ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の劇場版「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督)が10月16日に公開された。「鬼滅の刃」は、は幅広い世代から注目を集め、テレビの情報番組などでも紹介され、人気の理由を分析する記事も多く見られた。さまざまな分析、臆測があふれてはいるが、一体なぜ大ヒットしたのだろうか……。アニメのキーマンの一人であるアニプレックスの高橋祐馬プロデューサーに聞いた。
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「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼に変異した妹を人間に戻すため旅立つ……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、コミックスのシリーズ累計発行部数は1億部を突破した。テレビアニメが2019年4~9月に放送され、歌手のLiSAさんが歌うテレビアニメの主題歌「紅蓮華(ぐれんげ)」が大ヒットし、「第70回NHK紅白歌合戦」に初出場したことも話題になった。
「鬼滅の刃」はアニメ化をきっかけに注目されるようになったのではないか、という臆測もある。しかし、高橋プロデューサーは「アニメ化だけがきっかけとは思っていません」と話す。大ヒットのキーワードとして「原作の力」「アニメ化への姿勢」「環境」を挙げる。
「多くの方に作品を見ていただけたのには、いろいろな要素が複合的に絡んでいますが、大前提として原作のマンガが魅力的なんです。アニメが知っていただくきっかけになったところもあるかもしれませんが、それでヒットしたとは思っていません。なんと言っても原作が面白いんです。原作の魅力を損なうことなく真摯(しんし)にアニメ化しようとしました。面白い原作という根っこがあり、(アニメを制作する)ufotableさんの素晴らしい労力、真摯な姿勢と技術があったんです」
原作の魅力、アニメ化する技術、労力のどれが欠けてもヒットは難しかっただろう。最後のキーワードの「環境」とは……。
「ここ数年で生活の中で、テレビだけでなく、配信での視聴が当たり前になっています。この環境の変化も大きかった。『鬼滅の刃』はさまざまなサービスで配信しました。2クールのアニメは決して多くはありませんが、『鬼滅の刃』は2クール通して放送することで、育っていく時間があったのも大きかった。アニメ放送中、原作で連載されていたエピソードが盛り上がっていましたし、タイミングもよかったですね。いきなり注目されたわけでもなくて、どんどんファンが増えて、輪が大きくなっていったと感じています」
高橋プロデューサーが語るように原作はさまざまな魅力にあふれている。その魅力を「王道、新鋭性が絡み合っている」と説明する。
「言語で分解すると、少年の成長、仲間との出会い、戦いという王道の物語がベースにあります。勧善懲悪ではなく、鬼にも悲しい過去があったり人物造形の深さ、せりふの力もあります。鬼の血鬼術は、それぞれのバックグラウンドがリンクしていたり、バトルも複雑です。キャラクターも魅力的です」
高橋プロデューサーは、今後の展開について「イベントがなかなか難しい時代ではありますが、個人的にイベントが好きですし、映画をたくさんの方に見ていただければ、またみんなで集まって何か楽しめる機会を作りたいですね」とも語る。さらなる「何か」にも期待したい。
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