(月川翔監督、3月15日公開)と出演作が次々に公開されるなど、まさにブレーク中の北村さん、本人は「実感は全く。周りの環境はすごく変わっていくんですが、本当に自分がいい作品に出られればいいという感情がすごく強い。なので(ブレークの)実感というのはないっちゃないです」と苦笑する。
気になる同世代の俳優を聞くと「親友の伊藤健太郎が、日本アカデミー賞(新人俳優賞)も取ったし、話題賞も取ったので(気になる)。(伊藤さんが出演した)『コーヒーが冷めないうちに』の監督が(「グッドワイフ」演出の)塚原(あゆ子)さんなので、縁を感じる」という。「(伊藤さんの活躍が)すごくうれしかったし、お互い切磋琢磨(せっさたくま)してる。ライバルっていったらアレですけれど、お互いが喜び合い、刺激し合う仲です」と笑顔で語った。
出演作に恵まれている現状は「ずっと前から、いろんな作品にオーディションで出てきたタイプだった。年間何百本もオーディションに出て落ちてきたので、今だにオファーで作品に出られるのには慣れない」と戸惑いつつ、「すごくうれしい話ですね。オファーをいただけるなんて」と喜びをにじませる。「でも、あのころの気持ちを忘れずに。毎回(共演者と)初めてお会いするとき(顔合わせ)は面接気分で、ちょと緊張しながら行っています」と語った。
これまでは登場人物の子ども時代、学生役などが多かったが今回は弁護士役。専門用語などのせりふに苦労したというが、今後チャレンジしたい役は「悪役」だという。「殺人鬼とか、サイバーテロの犯人とか。クリーンじゃない役をやらないと、と思っています。もっとマイナスな面も見せたい。悪役をやって、SNSが炎上するくらい嫌われてみたい」と、役者業に意欲を見せる。一方、人気グループ「DISH//(ディッシュ)」のメンバーとして音楽活動もしているが「音楽も芝居も今年が勝負、今の自分があるのは両方あってこそだと感じているので、自分から投げ出すようなことは、正直考えていないです」と、両立への強い思いを見せていた。
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