ディズニーの人気アニメを実写化した映画「ライオン・キング」(ジョン・ファブロー監督)が、8月9日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。実写化とはいえ、スクリーンに映し出されるのは全てコンピューターグラフィックス(CG)。しかし、そんなことをすっかり忘れるほど、本物と見まごう動物たちの“演技”に見入ってしまった。
ウナギノボリ
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アフリカ・サバンナの王国プライドランド。偉大な王ムファサ(ジェームズ・アール・ジョーンズさん)に、息子・シンバ(ドナルド・グローバーさん)が誕生する。いつか王になる日を夢見て過ごすシンバだったが、王座を狙うムファサの弟スカー(キウェテル・イジョフォーさん)の企てで父を失い、王国を追放されてしまう。一人、大地をさまよい、行き倒れたシンバは、イボイノシシのプンバァ(セス・ローゲンさん)とミーアキャットのティモン(ビリー・アイクナーさん)に助けられ……。
プレミアム日本語吹き替え版では、シンバの声を俳優の賀来賢人さんが担当するほか、スカーの声を江口洋介さん、シンバの幼なじみナラの声を門山葉子さん、ムファサの声を大和田伸也さんが担当。佐藤二朗さんやお笑いコンビ「ミキ」の亜生さんらも出演している。
ここまでやられては実写の存在意義がなくなると思ってしまうと思うほどリアルだ。動物はもとよりジャングルをはじめとする景色まで、全てがCGというから恐れ入る。冒頭に現れる雑多な動物たちの表情や動きを見ながら、さぞかし調教が大変だっただろうと勘違いしたほどだ。唯一、ハイエナたちのぬめっとした表情に“アニメらしさ”を感じたが、その異様な皮膚感が、むしろ悪役としての存在感を高めていた。
ストーリーは、オリジナルのアニメ「ライオン・キング」(1994年)をほぼ踏襲している。ただ、ムファサが、王国全てがシンバのものと教えたアニメ版に対して、今作では、手に入れることより与えることが大切だと説いている。それは現在だからこそのメッセージであり、「サークル・オブ・ライフ」、つまり「命あるものが輪となりつながっている」という作品テーマを補強していると言える。
ともあれ、まずはリアルな映像を体感してほしい。アフリカのサバンナで野生動物たちを間近で見ている気分に浸れるはずだ。(りんたいこ/フリーライター)
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