梅宮辰夫:「やすらぎの刻」で石坂浩二の亡き父役 倉本聰作品に12年ぶり出演

ドラマ「やすらぎの刻~道」に出演する梅宮辰夫さん(右)と石坂浩二さん=テレビ朝日提供
1 / 4
ドラマ「やすらぎの刻~道」に出演する梅宮辰夫さん(右)と石坂浩二さん=テレビ朝日提供

 俳優の梅宮辰夫さんが、倉本聰さんが脚本、石坂浩二さん主演の平日昼の帯ドラマ「やすらぎの刻(とき)~道」(テレビ朝日系)に出演することが7月9日、分かった。梅宮さんは、主人公・菊村栄(石坂さん)の元に突如、現れる亡き父・栄一を演じる。

あなたにオススメ

 栄一は、ドラマに、新たに加わる“第3パート”に登場。“第3パート”は「道」パートと、「やすらぎの郷」のその後を描く「やすらぎ」パートを整理し、改めてドラマの流れを視聴者に伝えるという内容。“あの世”との交流を描きながら、コミカルで不思議な世界が展開される。倉本さんはすでに最終話までのシナリオを執筆済みだったが、“第3パート”を思いつくとすぐに筆を執り、一気に書き上げたという。

 梅宮さんは、昨年9月に前立腺がん、今年1月に尿管がんの手術を受け、現在は人工透析を行っている。倉本さんとは、1975~77年に放送された大人気ドラマ「前略おふくろ様」(フジテレビ系)で組んだ間柄で、40年以上も付き合いのある倉本さんの作品だからこそ、出演を決意したという。梅宮さんが倉本さんの作品に出演するのは、2007年放送のドラマ「拝啓、父上様」(同局系)以来、約12年ぶり。石坂さんと梅宮さんの撮影では、丁々発止のやり取りを繰り広げたという。

 「やすらぎの刻~道」は、2017年4~9月に放送され話題を集めた平日昼の帯ドラマ「やすらぎの郷」の続編で、同局の開局60周年記念番組として放送。「やすらぎの郷」は、全盛期の映画やテレビ界を支えた俳優、作家、ミュージシャン、アーティストたちが集う老人ホームを舞台に、かつての大スター集団が繰り広げる人間喜劇が描かれた。

 今作は、石坂さん演じる作家の菊村が、以前ボツになったシナリオを思い起こし、浅丘ルリ子さん演じる白川冴子、加賀まりこさん演じる水谷マヤら、おなじみのメンバーが見守る中、今は亡き“姫”こと九条摂子(八千草薫さん)をモデルに、どこにも発表するあてのないシナリオ「道」を書き始める……という展開。ヒロイン・しのは、清野菜名さんと風吹ジュンさん、しのの夫となる根来公平は風間俊介さんと橋爪功さんがリレー方式で演じる。

 梅宮さんが出演する“第3パート”の第1弾は7月15~17日に放送。その後は不定期に登場。

 ◇梅宮辰夫さんのコメント

 --オファーを聞いたときの感想は?

 倉本(聰)さんとは古い付き合いなので、正直いうと「やっぱり来たか!」と思いました(笑い)。「やすらぎの郷」が始まった頃、家内がよく「あなたのところにオファーが来ないわね」と言っていて、「もう時代が違うからなぁ……」なんていう会話を夫婦で交わしていたんですよ。そしたら今回、依頼が来たでしょう!? そうか、やっぱり来たか! と思いました(笑い)。


 出演を決めたのは、やはり倉本作品だからこそ、という思いはもちろんありますね。倉本さんから頼まれたら、これは断れないな、と感じましたから。彼とは「前略おふくろ様」のころからの付き合いで、当時は“本読み”の後に“立ちげいこ”があってそれから本番ですから、“接触度”が深かった。その分、当時の仲間たちとは厚い絆を感じているんです。

 --菊村栄の亡き父で、酒とたばこを愛する男、という役柄についてはどう思いましたか?

 倉本さんが最初から計算して書いたのか、ふと思いついたのか、もしかしたら恨みつらみのこもった顔で、僕が夢にでも出てきたのか……(笑い)。それは分からないですが、当然、僕に通じるものがあって書かれたのだと思いました。倉本さんからは、監督を通じて「くれぐれもよろしく」というメッセージをいただきました。

 --台本を読んだ感想は?

 相変わらず、倉本さんの書くせりふだなあと感じましたね。彼の書くせりふは独特なんですよ。形容詞が最後についたりするから、覚えにくいんです。わざと意地悪しているんじゃないかと勘ぐりたくなるぐらい。それでいてきちんと覚えて演じないと怒るんですからね(笑い)。

 しかし、この「やすらぎの刻~道」は1年間続く長い作品でしょう。しかも、描く世界が二つどころか三つに増えたということで、よくこんがらがらないな、さすが倉本聰だなと思いました。

 --石坂浩二さんと共演した感想は?

 彼と共演したのはかなり昔のことなので今回、初共演の気持ちで臨みました。芝居が細かくて、きちんと計算して演じられているのが素晴らしい! 僕にはとてもまねできないなと思いました。

 --15日から梅宮さんが登場する新パートが加わりますが、視聴者にメッセージを

 ややこしいことは抜きにして、画面で僕の姿を見て「ああ、やっぱり昭和の役者はいいな」と思っていただけたらうれしいですね。

写真を見る全 4 枚

テレビ 最新記事