湯浅政明監督:「日本沈没2020」に込めた思い 劇場編集版の変化 「どうにもできない」問題を「問い続けていきたい」

「日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-」の舞台あいさつに登場した(左から)小野賢章さん、村中知さん、上田麗奈さん、湯浅政明監督
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「日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-」の舞台あいさつに登場した(左から)小野賢章さん、村中知さん、上田麗奈さん、湯浅政明監督

 小松左京さんのSF小説「日本沈没」が原作のアニメ「日本沈没2020」の劇場編集版「日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-」(湯浅政明監督)の舞台あいさつが11月15日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)で開催され、湯浅監督が登場した。「日本沈没2020」はNetflixで配信中のアニメで、湯浅監督が全10話を劇場編集版として再構築した。Netflixで配信がスタートすると、賛否両論、さまざまな意見がネットにあふれた。舞台あいさつでは、湯浅監督が、配信中のアニメ、劇場編集版に込めた思いを明かした。

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 「日本沈没2020」は「国って何だろう?」という大きなテーマに挑み、湯浅監督はこれまで「考えるきっかけになれば」と発言してきた。この日も「作品を作りながら、自分と日本という国がどういう関係なのか?、居場所はどこか?と考えるきっかけになりました」と話した。考えるきっかけになるように、惑わすように、考えていただけるように作りました。(劇場編集版は)惑わす感じを少し減らしています。説明をしない作品ですが、想像していただければ」と話した。

 クールかつ俯瞰(ふかん)的な視点で社会を描いており「差別や人種の問題は分かっているけど、どうにもできない。なんでそういうことが起きるのか?を問い続けていきたい」と力を込めた。舞台あいさつには、声優の上田麗奈さん、村中知さん、小野賢章さんも登壇した。

 「日本沈没」は1973年に発表された小松さんの小説。「日本沈没2020」は、「夜明け告げるルーのうた」「四畳半神話大系」「映像研には手を出すな!」などで知られる湯浅さんが監督を務めた。2020年、日本で突然、大地震が起き、大混乱の中、東京都内に住むごく普通の家族、武藤家の面々は東京からの脱出を始めるが、沈みゆく日本列島は、容赦なく武藤家の面々を追い詰める。極限状態で突きつけられる生と死、出会いと別れなどが描かれる。

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