いいね!光源氏くん:伊藤沙莉は「お芝居の天才」 “ヒロイン力”も見事に証明

芸能 テレビ
連続ドラマ「いいね!光源氏くん」に出演している伊藤沙莉さん (C)NHK

 俳優の千葉雄大さんと女優の伊藤沙莉さんが出演するNHK連続ドラマ「いいね!光源氏くん」が好評だ。同局の「よるドラ」(総合、土曜午後11時半)第6弾として4月4日にスタートし、当初、現代に出現した絶対的美男子・光源氏(千葉さん)と、光源氏をヒモ同然で自分の部屋に住まわせることになる沙織(伊藤さん)との、“どこかチグハグなやりとり”が「いちいち面白い」と人気を集めた同作。しかし、いつからか、この“どこかチグハグなやりとり”が生み出す2人の気持ちのすれ違いが「切ない」と感じるようになってきた視聴者も多く、残り少ない物語の行方が大いに気になるところ。特に感情移入してしまうのが、“次元違いの恋”に悩む沙織の姿。これまでの作品ではあまり見せてこなかった伊藤さんの「ヒロイン力」のたまものと言えるのではないだろうか……。

 ◇演技巧者ぶりで「平安貴族と同居」も違和感なし

 ドラマは、えすとえむさんの同名マンガが原作。「源氏物語」の中で雅(みやび)の世に生きていた平安貴族・光源氏(光くん)が、まったく世界観の異なる現代に出現。地味で自信がない今風のこじらせ会社員の沙織が、ヒモ同然で住まわせることになる……という“イケメン居候コメディー”。沙織の妹・詩織役で入山杏奈さん、光のライバルの中将(中ちゃん)役で桐山漣さんも出演している。

 伊藤さん演じる沙織は、とあるメーカーの企画営業部に勤める一人暮らしの会社員。美人の妹に比べ自分は地味だと思い続けていて、恋愛に関してはまったく自信がない……というキャラクターで、“光くん”への恋心を徐々に自覚するようになり、平安時代に書かれた書物の中の人物への“次元違いの恋”に思い悩む。

 面白いのは、沙織自身がかなり早い段階で、突如、自分の部屋へとやってきた“光くん”を「本物の光源氏ではないか」と見抜き、当然のように受け入れたこと。“光くん”と入れ替わるように現れ、一時期、沙織の部屋に居ついた“中ちゃん”の時も同様で、ドラマの中の話とは言え、「平安貴族と同居する現代人」を違和感なく演じられているところに伊藤さんの「演技巧者ぶり」が感じられる。

 何とも雅な“光くん”との会話劇で見せる、テンポの良さと抜群の突っ込み感覚、さらには沙織の心の声や、思わず小声で漏れてしまう本音まで、自由自在に操る伊藤さんを見ていると、このドラマは彼女(と光くん役の千葉さん)なくして成立はしないと断言できる。

 ◇伊藤沙莉の「何が天才」? スタッフ、共演者から厚い信頼、愛される理由…

 今回、沙織役に伊藤さんをキャスティングした制作統括の管原浩さんは、昨年7月期に放送され、伊藤さんも出演していた同局の連続ドラマ「これは経費で落ちません!」(主演は多部未華子さん)の制作にも携わってきた人物だ。管原さんによると、収録現場における伊藤さんの評判は「お芝居の天才」。さらには「スタッフのみならず共演者の方にも信頼の厚い女優さん」と話している。

 「何が天才か」と言うと、「せりふをしゃべりながら細かな動きをするのは実はたやすいことではなく、慣れない役者さんはどうしてもせりふか、動きの、どちらかがぎくしゃくしてしまうのに、伊藤さんは全てスムーズに、完璧にこなせる」と説明し、「間合いも抜群ですし、だから多部さんや千葉さんなど主演の方が、一緒に絡むのに安心していられる。また日ごろからスタッフの言動もよく見聞きしていて、スタッフ一人一人に合わせた応対ができるのも、彼女が愛されている理由かもしれません」とも語っていた。

 ◇「ヒロイン力」は役に対する理解度の深さに起因

 伊藤さんといえば、子役として活動を開始し、これまで数々の作品に出演してきた経験豊富な女優だ。2017年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」以降は特に“引っ張りだこ”の印象で、その間、声の仕事にも挑戦。今年1~3月に、やはりNHKで放送されたテレビアニメ「映像研には手を出すな!」の主人公・浅草みどり(浅草氏)役で、声優としても高い評価を得たことは記憶に新しい。

 以前から演技力には定評があり、どんなにクセのあるキャラクターであっても、行動や立ち居振る舞いにいじらしさや愛らしさをにじませ、好感度の高い役柄に仕上げてしまうのも、“女優・伊藤沙莉”の魅力。そういった意味では、「いいね!光源氏くん」における、恋愛下手でストレートな感情表現が苦手な沙織の、いじらしさや愛らしさは伊藤さんだからこそ表現できているとも言える。また、劇中で見せる「ヒロイン力」も決して偶然の産物ではなく、伊藤さんの役に対する「理解度の深さに起因」し、だからこそ、“次元違いの恋”に悩む沙織の姿にこんなにも胸がズキズキとするのだろう。

 「若きバイプレーヤー」などと評されてきた伊藤さんだが、今回「ヒロイン力」も見事に証明したことで、今後、作品の“ド真ん中”で役を演じる機会も増えていくのではないだろうか。いずれにせよ、彼女の快進撃はまだまだ続きそうだ。

芸能 最新記事

MAiDiGiTV 動画

最新動画

PHOTO

このページのトップへ戻る