半沢直樹:大和田、“ラスボス”から“人気キャラ”に 貢献した香川照之の“少年っぽさ”

テレビ
連続ドラマ「半沢直樹」で大和田暁を演じている香川照之さん(C)TBS

 5週連続で視聴率が20%の大台を突破している俳優の堺雅人さん主演の連続ドラマ「半沢直樹」(TBS系、日曜午後9時)で、俳優の香川照之さん演じる東京中央銀行取締役・大和田暁が、SNSでは「もはや、いとおしい」「毎週、大和田待ちしてる」といった声が書き込まれるなど大人気だ。前シリーズでは、憎らしい“ラスボス”だったはずの大和田だが、今シリーズではどこか憎めない“人気キャラ”へと変貌を遂げた。そこには、前シリーズの後に広く知られることになった香川さん自身の魅力も貢献しているようだ。そんな香川さんの魅力をひもときながら、大和田の人気の理由を探ってみた。

 ◇昆虫&ボクシングに情熱を注ぐ純粋さ

 数々の作品に出演し、歴史上の偉人から殺し屋まで、個性的な役どころで存在感を放ってきた香川さん。コメディーリリーフも数多く務めてきたが、中でも「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)シリーズでは、敏腕弁護士だが、松本潤さん扮する主人公の深山大翔と子供同士のけんかのようなやりとりを繰り広げる佐田篤弘役で視聴者を楽しませた。新型コロナウイルスの影響で、放送が延期された「半沢直樹」の代わりに放送された「99.9」の特別編でも、松本さん、香川さん、立花彩乃役の榮倉奈々さんらがリモート出演したVTRが放送され、香川さんと松本さんが共演者や撮影の裏話などを軽妙なトークで告白したりと、ドラマさながらのコミカルなノリで盛り上げた。

 また、2016年にはNHKの教育番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」(Eテレ)がスタート。「人間よ!昆虫に学べ」がモットーの同番組では、昆虫好きの香川さんが、カマキリのコスチュームを着た“カマキリ先生”に変身。少年のようなキラキラとした目で、純粋さが伝わる興奮した口調や身ぶり手ぶりで大好きな昆虫の生態を紹介し、老若男女に楽しまれる人気番組へと成長させた。

 ボクシングファンの一面もあり、WOWOWのボクシング番組「エキサイトマッチ」にもたびたびゲスト出演。香川さんは名シーンの数々に、「これは見ないと駄目」「これは壮絶!」と声を上げて大興奮し、熱が入りすぎて、「わきの下びっしょり」と苦笑いしていた。変に気取ることもなく、少年のように純粋な瞳で、これまた少年が好きな「昆虫」「ボクシング」に熱中している姿をそのまま見せてくれるのが、“俳優”香川照之の魅力の一つだといえるだろう。

 ◇今シリーズで変わった見られ方 “大和田待ち”の期待に応える名言と言動

 そんな香川さんが「半沢直樹」で演じている大和田。かつて半沢の父・慎之助(笑福亭鶴瓶さん)を自殺に追い込んだ張本人で、堺さん演じる半沢の“父の敵”として激突した。半沢によって不正が暴かれ、大和田が苦悶(くもん)の表情とともに土下座をした最終回は42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率を記録し、話題となった。

 前シリーズではいわば“大悪役”“ラスボス”として、最後まで物語を大いに盛り上げた大和田だが、今シリーズの原作「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」には登場しておらず、“オリジナルキャラ”としてドラマで大活躍している。ただ今シリーズでは、立ち位置が異なることもあり、視聴者からの見られ方も変わっているようだ。

 1話の「恩返しです」をはじめ、2話では「お、し、ま、い……です!」、3話の「死んでも嫌だね!」といった皮肉たっぷりの名言や、目を大きく見開いたり、眉間(みけん)にしわを寄せたりして激情を伝える“顔芸”のほか、首をかき切るポーズなど小憎らしい動きを見せ、視聴者からは「今週も面白すぎます!」「今週の名言いただきました!」といった声が上がるなど、“大和田待ち”をしている視聴者の期待に応えている。

 また、香川さんが演じた大和田が、少年っぽい一面を見せたシーンが、5話にあった。それは、政治家から半沢に対してのクレームを受けた大和田が半沢を銀行に呼び出したシーン。半沢が大和田を相手にせず、まるで無視するような展開に、SNSでは「塩対応されてて笑った」「大和田ちゃん可愛い」「好きな子にちょっかいだす小学生男子みたい」と盛り上がった。

 ツイッターでは、ドラマタイトルの「#半沢直樹」と同様に「#大和田」もトレンド入りし、大和田を主人公としたスピンオフの制作を期待する声も上がっているほど。前シリーズの放送後にスタートした「昆虫すごいぜ!」で見せる香川さんの“少年のような純粋さ”がお茶の間に浸透したこともあり、受け取る側の視聴者も香川さん演じる大和田に対して、より親しみと魅力を感じている。

 もっとも、ドラマ自体は極めてシリアスな展開だし、香川さん演じる大和田もいたって大真面目。毎回策謀を巡らせているわけだが、そうしたシリアスな展開だからこそ、ある種のおかしみが生まれるということでもある。そうした大和田の存在が、今作でも“半沢人気”の片翼となっているのだろう。

 4話では、主人公・半沢と“父の敵”大和田が共闘するという、少年マンガをほうふつさせるようなドラマチックな展開もあった。8月23日午後9時から放送される第6話は、半沢がついに国家と対立。“オリジナルキャラ”の大和田が、今後もどのような形で名言を放ったり、コミカルな動きを見せるのか、そしてどのような立ち居振る舞いでドラマを盛り上げると共に、視聴者を楽しませてくれるのか、期待しかない。 

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