俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第110回(3月6日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時10分の70.5%だった。
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第110回は、主にトキ(高石さん)の出産の日のストーリー。無事の出産を祈り、ヘブン(トミー・バストウさん)はお百度参りに出かけ、司之介(岡部たかしさん)や丈(杉田雷麟さん)、正木(日高由起刀さん)は、家の柱に向かって相撲の“鉄砲”を繰り返す。フミ(池脇千鶴さん)、クマ(夏目透羽さん)、産婆(原ふき子さん)が見守る中、ついに、トキとヘブンの子供が産まれる。可愛らしい2人の子供に、デレデレになる松野家一同。そんな中、正木がヘブンは松野家の戸籍に入っていないことに気付く。
テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」はこの日も、序盤から時間が進むにつれて上昇していくようなグラフに。ただ、ピークは過去2回の第108回や第109回より早い午前8時10分に迎え、その後はやや下がりながら横ばいで推移した。
第110回の前半は子供の出産シーンで、ある意味、この日の見せ場なのだが、注目度はそれほど高くない。60%前後をうろちょろし、少し高くなったのは64.1%の午前8時6分だった。生まれたばかりの男の子を、フミから受け取ったヘブンが、我が子の顔を初めて見る。そして、「おじじ」(司之介)、「ババさま」(フミ)、「ママさん」(トキ)と子供に家族を紹介していく微笑ましいシーンだ。
その後は、正木が戸籍の問題を指摘するという場面につながるのだが、注目度は60%割れくらいまで落ちる。そして、午前8時10分に70.5%まで急浮上するのだが、実は出産とは全く関係ないシーンだ。
松江からのお抱え車夫の永見(大西信満さん)に引いてもらった人力車で帰宅したヘブン。玄関を入ろうとしたところで振り返り、「ナガミサン、クビ」と突然、言い渡す。そして、懐から分厚い包みを取り出すと、そこには「恩給」と書かれていた。「ブキヨウ……デスケン」と永見の口癖をまねし、恩給を永見に手渡すヘブン。
「カゾク……ダイジ。イッショ……イナサレ」とヘブンが一礼すると、永見も深々と頭を下げ、「大変、お世話に……なりました!」と感謝の言葉を伝える。
第107回(3月3日放送)で、永見はヘブンに妻子を松江に残してきたことを明かし、「妻は……わしより不器用ですけん。松江を離れたら、不幸せになりますけん」と涙ながらに語っていたシーンが記憶に新しい。「クビ」という言い方にはドキッとしたが、不器用に家族を愛する永見に対する、ヘブンの粋な計らいだったというわけだ。視聴者は気持ちの揺れが大きかった分、注目度も急上昇したように思われる。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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