テレビ試写室:「M 愛すべき人がいて」 安斉かれんは違和感なく“アユ” 名曲、町並み、ファッション…90年代の再現も

(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.
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 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、“歌姫・浜崎あゆみ”が誕生するまで、そこに秘められた出会いと別れを描いた4月18日スタートの連続ドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系、土曜午後11時15分/ABEMAで全話独占配信)だ。歌手の安斉かれんさんと俳優の三浦翔平さんのダブル主演で、話題の小説をドラマ化。アユに“劇似”の安斉さんの演技に注目したい。

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 ドラマは、小松成美さんの同名小説(幻冬舎)が原作。脚本は鈴木おさむさんが手がけた。ドラマの主題歌は浜崎さんの「M」。激動の音楽業界を駆け抜けるアユ(安斉さん)と希代の音楽プロデューサー、マサ(三浦さん)の愛や葛藤を描く。

 安斉さんは今作がドラマ初主演。ドラマのビジュアルが解禁された際から感じていたが、安斉さんのビジュアルが浜崎さんに驚くぐらいそっくりだ。芝居に挑戦している姿を見ても、違和感なくアユだと思えた。

 2人に付随してさまざまな思惑を持った個性的な登場人物が描かれ、ショービジネスの裏側を垣間見ることもできる。特に田中みな実さんが演じる眼帯姿のマサの秘書、姫野礼香は怪しさ抜群。「こんなに意地悪な役は初めて」と田中さんが語っている通り、今後、あの手この手でアユの足を引っ張るらしいので、目が離せない。ほかにも、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」「EXILE」の白濱亜嵐さん、俳優の高橋克典さん、高嶋政伸さんら一癖も二癖もあるキャストも登場する。

 現実の通り、安斉さんが演じるアユは、平成を代表する歌姫へと成長していくのだが、初回はレコード会社「A VICTORY」の設立者でプロデューサーのマサ(三浦さん)との出会いがストーリーの中心となる。

 ドラマはアユが福岡から上京してきた1993年からスタート。劇中では登場人物の名前が異なるものの、90年代の小室ファミリーのブームを反映し、trfの「EZ DO DANCE」「BOY MEETS GIRL」「寒い夜だから」などの名曲が挿入されているほか、町並みやファッション、インテリアなども90年代当時を再現しており、画面の細部にも注目したい。

 90年代半ばに青春を謳歌(おうか)した30代半ば~40代には、懐かしさが感じられる作品だろう。現在34歳の記者もその一人だ。 

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