俳優の長谷川博己さん主演で、1月19日にスタートした2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」。色鮮やかな映像や衣装、若き日の躍動する明智光秀を体現する長谷川さん、戦国時代ならではの合戦シーン、“緑茶毒殺”に斎藤道三役・本木雅弘さんの怪演と、話題に事欠かない内容で、早くも盛り上がりを見せている。加えて、初回から熱い視線を注がれているのが、オープニングタイトルバックだ。重厚な音楽をバックに、ゆったりと流れていく映像と、極太の明朝体による白字のクレジットが特徴で、「昔の大河ドラマ(時代劇)っぽい」「昭和の特撮感がある」などといった声が上がっているが、映像の中に実は“隠れ麒麟”もいるという。制作の経緯や意図を制作統括・落合将チーフプロデューサー(CP)に聞いた。
オープニングタイトルバックは、ドラマのメインビジュアルと同じく広告制作チーム「TUGBOAT」の多田琢さんが中心となり制作された。最初に用意されていた“素材”はジョン・グラムさんが手がけた重厚な音楽(テーマ)。また2分40秒という尺で、「ある種、閉塞的な時代を生き抜いていく青年・明智光秀を映像でも表現してほしい」という思いが落合CPにはあったという。
多田さん側との話し合いを重ねるうち、黒澤明監督の映画ように「字を前に立たせよう」というアイデアが徐々に表面化。「『七人の侍』『用心棒』であるとか、日本国民の多くが知っている黒澤映画風なテイストは、『麒麟がくる』に合っているんじゃないか」という考えがあったからで、「字のみ」という案も頭をよぎったという。
そのくらい「字を見せること」に強いこだわりを持って制作されたタイトルバックであるため、字の後ろをゆったりと流れていく映像は非常に「静的」だ。走る馬のシルエット(1973年放送の大河ドラマ「国盗り物語」のオマージュ説も?)や、炎(オレンジ色と白字のクレジットが合わさると特撮感満載!)、さらに森の中で一人たたずむ甲冑(かっちゅう)姿の光秀と、さまざまなイメージを想起させるが、まさに字ありきの「背景」として存在している。
落合CPによると「多田さんらは本当に映像作りのプロで、ワンカットに1日かけるような人たち。炎のカットの撮影は僕も見させてもらったのですが、すごくいい絵なので、字は横に置くものと思っていたら、『これは字を前提にしたバックなんです』ってことを言い出して(笑い)。だから今回はテロップも込みでお願いしました。通常、映像制作側はあくまで映像のみ納品して終了なので、これは珍しいこと。ただ今回は、“字のために作られた映像”なので。字体に関しては黒澤映画を意識しつつも毎回、手書きとはいかないので、その中で浮上してきたのがあの形(極太の明朝体)なんです」と説明した。
さらに字の後ろを流れる映像には、ドラマのタイトルにもある聖なる獣「麒麟」がいるという。「回によってテロップで隠れてしまうのですが、いるんです」と認める落合CP。映像をスロー再生し、目をこらすと、ある箇所で“馬に似た何か”がうごめいている様子が見て取れたが……。
「“馬”と思ってもらってもいいのですが、今回のドラマでは麒麟を具現化するつもりはなくて。登場人物が麒麟の描かれている絵巻物を見たり、幻が現れたりというのは絶対にしないので、タイトルバックだけでも出したかったというのはありました。(どこにいるかは)見ても分からないくらいなのですが、麒麟が希望の象徴でもあるので、全くゼロにはしたくなかったんです。当初はもっと大々的に出すっていう話もあったのですが、作っていく中で、控えめでいいんじゃないかってなり、今の形に落ち着きました」と語った。
2月2日放送の第3回では「麒麟が見つかりやすい」とのこと。ぜひオンエアで探してみては。
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