須賀貴匡:光秀、支える! 「麒麟がくる」斎藤利三役で5年ぶり大河 「絶やしてはいけないもの」への思いも

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第38回から斎藤利三役で登場する須賀貴匡さん (C)NHK
1 / 1
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第38回から斎藤利三役で登場する須賀貴匡さん (C)NHK

 俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)の第38回「丹波攻略命令」(12月27日放送)から、斎藤利三役で須賀貴匡さんが登場する。斎藤利三は、光秀(長谷川さん)の家臣に加わる美濃の武士。稲葉良通(村田雄浩さん)の元にいたが、横暴な稲葉から逃げてくる。本能寺の変では、光秀と運命を共にする……という役どころ。2015年放送の「花燃ゆ」以来、5年ぶりの大河ドラマ出演で、「番組終盤にこういった形で呼んでいただいて、利三として光秀をどう支えていくのか、その関係性を楽しみに見ていただけたらと思います」と明かす須賀さんに話を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇顔に「大きな傷」 台本を信じて「光秀について行く」の一心

 今回の撮影のファーストシーンは利三が光秀が出会い、自身を光秀の家臣にしてほしいと伝える場面だったといい、「稲葉一鉄(良通)のところでひどい目にあって、ついに、『死に場所』というわけではないのですが、自分の命を懸けられる相手が光秀だったという解釈のもと演じさせてもらいました」と須賀さんは振り返る。

 利三については「とても信念があって、忠義を尽くす、武士らしい武士だったのではないかと想像しています」と話す須賀さん。役の特徴として「顔に大きな傷があること」を挙げ、「とても印象的で僕自身、気に入っています。その傷はどこで誰にどういうふうに付けられたのものなのか、とか。いろいろな解釈ができるので」と理由を説明。利三を演じるにあたっては、「とにかく台本を信じて、『光秀について行く』の一心でのぞんでいます」と語っている。

 光秀役の長谷川さんとは同世代。共演は、故・蜷川幸雄さん演出の2005年の舞台「KITCHEN キッチン」以来になるという。「作品を拝見してきて、知性や品性、全て持ち合わせているすてきな俳優さんという印象をずっと受けてきたので、そんな長谷川さんとこの時期に、大変な時期と言っていいこの時期に、一緒に作品を作れるということへの喜びを感じてます」と笑顔を見せた。

 ◇「本能寺の変」に向けて高まる関心 光秀支える利三として「役を全うできたら」

 改めて5年ぶりの大河ドラマ出演を、「これほどまでに伝統と格式のあるドラマというのは、ほかにはないと思ってるので、俳優としてその場にいられるだけで、幸せを感じています」と明かす須賀さん。

 さらに「こればっかりは日本人にしかできないものだと思いますし、時代劇がどんどんと減ってきている中で、これだけしっかりと撮っていただけるという環境自体が貴重。役者として、先人たちの残していったものを後世に伝える役目を担えることにも誇りを持てますし、『絶やしてはいけないもの』という印象です」と思いを口にする。

 また、須賀さんと言えば、主人公を演じた2002~03年放送の特撮ドラマ「仮面ライダー龍騎」からのファンも多い。「『須賀貴匡』という俳優をしっかり世の中に認知していただいた作品でもあるので、僕の中で今も核にはなっていて……。全てはそこから始まったというか、この感覚は今後もおそらく変わらないと思います」と語っていた。

 「麒麟がくる」に話を戻せば、利三がこのタイミングで加わることで、視聴者の関心は、「本能寺の変」に向けていやがうえにも高まっていくはずだ。「(歴史として)周知の事実ですからね」と笑う須賀さんは、「やっぱり『本能寺』という一つのキーワードに向かって、恐らくですけど、脚本の池端俊策さんはいろいろな伏線を張ってきていらっしゃると思いますので、ここから先、どのように物語が進んでいくか、その過程を楽しんでほしいですし、その中で、光秀を支える利三として、役を全うできたらなと思っています」と力を込めていた。

テレビ 最新記事