伊武雅刀&足立梨花:スピルバーグ監督の思い出語る 「太陽の帝国」出演秘話も 「スピルバーグの子どもたち」で案内人

「スピルバーグの子どもたち」で案内人を務める伊武雅刀さん(左)と足立梨花さん=WOWOW提供
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「スピルバーグの子どもたち」で案内人を務める伊武雅刀さん(左)と足立梨花さん=WOWOW提供

 映画「JAWS/ジョーズ」「E.T.」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ジュラシック・パーク」といった人気作を手がけたスティーブン・スピルバーグ監督について著名人が思い出を語る番組「スピルバーグの子どもたち」が、2021年1月16日にWOWOWで放送される。放送を前に、案内人を務める伊武雅刀さんと足立梨花さんが、インタビューに応じた。

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 番組は、WOWOW開局30周年記念番組として制作。子供の頃、スピルバーグ監督の作品に夢中になった人たちが思い入れや思い出を語り、スピルバーグ監督が何を与えてくれたのかをひもとく。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、映画プロデューサーで小説家の川村元気さん、映画監督の黒沢清監督、樋口真嗣監督、俳優の森崎ウィンさんらがVTR出演。入江悠監督、「パックンマックン」のパックンさん、映画評論家の松崎健夫さんがスタジオゲストとして登場する。

 番組は、新型コロナウイルス感染症の拡大で営業休止の映画館で、館長(伊武さん)がスティーブン・スピルバーグ特集と題した上映会を準備中。手伝いにきた孫(足立さん)には、なぜ祖父が映画上映にこだわるのか分からなかった。そんな中、映画館の常連客がオンライン上映会に参加し、スピルバーグ監督の作品を見始める。すると、幼い頃、彼女もスピルバーグ監督の作品によって元気をもらっていたことに気づき始める……という内容。

 2021年1月16日午後6時15分からWOWOWプライムで無料放送。

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 ――番組の中で伊武さんが「『E.T.』をニューヨークで見た」とおっしゃっていましたが。

 伊武さん:ニューヨークって、ダンスホールとかクラブとかそういうところで、「明日はこういう映画が公開される!」と、ものすごく盛り上がるんです。それで明日は「『E.T.』だ!」っていって、「みんなで明日行くぞ」って盛り上がって。で、行ったら大きな劇場なんだけど、もう長蛇の列で。それでみんなワクワクして、とにかく「『E.T.』はみんなで見ようぜ!」みたいなね。劇場超満員で。始まって「スティーブン・スピルバーグ」っていう文字が出たらもう、会場中「ワァ~!」って歓声があがって。

 足立さん:日本ではあり得ないですね。

 伊武さん:すごいな~と思って。いろんなシーンで盛り上がるんだけど、特にやっぱり自転車が空中に飛び上がるじゃない。そのときにはもう会場総立ち。「ワァ~!」みたいな。

 ――伊武さんはスピルバーグの映画「太陽の帝国」に出演もされていますね。

 伊武さん:俺はニューヨークでは「E.T.」も見たし、「ブレードランナー」も見たし。「E.T.」をニューヨークで見て、本当に感動したんだけど、それが数年後にまさか、あの「E.T.」を撮ったスピルバーグの映画に出られるってのはもう、青天の霹靂(へきれき)というかね。だからどんな役でも、とにかく出るだけでいいっていう感じで。何でもいい、セリフ一言でもいいから、とにかく彼の現場で映画をやってみたいなって言ったら、結構いい役で。(脚)本はどんどんどんどん変わっちゃうから、シーンもね。こうなっちゃうの? こうなっちゃうの? みたいな。でも本当に素晴らしい体験だったね。

 ――足立さんは今回、番組でスピルバーグに触れてみて、作品やスピルバーグの存在に対して、イメージが変わった部分はありますか。

 足立さん:そもそもそんなにスピルバーグにめちゃくちゃハマって見ていたわけではなかったので、はっきりしたイメージがなかったんですけど、今回映像を見たりとか、伊武さんのお話を聞いて、すごく情熱的な人なんだとか、子供時代に寂しい思いをしてたんだとか、いろいろ作品ともつながる部分が面白くて。それを知った上で見たらより面白いと思うので、それこそ「グーニーズ」とか見てみたくなりましたね。「E.T.」とかもちゃんと、部分的には知っているんだけど、ちゃんと(見た)記憶はなかったので、あらためて見てみると、どういうふうになるんだろうと、今回の撮影で感じました。

 ――伊武さんからスピルバーグを見たことがない世代に、これは見た方がいいという作品はありますか。

 伊武さん:やっぱりデビュー作の「激突!」だね。うまいんだよね、恐怖感のあおり方が。あとやっぱり「E.T.」だよね。それと「未知との遭遇」もいいね。初期の頃の力があったよね。撮りたいもののイメージがワーッと膨らんだものを現実化して、映像化していくパワフルな感じがね。「ジョーズ」なんかもそうだし。それからやっぱり俺が出てるから言うわけじゃないけど「太陽の帝国」っていうのは原作もいいし、なかなかいい映画ですよ。ぜひ見てほしいですね。

 ――最後に、番組の見どころやメッセージをお願いします。

 伊武さん:今スピルバーグの特集をやるというのは、とってもいいことだと思います。今までスピルバーグを見ていない人も、見てきた人も含めて、ぜひみんなにもう一度見てもらいたいし、見ていない人はスピルバーグという監督が今のこの世の中にこういう新しい改革をもたらして、こういう愛のある映画を作ったんだということを、ぜひ再認識してほしいですね。

 足立さん:この番組をやって、初めてユニバーサルスタジオジャパンの「E.T.」がスピルバーグの作品なんだと知って。私よりも年下の子にとっては、知らないだけで近くにいる存在かもしれない。そういう子は、遊園地でしか見たことがないかもしれないんですけど、今回の番組を見ると、さらにそのアトラクションも楽しくなりそうだし、スピルバーグの過去を知れば知るほど「E.T.」が一層泣ける作品になったり。スピルバーグの深いところを知れたので私は楽しかったんです。だからこそあまりスピルバーグ作品になじみがない人でも見てほしいなって思います。

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