名探偵コナン
R162「風の女神・萩原千速(前編)(デジタルリマスター)」
2月7日(土)放送分
テレビアニメ「どろろ」「バビロン」などを企画、立案してきた「ツインエンジン」の発表会「TWINENGINE Conference 2020」が4月30日、インターネット上で開催された。同社は、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で編集長を務めた山本幸治プロデューサーが2014年に設立。パッケージビジネスに依存しない、新たなビジネスモデルを模索するなど、これまで業界の台風の目となってきた。グローバル配信の競争激化に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、アニメ制作会社が厳しい状況にある中で、新たな戦略を発表した。山本プロデューサーに、配信の時代の戦略、コロナ以降のアニメ業界について聞いた。
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「TWINENGINE Conference 2020」では、2010年は約200本のアニメが放送された中で、配信、海外の売り上げが約3000億円、DVDなどのパッケージの売り上げが約1000億円だったのに対し、2018年は約330本のアニメが放送され、配信、海外が約1兆円、パッケージが約500億円だったと発表した。作品数が増え、配信、海外の売り上げが約3倍になったのに対し、パッケージは半減したという。2020年以降は、Netflix、Amazon Prime Videoに加え、アップル、ディズニー、HBO Maxなどが参入することで、グローバル配信サービスの競争が激化し、市場規模がさらに拡大すると予測した。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、劇場版アニメの公開延期、テレビアニメの放送延期も相次いでいる。一方で、Netflixが4月、2020年第1四半期(1~3月)の決算を発表し、各国での外出自粛の影響を受け、有料メンバー数が前年比約15%増となる約1570万人増加し、有料メンバー数が1億8300万人を突破するなど配信サービスは好調だ。ツインエンジンが手がける劇場版アニメ「泣きたい私は猫をかぶる」が、新型コロナウイルス感染症の影響で公開延期となり、Netflixで6月18日から全世界独占配信されることが発表されたのも象徴的なできごとだった。
日本独自のローカルな配信サービスなどもあるが、山本プロデューサーは「ワールドワイドなサービスに集約されていく」と考えているという。そうなれば、ワールドワイドに受け入れられる作品が求められる。
「一番はクリエーター、スタジオブランディングを大事にしています。日本発で海外まで届く作品を作っていきたい。それは、ハリウッド作品のアニメ化のようなものではなく、日本的なものだと思っています。例えば『どろろ』などもそうですし、SFもそう。これまで米国では、日本のアニメファンのようなコアなファンを一定数増やしてきました。中国でも同じようなことが起きています。ただ、Netflixなどの配信サービスの登場によって、これまでのアニメファンとはまた違う、ファン層が開拓されています。日本のアニメのわびさびが分かるマーケットも広がってきましたが、それ以外のものが大きく広がりつつある。ターゲットが広くなり、いろいろなことができるようになりました。一方で、中国は規制の問題などもあり、読みにくいところがあります」
山本プロデューサーは、ノイタミナ時代からコアなアニメファン以外にも受け入れられる作品を送り出してきた。また、深夜アニメは製作委員会方式で制作するパッケージビジネスが一般的だったが、それ以外のビジネスモデルを模索してきた。時代が追いついてきたのかもしれない。
「日本国内のビデオパッケージを買う10~20万人に向けて作品を作ると、どうしても作品が似てきてしまいます。そういうものづくりが得意なクリエーターばかりではありません。やりがいのある企画ができる時代になっています」
テレビでは放送せずに、独占配信のアニメもあるが、山本プロデューサーは約2年前、「テレビの全国ネットとネット配信の組み合わせが最強」「見られてなんぼの時代。独占配信ではなかなか見てもらえない」と話したことがあった。確かに独占配信のアニメのヒットは現状では少ない。基本的に考えは変わっていないようだが、約2年で状況は変化している。テレビ局員だった経験から感じるところもあるようだ。
「複数の配信サービスと契約している人がいる一方、まだ加入していない人もいる。分岐点を超えれば、テレビ放送はしないという流れに変わっていくかもしれない。テレビ放送は、全国ネットで時間が浅い枠で放送することに価値がある。配信に主軸が移りつつある中で、配信に負けないパワーのある枠でやらないと負けてしまいます。深夜ではなく、視聴率モデルでキラーコンテンツを制作すれば、ブームを起こすこともできるかもしれない。テレビ局にまだ体力があるうちにできればいいのだけど、やらないでしょうね。難しいところです」
ツインエンジンは、スタジオコロリド、ジェノスタジオなどのアニメ制作会社をグループに持つ。アニメの制作現場は、働き方改革の波と人材不足によって、制作会社が淘汰(とうた)されることが考えられる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、さらに状況は厳しくなりそうだ。
「おそらく厳しくなっていくでしょう。配信シフトが進むだけでなく、作り続けられるのか?という問題も出てくる。いろいろなことが読みにくくなり、想定外のことが起こるかもしれない。業界の再編にもつながるかもしれない。ツインエンジンが安泰というわけではないし、今、働き方改革で変わらないといけない。一気に変えて、旗を振っていけば、人が残るし、新しい人も加わる。健全化せざるを得ない」
アニメ業界は変革の時代を迎えている。ツインエンジンの戦略が注目される。
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