放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
俳優の竹内涼真さん主演で、主人公が無差別殺人事件の謎を追う姿を描く連続ドラマ「テセウスの船」(TBS系、日曜午後9時)が、SNSで犯人をめぐって「全員、怪しすぎる!」「犯人が全然、分からない」「全部、同一犯なの?」と盛り上がっている。第2話(1月26日放送)では、竹内さん演じる田村心が犯人だとにらんでいた新聞配達員・長谷川翼(竜星涼さん)が死体で発見されるなど、SNSでは“真犯人”の考察がさらに激化している。
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原作はマンガ誌「モーニング」(講談社)で連載された東元俊哉さんの同名マンガ。心が生まれる前の1989(平成元)年3月12日に、音臼村の音臼小学校で毎年恒例の「6年生を送るお楽しみ会」において昼食時に出されたオレンジジュースに青酸カリが混入され、それを飲んだ児童18人、職員3人合わせて21人が死亡する「音臼小無差別殺人事件」が発生。心の父で警察官の佐野文吾(鈴木亮平さん)が逮捕された。31年後、心は最愛の妻・由紀(上野樹里さん)から「自分の父親を信じてみて」と言われ、文吾、そして事件と向き合う決意を固め、文吾が逮捕された事件現場・音臼村を訪れる。すると、事件直前の1989年にタイムスリップする……という展開。ドラマは、事件の謎を追う心の目線で描かれているのも特徴だ。
1989年1月7日にタイムスリップした心は、由紀が「音臼小無差別殺人事件」の前に音臼村内で多数発生した奇妙な事件や事故をまとめたノートを手に、それらを未然に防ごうとする。三島医院の次女・三島千夏が除草剤を飲んで死ぬ前の姿を目撃した心は、死因となった除草剤(パラコート)を捨てる。その矢先、心は文吾が千夏の腕を強引に引っ張って雪山に入る姿を目撃するが見失ってしまう。その後、三島医院の倉庫で意識不明となった千夏を文吾が発見するも亡くなってしまった。心は、千夏の殺害と「音臼小無差別殺人事件」の犯人はやはり文吾なのではないかと疑惑を深める。
劇中では、文吾のデスクの引き出しから除草剤の空き容器が発見されたり、文吾が雪山で遭難した千夏の姉・明音を発見するも、背負って歩く際、不気味な表情を見せたりと、視聴者に“文吾が犯人なのか”と思わせるシーンが多数登場。さらに、正体不明の真犯人が心境を吐露するワープロの画面のシーンの直後に、文吾がワープロをパタンと閉じるシーンもあり、SNSでは「文吾が犯人なのか分からない」「極悪非道の殺人鬼? それとも警察官の鑑?」「鈴木亮平の演技がうますぎて、分からないんだよ!」といった感想が書き込まれた。
明音の捜索をする中で銃声を聞いた心だったが、文吾が拳銃で熊を追い払うなど、懸命に明音を救出しようとしていたと知ったほか、文吾が妻の和子(榮倉奈々さん)、娘の鈴(白鳥玉季ちゃん)、息子の慎吾(番家天嵩くん)を心底から愛していることを感じ、文吾が犯人ではないと確信。視聴者からも「亮平が犯人じゃなくて良かった!」「真犯人は誰なんだ!」といった声が上がった。
心が、文吾と村で起こる事件を阻止していくことで、文吾が逮捕される過去を変えようと決意する中、音臼小の児童が飼育していたうさぎが何者かに殺害される事件が発生。さらに、長谷川が児童たちにお菓子を配る姿を目撃した心は、長谷川に疑いの目を向ける。その後、鈴と明音が行方不明になり、明音が何者かに監禁されてしまった。
元県議会議員の田中義男が自宅の火事で亡くなるのを阻止しようとしていた心と文吾は、田中の自宅で、同家を訪問した村人が、田中が読んだ詩を書き留めるノートの中に、2人の少女、うさぎが描かれた奇妙な絵を発見していた。この絵を手がかりに明音の居場所を突き止めた心だったが、以前から村に突然現れた心を怪しいとにらむ刑事の金丸茂雄(ユースケ・サンタマリアさん)に逮捕される。さらに、長谷川が遺体となって発見された。
SNSでは、金丸、小学校教師の木村さつき(麻生祐未さん)、長谷川と交際中の佐々木紀子(芦名星さん)が真犯人の候補に挙げられているようだ。
金丸は、犯人だと確信させる描写こそないが、ライターをカチカチさせる癖があったり、明音を発見した心を強引に公務執行妨害で逮捕するなどし「身代わりで逮捕か」「ライターの癖とか、そういうヤツが怪しい」という感想のほか、「ユースケという配役自体が犯人っぽい」「ユースケが犯人なら納得」といった声が上がっている。
さつきは、父の俊行が雪崩に巻き込まれそうになった際、心の助けで俊行が命拾いした。雪崩が起きるのを知っていた心に対して「あなた未来が見えるの? 超能力なの?」と発言。その後、ワープロの画面で「超能力?笑える。誰だろうと邪魔はさせない。計画は完璧だ」と打ち込まれるシーンが登場。さらに、ワープロで「薬を手配した」と打ち込むシーンもあり「工場でシアン化カリウム(青酸カリ)が手に入るのでは」と指摘する視聴者もいた。
唯一、犯人のビジュアルが映し出されたのは、“犯人”が扉に空いた穴から明音をのぞき込むシーン。目がアップで映し出され、SNSには「女性っぽい」「若い感じ」「子供じゃないか」と推測する声があふれた。木村メッキ工場で働く紀子は死ぬ前の長谷川に暴力を受け、さらに、明音が写った写真を燃やしていた。
また、ノートに描かれた奇妙なうさぎの絵を見つめる義男の息子の正志(せいやさん)、薄ら笑いを見せながらワープロの画面に向かう井沢健次(六平直政さん)、軽トラックの荷台に大量の除草剤を積む徳本卓也(今野浩喜さん)の姿なども登場しており、視聴者は「一人に絞れない!」「共犯者がいるパターン?」「謎多すぎて頭パンク」「まだ登場してないキャラクター?」「もしかして、心?」と、“パニック状態”になっているようだ。
実のところ原作マンガは完結しており、マンガを読めば犯人が分かるのでは、と思われたが、要所で原作とドラマの展開は異なっている。
さらに、先日行われたドラマのイベントでは、原作の東元さんからの手紙で「原作と犯人が違うと聞いている」という衝撃の事実が明かされた。イベントに出席した竹内さんも驚いていた様子で「初めて知りました。原作は読んでいますが、ドラマの台本では原作にない展開もあったので、どうなるのかなと思っていたんですが……」と語っていた。原作と犯人が異なるとすると、いよいよもって犯人捜しが盛り上がるだろう。
さて、2月2日放送の第3話は、逮捕される寸前に事件をまとめたノートと免許証を捨てた心のもとに、免許証が届く。さらに、真犯人が奇妙な絵で新たな犯行を予告してくる……という展開。「音臼小無差別殺人事件」の謎と真犯人を追う心と同様、視聴者も登場キャラクターたちの一挙手一投足から目を離してはいけない。
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