JIN-仁-:「南方仁がおれば、坂本龍馬は死なん」 大沢たかお、内野聖陽らの名ぜりふで「完結編」を振り返る

ドラマ「JIN-仁-」のビジュアル(C)TBS
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ドラマ「JIN-仁-」のビジュアル(C)TBS

 TBS系のドラマ枠「日曜劇場」で2009年10月期、2011年4月期に放送された「JIN-仁-」全22話を再編集したSF医療時代劇「JIN-仁- レジェンド」第4回が、4月26日午後2時からTBSで放送される。今回から「完結編」として放送されたパート2がスタート。大学病院の脳外科医だった南方仁(大沢さん)が幕末の江戸時代にタイムスリップ。病に苦しむ人々の命を救いつつ、暗殺の危機が迫る坂本龍馬(内野聖陽さん)との絆が描かれる。同作では「神は乗り越えられる試練しか与えない」「南方仁がおれば、坂本龍馬は死なん」といった名ぜりふが話題となったが、ここではパート2の名ぜりふやナレーションでストーリーを振り返る。さあ、「戻るぜよ、あん世界に!」。

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 「JIN-仁-」は村上もとかさんのマンガが原作。幕末の江戸時代にタイムスリップした仁が、満足な医療器具や薬もない状態で人々の命を救う中、龍馬や勝海舟(小日向文世さん)ら幕末の英雄と知り合い、歴史の渦の中に巻き込まれていく……というストーリー。

 パート2では、明治維新を推し進めた幕末の重鎮・西郷隆盛(藤本隆宏さん)、14代将軍・徳川家茂の正室・皇女和宮(黒川智花さん)、新撰組局長・近藤勇(「THE BOOM」の宮沢和史さん)、勝海舟・吉田松陰らを教えた当代一の蘭学者・佐久間象山(市村正親さん)、オリジナルのキャラクターとして、長州藩出身の武士で龍馬の護衛となる東修介(佐藤隆太さん)といった新たな人物が登場。放送時は、江戸時代を再現した撮影セットや衣装、豪華キャストによる演技などが“本格派”と話題にもなったが、パート2からは衣装に洋風の雰囲気が加わっている。

 ◇佐久間象山や西郷隆盛を治療「歴史を大きく変えてしまうのではないか」

 「完結編」は、仁が幕末の江戸時代に迷い込んでから約2年後の世界が舞台。ある日、龍馬が、何者かに襲われて瀕死の状態となっている象山を助けてほしいと仁のもとへとやってきた。仁は、時代に影響を与えている重要な人物を助けることで「歴史を大きく変えてしまうのではないか」と悩みつつ、龍馬と共に象山のいる京都へと向かう。

 京都に留まり、長州と薩摩の戦いによってけがをした人々の治療に専念する仁だが、突然現れた新撰組によって、薩摩藩邸にいる西郷のもとへと連れ去られる。西郷は、今すぐ腹を切って手術をしなければ、命にかかわるような虫垂炎を患っていた。仁は「勝手に戦って町を焼け野原にしたあんたたちを助ける暇があれば、俺は焼けだされた子供を助けたい! でも、今ここで西郷さん、あなたを見殺しにすれば、俺はあなたたちと同じになる。命を差別する者になってしまう! だからどうか助けさせてください!」と土下座をして、目の前にいる西郷の命を救う。

 数日後、龍馬は仁に「死んでいったもんらに報いる方法は、一つしかないち思わんかえ? 『もっぺん、生まれてきたい』。そう思える国にすることじゃき」と語る。仁は心の中で「だけど龍馬さんもまた志半ばで死を迎える。運命を知っていれば、それを避けることができるかもしれない」と考え、「龍馬さんはこれからこの国を一つにするために走り回ります……」と言いかけると激しい頭痛に見舞われ、伝えることができなくなる……。

 そんな中、仁は、咲(綾瀬はるかさん)の母・栄(麻生祐未さん)が脚気(かっけ)を患っていると知り、甘いものが好物だという栄のため「道名津(ドーナツ)」を作って治療しようと試みる。数日後、仁が考案した、脚気に効くお菓子「道名津」にあんこをかけた「安道名津(あんドーナツ)」が評判となる。

 そんな折、脚気の疑いがある皇女和宮に、安道名津を献上してほしいと頼まれた仁は、咲を連れて、和宮のもとへと向かう。献上した安道名津を食べた和宮は、突然その場で倒れてしまう。仁と咲は安道名津にヒ素を塗った疑いを掛けられ、毒殺未遂の容疑で牢屋敷に入れられてしまう。龍馬らは、新門辰五郎(中村敦夫さん)に協力を仰ぎ、仁を助け出そうと幕府に働きかける。

 ◇龍馬に対して「戦だけが国をまとめる手段なんですか!」

 第4話では、薩摩藩預かりの身となった龍馬が、仲間と共に海運商社「亀山社中」を立ち上げる。さらに、龍馬は、同じく土佐の脱藩浪人で長州藩の預かりとなっている中岡慎太郎(市川亀治郎さん)と意気投合し、2人で長州と薩摩の和解を目指す。

 一方、仁は、龍馬に暗殺のことを伝えようと長崎に来ていた。仁は、ようやく龍馬と再会するが、龍馬はトーマス・グラバー(ウィル・ゲラックさん)から武器を手に入れ、幕府と戦争をする長州に武器を売って金儲けをするなど別人になっていた。そんな中、仁と龍馬は写真を撮影しに行くことに。仁が写真を撮る意図を聞くと、龍馬は「先生と撮った写真っちゅうがは、わしが明日斬られても残るがじゃろ? その方が、わしには大事なことに思える」と伝える。

 複雑な気持ちのまま龍馬と共に長州を訪れた仁は、龍馬が売ったと思われる銃に撃たれた幕府軍の大量の死傷者を目撃。戦の必要性を訴える龍馬に対して、仁は「戦だけが国をまとめる手段なんですか。そんな方法でまとめるしかないなら、政権をとったってうまくいくはずがない! うまくいかなくなったら、また戦を繰り返すだけなんです。暴力は……、暴力を生むだけなんです!」と声を荒らげるも、龍馬には届かない……。

 ◇野風「あちきの中には子がおりんす」

 第7話では、「仁友堂」で働いていた野風(中谷美紀さん)がフランス人のルロン(ジャン・ルイ・バージュさん)と結婚することが決まり、仁は咲と一緒に婚礼に来てほしいと言われ、横浜へと向かう。野風の結婚を祝う仁だったが、「胸のしこりが気になる」と言う野風に、がんが転移したことを伝える。すると野風は「子にはがんの毒が回りんすか。あちきの中には、子がおりんす」と告げる。仁と咲は野風の出産を支えることに。

 やがて、野風が出産直後に心肺停止となってしまい、仁は野風に「子供を抱くんじゃなかったんですか? 絶対に死なないって、そう言ったじゃないですか! 神は、神は乗り越えられる試練しか与えないんじゃないのかーっ!」と叫びながら、心臓マッサージを行った。

 ◇暗殺の日が近づき「必ず自らの手で龍馬を助ける」と決心

 数日後、「この国を生まれ変わらせよう」とした龍馬の悲願である、天皇に政権を戻す大政奉還が成立。しかし、着々と龍馬暗殺の日が近づいていた。「必ず自らの手で龍馬を助ける」と決心した仁は、咲、佐分利祐輔(桐谷健太さん)と共に龍馬のいる京都へ向け出発。京都で仁は龍馬と再会を果たす。

 寺田屋で食事をすることになった仁と龍馬たち。龍馬が「わざわざ京くんだりまで、わしを守りに来てくれたのか」と言うと、仁は「だって約束したじゃないですか」と返答。感動した龍馬は、仁がコロリ(コレラ)と闘ったことなどを振り返りながら「先生はわしにとって、夜の海に光る道しるべじゃ。わしゃ、ただそこを目指して進んじょっただけのような気がするぜよ」と熱い思いを語る。

 その直後、幕府の上役(中原丈雄さん)の命で動いていた咲の兄・恭太郎(小出恵介さん)が、龍馬たちを襲撃。第10話では、歴史通りに斬られてしまった龍馬は「南方仁がおれば、坂本龍馬は死なん……」と命を託す。仁は咲、佐分利と共に龍馬を助けるため大手術に臨む……。

 「JIN-仁- レジェンド」は4月18日から3週連続で土、日曜の各日午後2時に6回にわたって放送。第4回では、パート2の第1話「時空を超えた愛と命の物語~完結編始動!! 歴史の針が今、再び動き出す…人は人でしか救えない」、第2話「未来との選択」、第3話「さらば愛しき人」が放送される。

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