稲垣吾郎:舞台の仕事「僕に向いている」 草なぎ、香取のことは「気になってしょうがない」

舞台「君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~」に出演する稲垣吾郎さん
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舞台「君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~」に出演する稲垣吾郎さん

 稲垣吾郎さんが、8月30日から日本青年館ホール(東京都新宿区)でスタートする舞台「君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~」に主演する。昨年夏に京都で上演された舞台の東京公演で、稲垣さん演じるジョージと3人の女たちによる夏の終わりの恋の物語を描いた大人のおしゃれなミュージカルだ。「舞台の仕事はすごく僕に向いているなと思う」と語る稲垣さんに、舞台で演じる楽しさや公演への意気込み、「新しい地図」として活動する草なぎ剛さんや香取慎吾さんらへの思いなどを聞いた。

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 ◇新しいステージは「幸福感に満ちている」

 「君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~」はこれまで3度にわたって上演された「恋と音楽」シリーズのクリエーター陣が集結し、昨年、京都で上演された「FREE TIME,SHOW TIME『君の輝く夜に』」の東京公演。作・演出は鈴木聡さんが担当。昨年亡くなったジャズピアニストで音楽担当の佐山雅弘さんへの追悼の意を表して上演する。ジョージ(稲垣さん)と3人の女たちによる夏の終わりの恋の物語を描いており、ビビアン役で安寿ミラさん、ライザ役で北村岳子さん、ニーナ役で中島亜梨沙さんが共演する。

 稲垣さんは「昨年は京都での公演だったけど全国から見に来てくださって、東京でもやりたいなって思っていました」と当時の思いを明かし、「日本青年館ホールという新しい劇場で演じるのも楽しみです。新しいステージに立つのは、すごく幸福感に満ちているものなので。新しい舞台というのは独特の喜びがあるんですよね」とうれしそうに話す。

 2012、2014、2016年と3度にわたって上演された「恋と音楽」シリーズ、そして昨年の京都公演で主演を務めてきた稲垣さん。ただ、「いわゆるグランドミュージカルのようなものは僕は絶対できない」という。「僕らがやっているのは、いわゆる皆さんが想像するような大きなグランドミュージカルとは違い、ショーに近い。“ミュージカル”というと、大きなステージで……というイメージですが、僕らはもう少しこじんまりとして、ジャズバンドでやっていくスタイル」といい、「(今回のようなステージは)今の僕でもできる。リラックスしながら、楽しみながら。その上でファンの方にも楽しんでいただける、というのが(演出の)鈴木さんと昨年亡くなってしまった佐山さんが作ってきた世界観なんです」と説明する。

 同シリーズに関わる中で、ジャズそのものへの興味も増した。「佐山さんから舞台的な楽曲やアーティストを教えていただいたりして、いろいろ学んだことは多かったかもしれないですね。生バンドを毎日聴いていると、もっともっと好きになりますし。感覚的に“ジャズ脳”になる、というか……。普段、街で流れていても気になります」と稲垣さん。ジャズの魅力を知ったことで、映画など作品の見方も変わったという。「映画って、クラシックとかオーケストラを使う作品が多いから、やっぱり見方も変わってくる。『ここでこういう音楽使うんだ』とか思ったりします」と語る。

 ◇舞台は「役者としての自分を生で見ていただける場」

 テレビの仕事などに比べてルーティンで進行する舞台の仕事はスケジュールも組み立てやすいため「すごく僕に向いているなと思います。だから、やっていけばいくほどよくなっていく」と稲垣さんは話す。ただ、回を重ねれば、その分、新鮮さは失われる。「それは重要なことで。演じる側が新鮮さを持っていないと、お客さんも楽しめないし、そこは考えています。“段取り”になってしまうのが一番怖い。バーンと驚かされてドキッとする感じは、いつまでも(持っていたい)」と語る。

 俳優として、映画の世界でも活躍する稲垣さんにとって、舞台を演じる楽しさはどこにあるのだろうか。そう聞いてみると、「お客さんの前でお芝居をして、同じ時間を過ごすことができるのは、舞台しかないですからね」と稲垣さん。「ファンミーティングなどもやらせてもらったけど、それとはちょっと違う。役者としての自分を生で見ていただける場というのは、やっぱり舞台になるんです。ずっと長年、応援してきてくださったファンの方にも喜んでいただけますしね」と“生”で芝居を披露する魅力を語ってくれた。

 ◇草なぎ、香取は「すごく気になってしょうがない」

 「新しい地図」で「舞台」といえば、5月に草なぎさんが京都劇場(京都市下京区)で上演された舞台「家族のはなし PART I」で主演を務めている。こうした草なぎさんや香取さんの活動を、稲垣さんはどのような思いで見ているのだろうか。聞くと、「一緒にやっている仲間なので、もちろん気になります。芝居も、見に行ける範囲で行きますね。草なぎの京都(の公演)も行きましたし、先日は香取くんの個展も見に行きました」と稲垣さん。

 長い間、同じ道を歩んできた2人の存在は、稲垣さんにとってやはり“気になる存在”だという。「もう何十年も一緒にいるけど、いつまでたってもフレッシュさがあります。でも、家族みたいな、なんでも分かっていると思う気持ちもある一方で、作品を見れば新しい発見があるんです。『まだこんな顔を持っていたんだ』という発見があるので、すごく気になってしょうがない。いち視聴者としても、観客としても、俳優としても、気になる存在。すごくいい仲間に巡り合えているな、と思います」と、稲垣さんは2人への思いを赤裸々に語る。

 舞台「君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~」は8月30日から9月23日まで日本青年館ホールで上演。

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