乃木坂46山下美月:「電影少女」Pが感じた女優としての気概 思い切りの良さに“うれしい誤算”

連続ドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-」で“ビデオガール・マイ”を演じている「乃木坂46」の山下美月さん (C)「電影少女 2019」製作委員会
1 / 1
連続ドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-」で“ビデオガール・マイ”を演じている「乃木坂46」の山下美月さん (C)「電影少女 2019」製作委員会

 桂正和さんの名作マンガが原作の連続ドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-」(テレビ東京ほか)。昨年1月期に放送され、西野七瀬さんが“ビデオガール・アイ”を演じた実写版「電影少女」の新シリーズで、物語の核となる“悪のビデオガール”神尾マイを演じているのが「乃木坂46」の山下美月さんだ。今回がドラマ初主演(萩原利久さんとのダブル主演)ながら、“人外キャラ”という難しい役どころに挑戦している。放送前には「確実に賛否両論ある“問題作”になると思います」と“予告”していたテレビ東京の五箇公貴プロデューサーから見た“女優・山下美月”とは……。

ウナギノボリ

 ◇想像以上に吹っ切れた芝居 罵倒シーンでは女王様的演技も

 「電影少女」は、「ウイングマン」「I”s」で知られる桂さんが1989~92年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載。恋に悩む高校生の弄内(もてうち)洋太が不思議なレンタルビデオショップで借りてきたビデオを再生すると、いきなり美少女が画面から飛び出してきて……というストーリー。

 ドラマの前作は、昨年1月期に西野さんと野村周平さんのダブル主演で、原作から約25年後の2018年を舞台に描かれた。新シリーズとなる今作は、“悪のビデオガール”神尾マイ(山下さん)と、彼女によって道を踏み外していく少年・叶野健人(萩原さん)の物語で、山下さんはマイとして、時に男の子を罵倒したり、逆に迫ってみたりと、山下さんは劇中で、これまでに見せたことのない妖艶な表情を随所で披露してきた。

 16年9月に乃木坂46の3期生としてお披露目され、昨年6月に上演された「乃木坂46版ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』」では、主人公の月野うさぎ役に抜てきされるなど、“次世代エース”として期待される山下さん。とはいえ、今年1月期に放送された「神酒クリニックで乾杯を」(BSテレ東)で連ドラ初出演を果たしたばかりと、女優としてのキャリアは1年にも満たず、今回のマイ役への起用は、作品の行方を左右するという意味でもかなりの覚悟が必要だったはずだ。

 それでも五箇プロデューサーは「実際にお芝居を拝見したとき、思っていたよりも吹っ切れたお芝居をされていて、そこがすごくいいなって思いました。こういう役ってセーブしてやってしまいがちですけど、そこの思い切りの良さはすごくいい。罵倒するシーンなんかはある意味、女王様的な感じもあり。見ていてとても気持ちが良かった」と役へのなりきりぶりを感心する。

 ◇Pが感じた“ギラギラとしたもの”の正体とは… 今後も新たな顔が表出する?

 今回、マイ役に山下さんをキャスティングするにあたり、決め手の一つになったのが彼女の「芯の強さ」と「女優としての気概」。そこまで山下さんのことを詳しくはなかったという五箇プロデューサーだが、山下さんから「ある意味すごく現代っ子ぽいんですけど、決して表には出てこないギラギラとした、女優魂のようなものを感じました」と話す。

 「平たく言ってしまうと、この業界で何とか上に、女優としても高い位置にいきたいっていう闘志がすごく見えたというか。この役って思いっ切りやってもらわないと、現場で迷われたらすごく困るんですが、だからこそ山下さんなら、すごく割り切ってやってもらえると思ったんです」とも。

 そんな五箇プロデューサーのもくろみは成功。前述の通り、山下さんは思い切りの良さに加え、板についた女王様的演技という“うれしい誤算”もあり、これまで“悪のビデオガール”を体現してきた。一方、物語に目を向ければ、プログラムとしてのマイが松井(岡田義徳さん)によって否定され、マイ本人も自失状態に陥るなど、今のところ、どこに着地するのか見えてこない。

 ここから山下さんの女優としての新たな顔が表出するのか、今後の展開に注目だ。

 「木ドラ25『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』」はテレビ東京で毎週木曜深夜1時に放送。Amazonの動画配信サービス「Amazon Prime Video」で見逃し配信され、BSテレ東でも放送されている。

マンガ 最新記事