特撮ドラマ「仮面ライダーセイバー」の初の映画「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」(柴崎貴行監督)が12月18日に公開された。テレビシリーズ同様に神山飛羽真/仮面ライダーセイバーを演じる内藤秀一郎さんと、富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ役で出演する青木瞭さん。劇中では幼なじみという関係でもある2人に、前半戦の大きな山場となった賢人の消滅を含む、ここまでの撮影への手応えや裏話、日に日に増す仮面ライダーへの思い、劇場短編の見どころを語ってもらった。
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「仮面ライダーセイバー」は、小説家の神山飛羽真(内藤さん)が、突如消失した世界の一部を元に戻すべく、炎の剣士・仮面ライダーセイバーとして戦う物語。また賢人(青木さん)は、はるか昔から人知れず、大いなる力を持つ本を守り、世界の均衡を守ってきた組織「ソードオブロゴス」に属する剣士の一人だ。
放送開始から3カ月以上がたち、撮影も回を重ね、役との“シンクロ率”がどんどん上がってきていると感じているのが内藤さんだ。
「最近、飛羽真と内藤秀一郎の境界線がなくなってきていて。それは普段から役に入り込んでいるからかなのかなって自分で勝手に思っているのですが。飛羽真を演じていると、自然と笑えたり、勝手に涙が出そうになったり。それこそ賢人(青木さん)がどういう気持ちなのか分かって、芝居をしていて鳥肌立つときがあるんです」と明かす。
そのシンクロ率が一つのピークに達したのが、12月6日放送の第13話における賢人の消滅シーンだ。
同シーンでは、涙を流すことで、その後も世界を守っていく飛羽真が「ちょっと弱く見えてしまう」ことを心配し、監督とも相談した上で、実は「泣かないように」と決めていたという内藤さん。「いざ本番に入ったら、これはダメだってボロボロ泣いちゃって。でも、それは飛羽真になりきって、生の感情が出てしまったもの。そこで僕自身は『これでいいんだ』と思えたし、とてもいい経験になりました」と振り返る。
一方、賢人役の青木さんも「賢人の考えと、僕の考えがシンクロして、自分なりにすごく自然に演じることができた」と話す。
「あのシーンは、自分の中で賢人に感情移入しすぎてしまって、せりふをしゃべってたら勝手にぽろっと涙が出てしまった。賢人らしくもあり自分らしくもあり、芝居で自分が今一番やりたかった表現がすごく自然にできたので、自分としてもすごく納得できるシーンになりました」と手応えを語った。
演じる役を通して、仮面ライダーへの思いは日に日に強くなってきているという2人。
内藤さんはかつて「仮面ライダー電王」で、主演の佐藤健さんが何通りものキャラクターを演じ分けているのを見て、小さいながらも「すごい! こんなことできる人がいるんだ!」と思ったという。
「仮面ライダーってやっぱり選ばれた人じゃないとなれない。自分もそのうちの一人として、これからもしっかり『セイバー』を盛り上げていきたいですし、自分が子供のころに思ったのと同じように、今の小さい子供たちにも、『セイバーってすごいな』という感情を抱いてほしいと思ってます。そういう憧れの存在でいられたら」と目を輝かせる。
青木さんは「僕は一番最初に見た仮面ライダーは『龍騎』。幼稚園のころに描いた絵が今も家にあるのですが、そこに『仮面ライダーになりたい』って夢も一緒に書いてあって。当時のことを忘れてしまった部分もあるのですが、そういうふうに形に残すってことは本当に仮面ライダーになりたかったんだなって自分ながらに思いますし、そういったことがあったから、今の自分があると思うと、夢って面白いなって」と楽しそうに思い出話を披露してくれた。
「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」は、世界の終焉(しゅうえん)を食い止めるため、強大な敵・バハト/仮面ライダーファルシオン(谷口賢志さん)に、仮面ライダーセイバーや仮面ライダーエスパーダら6人の剣士が立ち向かう……という内容となっている。
内藤さんは見どころに6人の剣士の同時変身を挙げる。「本当にかっこいいシーンになっているので、そこは必ず見てほしい」とアピール。続けて「20発連続でナパームを使ったシーンがあるので、そこの迫力もヤバい。僕も現場にいたのですが、結構離れていたのに熱風がすごくて、『大丈夫なの、これ?』って思いました」と笑顔で振り返る。
また今回の撮影で内藤さんは、本物の炎を使って剣を振るうシーンにも挑戦。「火花がバチバチバチって出るんですよ。そのシーンも楽しみに見ていただけたらなと思います」と力を込めた。
また、青木さんも「同時変身もそうですし、6人の仮面ライダーが同じ方向を向いて、足並みをそろえて敵に立ち向かう姿」を見どころに挙げ、「劇場で見た人は圧倒されると思う」と期待していた。
※注:柴崎貴行監督の「崎」は「立つ崎」
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