放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
女優の高畑充希さん主演の連続ドラマ「同期のサクラ」(日本テレビ系、水曜午後10時)が話題だ。「過保護のカホコ」「家政婦のミタ」「女王の教室」(すべて同局系)などで知られる遊川和彦さん脚本のオリジナルドラマで、バカ正直でそんたく知らずの主人公・サクラと同期社員たちがたどった10年間を、1話ごとに1年ずつ描いている。毎週、SNSでは「ずっと泣きっぱなし」「号泣」といった声が数多く上がり、視聴率も回を重ねるごとに上昇。先週11月20日放送の第7話では、番組最高となる平均視聴率12.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。終盤に向け、さらに盛り上がっていきそうな状況だが、残念なことに今週は放送がお休み。ここでは来週第8話からの再スタートに向け、これまでのサクラの足跡を振り返ってみた。
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第1話は、2019年の春、昏睡(こんすい)状態のサクラが病院のベッドで横たわっているところから幕を開けた。
時間をさかのぼること10年前の2009年春、“じいちゃん”こと祖父の柊作(津嘉山正種さん)が生きている間にふるさとに橋を架けるという夢を持つサクラは、憧れの花村建設の入社式で社長(西岡德馬さん)のスピーチに「話が長いと思いました」と意見するなど周囲を驚かせた。その後、サクラは、空気を読む月村百合(橋本愛さん)、野心家の木島葵(新田真剣佑さん)、熱い男の清水菊夫(竜星涼さん)、ネガティブ思考の土井蓮太郎(岡山天音さん)という同期と班を組むことになり、新人研修で「日本の未来に残したい建造物の模型作り」という最終課題に取り組む。
5人は、模型作りで橋を制作することに。しかし、完成度を求め一切の妥協をしようとしないサクラと、サクラに振り回されてきた百合が衝突。じいちゃんからのファクスで「自分にしか出来ないことがある」と励まされたサクラはなんとか課題を提出することができたが、社長賞はほかの班が受賞。その際、社長に、ほかの班の作品が選ばれたことに異を唱えたサクラは、希望していた土木部ではなく人事部に配属される。
第2話は2010年が舞台。人事部で社会人2年目を迎えたサクラは「一生信じ合える仲間を作ること」「その仲間とたくさんの人を幸せにする建物を作ること」、そして「ふるさとに橋を架ける仕事に関わる」という夢をぶれずに持ち続けていた。人事部では営業部の残業時間が問題に。そんな中、菊夫が営業部長の桑原(丸山智己さん)からのパワハラによる過労が原因で倒れてしまう。数日後、じいちゃんからの「自分の弱さを認めることだ」という言葉をサクラから聞かされた菊夫は、仕事への考え方に変化が起きる。しかし、桑原が土木部の担当役員に異動。サクラは桑原から「土木部に入れない」と宣言されてしまう。
東日本大震災の前日の2011年3月10日から始まる第3話。サクラは、夢を持てず転職か寿退社した方がマシだとい考えている広報部の百合と、新規採用向けのパンフレットを作ることに。その夜、クライアントから食事に誘われた百合はセクハラ対策でサクラに同行してもらうが、サクラの言動が原因でクライアントを怒らせてしまう。翌日の震災から数日後、百合が恋人からプロポーズされ退職することに。それを知ったサクラは百合に「それは夢ですか?」と質問した後、二人は大げんかに発展するも、本当の友情を築いた。
第4話は、サクラが入社して4年目。クライアントを怒らせたのが原因で社史編さん室に飛ばされたサクラが人事部へと戻り、メンタルヘルスケアプロジェクトの担当を任される。1級建築士の資格を取得することができず、人間付き合いが下手な蓮太郎が設計部内でいじめに遭い、無断欠勤を続けていた。サクラは同期のメンバーに協力を仰ぎ、蓮太郎が会社に戻って来られるように働きかけ、蓮太郎もそれに応えるようにこれまでの性格と行動を見つめ直した。その後、サクラは黒川(椎名桔平さん)から震災の影響で延期になっていた、サクラのふるさとの美咲島に架ける橋の着工が中止になったと聞かされる。
第5話は2013年9月。葵がいる都市開発部のプロジェクトが国の予算の都合で急きょ凍結されるというトラブルが発生した。国土交通省の幹部の木島康秀(矢島健一さん)を父に持つ葵は、上司から「父親に凍結リストから外してほしい」と実力ではなくコネを当てにされる。葵は自分のことを見下す康秀らに話を聞いてもらおうと懇願するが聞き入れてもらえなかった。サクラは、自信を失った葵に対して、葵の価値を説き自信を取り戻しさせた。その後、葵は花村建設を訪ねた康秀らに直接熱く思いをぶつけ、それにサクラも同調するが康秀を怒らせてしまう。その影響で葵は土木部へ、サクラは子会社に出向させられてしまった。
2014年が舞台の第6話。子会社に飛ばされたことを柊作に打ち明けられず、サクラの心に少しずつ迷いが生じてきた。そんな中、シングルマザーとなった、本社の人事部のすみれ(相武紗季さん)が有名評論家を招いた講演会のプロジェクトリーダーに選出され、サクラも子会社の代表としてチームに参加。数日後、評論家からの度重なる要求に不満を募らせながら頭を下げ続けるすみれが、8歳の娘のつくし(粟野咲莉ちゃん)との仲をこじらせてしまう。その後、サクラがすみれとつくしの仲を取り持つ。しかし、つくしの前で評論家にたてついたすみれが社史編さん室に飛ばされてしまい、サクラはショックを受ける。
第7話は2015年。工事が再開された美咲島に架ける橋に問題が起きた。橋の着工後、想定より地盤が弱いことが判明し、完璧を期すのであれば基礎を予定より深く打ち込まなくてはいけないなどの問題が表面化した。そんな中、サクラは安全面を懸念する住民への説明をしなければならなくなり、ふるさとへ。サクラは葵からコンクリートの強度に問題があることを教えられ、住民の安全を考慮し、橋の工事を中止するか、続けるのか迫られた。橋の工事が中止となり失意の中、帰宅したサクラは、倒れて冷たくなったじいちゃんを発見した……。
12月4日放送の第8話は、2016年11月が舞台。重度の喪失感に襲われたまま社会人8年目を迎えたサクラ。夢の一つでもある「仲間とたくさんの人を幸せにする建物を作ること」を心の支えに、仕事に向かうサクラだったが、会社にたどり着く前に自宅に戻ってしまう。そして、2018年1月、百合たちは「体調がすぐれない」という理由で1年以上も会社を休暇し、誰にも会わずに部屋に引きこもるサクラを心配し、元気付けようとするが……という展開。じいちゃんの“最後”のファクスに記された「桜は決して枯れない たとえ散っても 必ず咲いて沢山の人を幸せにする」という結末が待っているのか、今後も注目だ。
なお、11月27日午後7時から4時間生放送の音楽特番「日テレ系音楽の祭典ベストアーティスト2019」内で、度重なる試練に深く傷つき部屋に引きこもってしまったサクラを、同期の葵、菊夫、蓮太郎、百合らが元気付けようとする姿を描くオリジナルミニドラマが放送される。
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