小芝風花:コメディーからシリアスまで多彩な感情演じ分け 「トクサツガガガ」迫真演技も話題…

連続ドラマ「トクサツガガガ」で主演を務める小芝風花さん
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連続ドラマ「トクサツガガガ」で主演を務める小芝風花さん

 3月1日に最終回を迎えるNHKの連続ドラマ「トクサツガガガ」(総合、金曜午後10時)。オタクたちの生態に迫るあるあるネタや共感必至の名言の数々に加え、「仮面ライダー」「スーパー戦隊シリーズ」で知られる東映の協力によって実現した“本気すぎる”特撮パートや劇中ソングが話題を集めてきた。視聴者から「今期(2019年1月期)ナンバーワン!」といった意見のほか、続編、または特撮パートをメインとしたスピンオフ制作を望む声も上がっているが、主演を務めた小芝風花さんの存在を抜きにして、このドラマの盛り上がりを語ることはできないだろう。「トクサツガガガ」の主人公・仲村叶(かの)がまさに当たり役となった、小芝さんの女優としての魅力とは……。

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 ◇特オタ主人公を持ち前の愛らしさで体現 視聴者も胸が“トゥクン”?

 12年、連続ドラマ「息もできない夏」(フジテレビ系)に出演し、女優デビューを果たした小芝さんだが、14年の映画「魔女の宅急便」(清水崇監督)で主人公のキキを演じたことで、その名前を知った人も多いだろう。

 小芝さんは翌15年、17歳で「第57回ブルーリボン賞」の新人賞を受賞。その年の10月に放送が始まったNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」では、波瑠さん演じるヒロイン・あさの長女・千代役に抜てきされ、16年の1月から登場すると“母に反抗的な態度を見せる娘”を熱演し、お茶の間をにぎわせた。

 以降も数々のドラマや映画に出演と、順調に活躍の場を広げてきた小芝さん。17~18年にかけては「ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス」「女子的生活」「夕凪の街 桜の国2018」といったNHK制作の良質なドラマに次々と起用され、中でも「女子的生活」では、“まがいもののくせに透明感がすごい”小悪魔女子に扮(ふん)し、初回からトランスジェンダー役の志尊淳さんとのキスにホテルでの“ベッドイン”と、艶っぽい姿も披露していた。

 今回の「トクサツガガガ」における叶は、妄想力にあふれた隠れ特撮オタクで、独り語りが多く、表情も豊かで動きもコミカルと、一歩間違えれば見ている側が“寒く”感じてしまうようなキャラクターでもある。しかし、小芝さんは持ち前の愛らしさを、役にきっちりとにじみ込ませることに成功。見た目は清楚(せいそ)な叶=小芝さんが特撮ヒーローに悶絶(もんぜつ)する姿を見て、胸が“トゥクン”としてしまった人も多いのではないだろうか。

 ◇コメディエンヌとしてフル稼働も… 第6回ではヒリヒリするような感情のぶつけ合い

 ドラマは基本的にコメディータッチで、見事なノリツッコミも見せるなど、コメディエンヌとしてフル稼働していた小芝さんだが、物語はファンから「神回」との声が上がった第4回「オタクノキモチ」(8日放送)を境に、主人公が「女の子らしさ」を押しつける母(松下由樹さん)との関係にどうケリをつけるのか、などといったシリアスな面が徐々にフィーチャーされてきた。

 最終回の直前回となった第6回「ハハノキモチ」(22日放送)では、周囲に言えないからといって自分の趣味を否定されたくない主人公と、娘の幸せを願うあまり、かたくななまでに自分の考えを曲げない母との息詰まる攻防が描かれ、ヒリヒリするような感情のぶつけ合いの中で見せた小芝さんの迫真の演技に心を大きく揺り動かされた視聴者が続出。SNSでは「さすがに心臓が痛い」「心臓がエグられた」「つらすぎて泣いた」といった投稿が数多く見られた。

 「トクサツガガガ」制作統括の吉永証チーフプロデューサー(CP)は「原作では主人公が26、27歳の設定だったので、(21歳の)小芝さんはまだ幼いかなというのはあったのですが、このヒロインがどう見えるといいのかと考えたとき、小芝さんが本来持っている素直さや明るさはとても大きな武器になると思いました」と説明。

 また、「今回の主人公はモノローグがすごく多いんですけど、目に見える人物と心の声というものを、小芝さんはしっかりと考えて演じ分けてくれて、そこがとてもチャーミングに、魅力になっていたと思います。あとは基本的に元気で明るいんだけど、どこか人に対して積極的になれない部分とか、いろいろな感情を丁寧に演じてくれて、小芝さんがやってくれて本当に良かったと、すごく思いますね」と感謝していた。

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