全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
放送中の松坂桃李さん主演の連続ドラマ「パーフェクトワールド」(カンテレ・フジテレビ系)で、ヒロインの川奈つぐみを好演している山本美月さん。大学時代に事故に遭い、脊髄(せきずい)損傷で下半身不随になった建築士・鮎川樹(松坂さん)と、高校時代の同級生・川奈つぐみとの純愛ストーリーを描いている。山本さんが作り上げたつぐみの姿に、SNSでは「けなげさが可愛い!」「自信がないところを応援したい」「はかなげで守りたくなる」といった声が上がり、ハマる視聴者が続出している。その裏側には、山本さんの役作りに対する真摯(しんし)な思いがあった。
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ドラマは、2014年から女性向けマンガ誌「Kiss」(講談社)で有賀リエさんが連載中の人気マンガが原作で、18年に映画化もされた。
これまでに6話が放送された。高校時代に片思いをしていた樹と再会したつぐみは、樹への思いを再燃させ、思いを募らせていく。やがて、つぐみの片思いは成就し、2人は交際に発展。しかし、樹が信頼を寄せるヘルパーの長沢葵(中村ゆりさん)の存在、つぐみの父・元久(松重豊さん)からの樹との交際の反対などの“障害”にぶち当たる。苦難に立ち向かいながら、樹へのいちずな思いを貫こうとするつぐみだったが、つぐみを“幸せ”にすることができないと悩む樹に別れを切り出され、破局を迎えた……。
樹の生活を支えようと介護の勉強に励んだり、親の反対を受けようがいちずな思いを貫くつぐみの姿に、視聴者は「本当にけなげ」「つぐみのいちずさよ!」「頑張れ!」と応援してきた。樹が別れを切り出すシーンでは、つぐみの幸せを本気で願う樹の別れの言葉を受けて、大粒の涙を流しながら樹の腕にしがみつくつぐみの姿は、とてもはかなかった。山本さんの迫真の演技は、視聴者をくぎ付けにし「久しぶりに声を出して泣いた」「動けないほどの号泣」「2人の愛に満ちた演技が素晴らしい」など、SNSは感動の声であふれた。
つぐみは、デザイン会社で事務を担当している。高校時代は美術部に所属し、将来絵を描く仕事に就くことを夢見て美大を目指していたが、自信がなく断念したという過去を持つ。アニメやマンガが好きで、公式ブログやSNSに手描きのイラストをアップしている山本さんは、今年4月に行われたドラマの会見でつぐみとの共通点は「絵が好きなところ」とコメントしていた。松坂さんは、そんな山本さんについて「絵が本当に上手。川奈とリンクする部分がある」と語っていた。
山本さんは、台本を「つぐみとして読んでいます。(樹への)やきもちやうれしい部分などをつぐみの目線で見ています」と話し、演技について「監督と相談しながら、自分が(演技で)作っているつぐみと台本のつぐみをすり合わせながら演じています」と説明した。
松坂さんから「ネガティブだよね」と言われたこともあると明かす山本さんは、つぐみを演じていて「いつも『大丈夫かな……』って思っています」と心配することもあるという。また、つぐみと同じく、自分に自信は「ない」とも。一方で「つぐみを通して(自信を持てたら)いいなって思います」と声を弾ませていた山本さん。つぐみの機微に寄り添い、自身と同じく自信がないつぐみを丁寧に演じようとする真摯(しんし)な姿勢が、はかなさやけなげさを併せ持ち、視聴者を引き付ける“つぐみ像”を作り出しているのかもしれない。
破局後に東京を離れ、実家がある長野・松本でインテリアコーディネーターとして働き始めたつぐみ。妻が車椅子で生活をし、バリアフリーの家を建てたいと願う夫と出会ったのがきっかけで、つぐみは樹と再会する覚悟を決める。6月4日午後9時に放送される第7話では、そんなつぐみの“新たな一歩”を見守りたい。
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