SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
俳優の賀来賢人さんが主演する連続ドラマ「WOWOWオリジナルドラマ アフロ田中」が、7月5日から放送される。埼玉県の架空の町にある立華高校に転校してきたアフロヘアの田中広の日常を描いた、のりつけ雅春さんの人気ギャグマンガ「アフロ田中」シリーズが原作。アフロヘアの主人公・田中広を演じる賀来さんに、30代を迎えてや20代のキャリアを振り返っての心境、役作り、俳優として挑戦してみたい役などについて聞いた。
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今作への出演オファーが来た際の心境を、「原作や台本を見て“座組”(スタッフ・キャスト)を聞き、面白いものができるし、新しいものが作れるのではという直感があったので、すぐに『やりたい』と答えました」と明かす賀来さん。「男と女の日常と恋と成長物語というか。ただの会話だったりがすごくドラマ的で、繊細に描くにはドラマにぴったりだなと思い、やる前からいい想像しか浮かばなかった」と期待感にあふれていたという。
ドラマ化が発表された際、「非常に挑戦しがいのある作品」とコメントを寄せていた賀来さんだが、「田中はこんな身なりでアフロなんだけど、すごく真っ当な男。純粋で真剣に恋をしていて、真剣に生きている」と表現し、「そのギャップで、コメディーと思う視聴者の方も多いと思うんですけど、見ていくうちに『純粋な青春ラブストーリーなんだ』と思わせたら勝ちかなって。いい意味で視聴者の方を裏切ることができるのでは」と気持ちをくすぐられたポイントを明かす。
田中のトレードマークであるアフロヘアについて、「すごくフィットしていました。自分で言うのも何ですけど」と賀来さんは笑い、「(公開されたビジュアルを見たファンから)似合っているという声は結構いただきましたし、友達からも『楽しみだ』みたいなメールも来ました」と周囲からも反響があった。
大ヒット主演ドラマ「今日から俺は!!(今日俺)」(2018年放送、日本テレビ系)で見せたコメディー演技が話題を呼んだ賀来さん。「真面目に、一生懸命やるということ」と、コメディー作品出演時の心構えを明かし、「一生懸命やることが一番人の心を動かすと思う。変に笑わせようという気持ちよりも、そういうときもありますが、基本的には一生懸命というのがモットーです」と語る。
そんな賀来さんが田中を演じる際に意識したのは、やはり「一生懸命やること」だった。「田中は一生懸命生きているだけの男で、自分から面白いことを言う人でもない。田中本人は恥ずかしさも何もなく、思ったことを言ったり、行動したりしているので、自分で(演じる際)も恥を捨て、ただ田中の一生懸命さや熱さを大事にして、田中が面白い人間だとは一切思わずにやりました」と真意を説明する。
さらに、「原作で田中は、大きな表情でリアクションすることがあるけど、それをやっちゃうとドラマとして成立しなくなっちゃうなと。実写なりの田中のリアルな表情、原作に引っ張られすぎないようそぎ落とす、という作業など、臨機応変にやりました。あまりコメディーと思わずに、なるべく一生懸命やって、それが“くすりと笑われる”という感覚で演じました」と役作りのこだわりを語る。
7月3日に30歳になった賀来さんにとって、今作が30代突入後、最初に放送される連続ドラマとなる。20代のキャリアについて、「いろんなことをやらせていただいたので、どれがターニングポイントかというのは、特にないんです。一個一個、確実に身になっている感覚はありますし、途中で『ちょっと遠回りだったかな』と思ったときもありましたが、結果として全部が身に着いているので、無駄な時間は一切なかった。そして今があると思う」と振り返る。
続けて、「この先も一つ一つ大切にやるということを実践できたら。あとは、自分の中で可能性を勝手に狭めないようにはしたい」と今後の方向性を口にする。「ちょっとでも興味があるものはやりたいですし、逆にやりたくないと思っても、自分だけの意見じゃなくて他人の意見も聞いて、『やるべきだ』って言われたら、『やってみようかな』って思うことも大事なのかなって。そこは柔軟に……」と冷静に将来を見据える。
節目のタイミングでの出演作がコメディーであることについては、「タイミングですね。やりたいというか、やるべきものを選んだ順番がそうだったというだけ」と話し、「(以前は)肩肘を張っていた部分もありましたが、この作品で力を抜くことの大事さみたいなのを学べた。このぐらいフラットな気持ちで現場に入ると、こういう感覚なんだっていうのを知ることができたので、上がり(完成)が楽しみ」と自信をのぞかせる。
今作のようなマンガや小説の実写化には賛否両論がつきまとうが、「実写化は100%賛成する人はいないと思うし、人それぞれキャラクターのイメージがあるから、『えっ』ってなる人もいるのは当然」といい、「例えば『今日俺』も、ふたを開けてみたら、ある程度、視聴者を納得させられた。作っている側の気合とか自信とか、自分たちにしかできないことをやろうという気持ちが大事だと思うので、原作をリスペクトしつつ、そういうところ(気持ち)でカバーすればいいのかなって」と原作ものへの思いを明かす。
順調にキャリアを積み重ねている賀来さんに、主演という立ち位置への思いを聞くと、「やっぱり緊張しますし、責任も大きい。でも基本的に(主演であってもなくても)やることは変わらない」と前置きし、「現場でのあり方など、主演である自分次第で空気が変わってしまうので、そこは注意しています。あとは、とにかく“背負う”ということ。作品の顔になるわけですから、そこは覚悟してやっています」と言い切り、「主演だけやるかといったらそうではなく、今は主演を“ご褒美”みたいな感じでやらせていただいています」と笑顔で語った。
俳優として今後挑戦してみたいことは、「ラブストーリーはちゃんとやったことがないので、王道のラブストーリーをやってみたい」と回答。さらに年齢的にやってみたい役は「父親役かな。できる年齢に達してきたし、実際子供がいるかいないかで変わってくる感覚だと思うので」と子供のいる実生活を踏まえて、父親役に意欲を見せていた。
「アフロ田中」は、のりつけさんの人気ギャグマンガ「アフロ田中」シリーズが原作。2002年にマンガ誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で「高校アフロ田中」の連載がスタート。その後、「中退アフロ田中」「上京アフロ田中」「さすらいアフロ田中」「しあわせアフロ田中」とタイトルを変えて連載され、現在は「結婚アフロ田中」が同誌で連載中。コミックスは累計570万部(電子書籍含む)を突破している。「WOWOWオリジナルドラマ アフロ田中」は、7月5日からWOWOWプライムで毎週金曜深夜0時に放送。全10話で第1話は無料放送。
(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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