山口紗弥加:「共演NG」中井貴一の妻役 “怪演”と話題 「とことん困らせたい!」

ドラマ「共演NG」に出演する女優の山口紗弥加さん
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ドラマ「共演NG」に出演する女優の山口紗弥加さん

 ドラマ「共演NG」(テレビ東京系、月曜午後10時)に出演する女優の山口紗弥加さん。中井貴一さん演じる人気俳優・遠山英二の妻、雪菜を演じており、視聴者からは「山口紗弥加の破壊力。さすが」「怪演」など、その存在感が注目を集めている。「英二さんをとことん困らせたいなと思っています!」とちゃめっ気たっぷりの山口さんに、ドラマへの意気込みや、女優業について聞いた。

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 ◇ワケあり雪菜役が話題に

 ドラマは、昨年放送された連続ドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)などを手がけた秋元康さんが企画・原作、「モテキ」、大河ドラマ「いだてん」などの大根仁さんが脚本と演出を担当。25年前に恋愛関係のトラブルから破局し、それ以来共演していない遠山英二(中井さん)と大園瞳(鈴木京香さん)が、テレビ東洋の社運を懸けた大型連続ドラマ「殺したいほど愛してる」の主演として25年ぶりに共演することになる……という物語。他の出演者たちも共演NGばかりで……という設定だ。

 撮影の合間に取材に応じてくれた山口さん。今作への出演が決まったときの思いを聞くと、「わくわくしかなかったです!」とにっこり。「もつれて毛玉になった人間たちの思惑は、どんな修羅場を生み出すんだろう? という、怖い物見たさといいますか。そんな期待感がありました」と振り返る。

 “共演NG”というタイトルについては、「私は一切、そんなことを考えたことも経験もないので、『実在するのかしら?』とか、いろんな妄想を膨らませて、面白いなと思いながら、恐ろしいなと思いながら聞いていました(笑い)」と話す。

 ◇デビュー25年目でドラマ初主演 女優業は「楽しい」

 山口さんは、1980年2月14日生まれ。福岡県出身。テレビドラマ「若者のすべて」(1994年)でドラマデビューして以来、数々のテレビドラマ、映画、舞台などに出演してきた。

 ドラマ「ブラックスキャンダル」(2018年放送、読売テレビ・日本テレビ系)では、デビュー25年目でドラマ初主演を果たした。当時、山口さんは、「何だか夢があるなと思いました。38歳で、初主演。私に期待してくれる人がまだいてくれるんだ! って、腹の底からむくむくと力が湧いてきました」とコメント。2019年放送の「絶対正義」(東海テレビ・フジテレビ系)でも主演を務め、自分なりの苛烈な正義感で突っ走る主人公を好演して話題を集めた。

 作品ごとにさまざまな顔を見せる山口さんに、女優業は楽しいかどうかを尋ねてみると、「楽しいです!」と即答。「私の命、生命線といっても、過言ではないと思います(笑い)。仕事をしていないときの私は、たぶん抜け殻というか、空っぽのような気がしていて……ほぼ亡霊です(笑い)」と表現する。

 撮影現場からは「なかなか帰れない」といい、「大げさだけど現場でやっと生きているということを実感するような感じですかね。本当に現場にいられるのが幸せで!」と続ける。

 そんな山口さんにとって、ターニングポイントとなった作品はあるのだろうか。「たくさんありすぎるんですけど、直近のターニングポイントは、2年前の『モンテ・クリスト伯‐華麗なる復讐(ふくしゅう)‐』(フジテレビ系)だったのかなと思います」と話す。

 ◇「モンテ・クリスト伯」で感じた、“演じていない”感覚

 「モンテ・クリスト伯‐華麗なる復讐(ふくしゅう)‐」では、表向きは警察官僚の良妻だが、実はとんでもないもくろみを持った悪女・入間瑛理奈を演じた山口さん。「あのときは気持ちが高揚していて、自分でもびっくりするようなことを本番でやっていたりとか、監督、技術チーム、共演者の皆さんとの現場の一体感がものすごく強かった作品というか……」と振り返る。

 「なんとも言葉に形容しがたいんですけど、瑛理奈という役が私自身で、役と自分自身との境目が本当にわからなくなっていたというか。演じているという感覚がまったくなくて、不思議な時間でした」とも話した山口さん。

 これまでにも「瞬間的に感じることはあった」という感覚だが、常に感じていることは初めての経験だった。「衣装を脱いで、メークを落として、現場を離れれば私自身なんでしょうけど、自宅キッチンで料理しながら『入間貞吉(伊武雅刀さん)をどうやって毒殺しようか』と楽しく想像する私がいるわけです。あの期間はすべてが瑛理奈自身だったような気がします」と明かす。

 また、監督の「OK」が出ていても、反省することも多かったという山口さんだが、「監督がOKなんだから、次に行こう。『あのとき、こうすればよかったな』ということがあっても、ひきずらないようになりました」と変化も告白。「前に進むことを学んだような時間だった」といい、同ドラマに出演して以来、「カメラの前で自由な状態でいられる」ことが続いている。

 「一つ扉が開いたような感じで。『この役はこうあるべきだ』とか、『こうじゃなくちゃいけない』という面倒なルールを自分で作っていた感じだったんですけど、それが取り払われて、限界がなくなった。連ドラだったら、『10話のラストでようやくその人間が見えてくるんじゃないか』と思うようになって……」。

 ◇“ベストな選択”の積み重ねで役に至る

 今回の「共演NG」で山口さんが演じる雪菜は、中井さんが演じる英二の妻で元アイドル。英二との結婚には深い事情があり……という役どころ。そんなワケありの雪菜が、第1話のラストで登場すると、SNSでは「最後の最後に山口紗弥加の破壊力。さすが」「山口紗弥加がすでに怖い」など注目を集めた。

 そんな雪菜について、山口さんは「情緒不安定。あまりにもトリッキーな役すぎて、いくつもの選択肢がありすぎて、ちょっと困っているところがあるんですけど(笑い)」と印象を明かしながら、「雪菜の多面性というもので、英二さんをとことん困らせたいなと思っています」とチャーミングな笑顔を浮かべる。

 さまざまな役でキャリアを重ねる中で、「その瞬間ごとに、“ベストだと思える選択”を積み重ねていけば、役にたどりつくのではないか」。そんな考え方となり、「その瞬間、その時間を思いっきり生きられるようになった」と明かした山口さん。「共演NG」では、後半も雪菜の“ヤバさ”が増していくという。最後に、視聴者に向けて、「みなさん、きっと予測もつかないような展開が待っていることはお約束しますので、どうぞご期待ください!」と呼びかけていた。

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