名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、「少女革命ウテナ」「輪るピングドラム」などで知られる幾原邦彦監督が手がける新作テレビアニメ「さらざんまい」です。シリーズ構成・全話脚本の内海照子さんに、作品の魅力などを語ってもらいました。
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「さらざんまい」は、尻子玉を抜かれてカッパになった3人の少年が、カッパ王国の王子・ケッピと共に、夜ごと浅草の街に現れるゾンビから尻子玉を抜いて、望みがかなう希望の皿を集めていく、一夏の友情物語です。百聞は一見にしかずですので、まだ見たことがない方には第一皿をとりあえず見ていただきたいです。きっとおすしのアニメではないということが分かるはずです。
一番の見どころは、カッパたちによる衝撃の尻子玉搾取シーンです。ただし、食事中に見るのはお勧めできません! あとは、カッパになった主人公たちのコミカルな動きが最大の魅力ですね。
どれだけ視聴者の皆さんの想像を裏切ることができるか、どこまでの表現が放送できるのかに挑戦しました。また、見た人が次の話を見たくなるようなシリーズ構成を心がけています。今回のメインテーマは「つながり」ですが、サブテーマとして「欲望」というちょっと毒を含んだテーマを入れ込みました。
キービジュアルにも掲げられている「手放すな、欲望は君の命だ」というフレーズが、「さらざんまい」という作品を象徴していると思います。表現はエキセントリックに映るかもしれませんが、根底に流れているのはキャラクター同士の普遍的な感情のやりとりです。毎話数重ねて見ていただく中で、キャラクターに共感したり反発したりしながら作品とつながってもらえたらいいなと思っています。
オリジナル作品で、初のシリーズ構成を経験させていただき、各話の脚本も書かせてもらえたことが最大の喜びです。今書きたいことの全てを詰め込んだので、結果的に毎話数尺オーバーしてしまい、編集作業で泣く泣く削るしかなかったエピソードがたくさんあります。ですが、結果的にストーリーが凝縮されて、「さらざんまい」独特のテンポ感が出たのではないかと思っています。また、「さらざんまい」はいろいろな媒体でメディアミックスされているので、マンガや小説版を読んでいただくと、新たな楽しみ方ができる作品だと思います。
最終回を目前に控え、1秒たりとも目が離せない展開になっていきます。一稀、悠、燕太の3人が再びつながることができるのか、そして警官2人組・玲央と真武はどんな結末を迎えるのか。これまでの物語に散りばめられたさまざまな伏線やヒントがどう回収されていくのかに注目してください。もちろん、ただ映像を楽しむだけでも構いません。それぞれの楽しみ方で、「さらざんまい」を堪能していただけたらうれしいです。きっと最後の最後まで、皆さんに驚いていただける展開が待っています!
第一皿からおつきあいいただいている方も、これから興味を持って見ていただく方も、最後まで見終わったらぜひもう一度、第一皿を見ていただきたいです。きっと新たな発見や気づきがあると思います。そうやって、何度も違う視点で楽しめるのが「さらざんまい」の魅力です。そうして、欠点だらけで間違ってばっかりのキャラクターたちをいとおしく思っていただけたなら、何より幸せです。
シリーズ構成・全話脚本 内海照子(ラパントラック)
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