銀魂 THE FINAL:杉田智和「もはや終わりを意識できない」 “万事屋”阪口大助、釘宮理恵と語るアニメ完結への思い

アニメ マンガ
「銀魂 THE FINAL」で声優を務める(左から)阪口大助さん、杉田智和さん、釘宮理恵さん(C)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

 空知英秋さんの人気マンガが原作のアニメ「銀魂」の完全新作となる劇場版「銀魂 THE FINAL」(宮脇千鶴監督)が、1月8日に公開される。アニメ「銀魂」は、何度も完結を発表しては、また新たなシリーズが始まるという“終わる終わる詐欺”を繰り返してきたが、原作は2019年6月に最終回を迎え、アニメシリーズも「今度こそ本当に終わる」という。テレビアニメ第1期がスタートした2006年から約15年、万事屋キャストの思いは……。主人公・坂田銀時役の杉田智和さん、志村新八役の阪口大助さん、神楽役の釘宮理恵さんに聞いた。

 ◇冷静に受け止めた「THE FINAL」 3人そろって収録できた喜び

 「銀魂」は、天人(あまんと)と呼ばれる異星人に占領された江戸時代を舞台に、何でも屋を営む侍・坂田銀時らが難題を解決する姿を描いたSF時代劇コメディー。テレビアニメ第1期が2006~10年、第2期が2011~13年、第3期が2015~16年、第4期が2017~18年に放送された。2010年に劇場版アニメ「劇場版 銀魂 新訳紅桜篇」、2013年に「劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ」が公開。

 「銀魂 THE FINAL」は劇場版3作目で、空知さんが全面協力し、「原作のラスト」をベースとしたストーリーが描かれる。“最後の敵”は、坂田銀時たちを教え導いた師匠・吉田松陽の別人格の虚(うつろ)。銀時たちを援護するため、志村新八、神楽、真選組、かぶき町の面々、かつてのライバルたちまでもが参戦し、“最後のバカ騒ぎ”が繰り広げられる。

 ――アニメ「銀魂」シリーズの“最後”の作品となる「銀魂 THE FINAL」の製作が決まった時に感じたことは?

 杉田さん 大きなニュースに対して平常心でいることの方が重要だと捉えています。だって、一緒になって騒いだら作品を作れないんですよ。一緒になってみこしの上に担がれたら、身動きが取れないんです。だから、お祭りをもっと対極から見て、どうやったらもっとみんなに楽しんでもらえるだろうとか、そういうのを自然に意識できないと、出演者の立場にならないなと。「最後のバカ騒ぎ」というキャッチコピーが付いていますが、その当事者がバカ騒ぎしちゃうと、無意味なんです。

 阪口さん 終わるのだなと、ストレートに受け止めましたね。原作も終了したわけですし、こうなることは分かっていたので、最後まで走りきることができるのが非常にありがたかったです。ただ、感傷的になるとかは一切なかったですね。

 釘宮さん 私も「ああ、終わるんだな」と淡々と受け止めました。元々終わるものだと分かっていたので、特別に「さみしいな」「もうできないのか」という悲観的な思いはありませんでした。私は、とてもエモーショナルな人間なので、あえてさらりと受け止めるようにしているのかもしれないなとは思います。

 ――アフレコの様子はどうでしたか?

 杉田さん 最初に言った平常心の感覚と同じように、現場もまたそういう体制で招き入れてくれました。監督やスポンサー、プロデューサーをはじめとするスタッフのあいさつも特になく、自然に現場に入ってきた(音響監督の)高松(信司)さんが「収録を始めます」と。「こうだったらいいのにな」と思っていたことがまんまそうだったので、気負うという意味でのストレスがなかったですね。すごく助かりました。うれしかったです。

 阪口さん 収録が終わってからお花をもらうとか儀式も一切なく、淡々と始まって淡々と終わっていったので、本当にいつもの「銀魂」でした。「やってやろう、最終回だぜ」みたいな感じではなかったですね。

 釘宮さん そうですね。本当にいつも通りみんなが全力で、普通に頑張ったという収録だったと思います。

 ――新型コロナウイルスの影響もある中で、アクリル板を設置するなど対策をした上で、3人がそろって収録できたと伺いました。

 釘宮さん この3人がそろって収録できたのが本当にありがたかったですね。

 杉田さん うん、当たり前だと思っていたんですけどね。そうじゃなかったんだって。

 阪口さん この状況になって当たり前が当たり前じゃないのが怖いなとは思いますけどね。本当にここで3人が集まれたのは僥倖(ぎょうこう)ですよ。

 ◇本気で遊んで、怒られて、15年間 “終わる終わる詐欺”も笑い飛ばせる魅力

 ――「銀魂 THE FINAL」は、原作のラストまで描かれます。約15年間、アニメが続き、最後までアニメ化できたことへの思いは?

 杉田さん 何度も終わりというのを表現していると、もはや終わりを意識できなくなっています。

 阪口さん 麻痺(まひ)している(笑い)。

 杉田さん 終わるという感覚がないんですよ。終わらないことが終わりだとしたらネバーエンドなんですけど、どんな終わりだよ? ループしてんじゃねーかって。「銀魂」には、その状態に入ってもなぜか笑い飛ばせる不思議な魅力があるなと思います。「なんかすみません」と謝るオチで通っちゃうんですよ。すごいことだなって。銀魂ネタって、概念化しているんですよ。他の作品の現場でも「うちも終わる終わる詐欺やっていいかな」と言われることもある。それが培ってきた作品の魅力の一つの答えなのかもしれません。

 釘宮さん 狙ってやったわけじゃないのにね。

 杉田さん そうなんですよ。

 阪口さん 本当だよ。

 杉田さん いつも終わりだという時は、次回作の決定がされていない状態なので、マジで終わってはいるんですよ。監修の藤田(陽一)さんは、ほかの作品の監督をやりながら、いつ「銀魂」が再開してもいいように、ちょっとずつスケジュールを空けていたらしくて、「『銀魂』がどうなるか、今のところ何の予定も立ってないけど、いつ来てもいいように心をあけてる」と。あれは忘れられない。僕自身もそうです。「銀魂」は毎週金曜日に収録していたんですけど、金曜日の朝に早く目が覚めるんです。それは恐らくこの先も抜けることないだろうなと思っています。

 阪口さん 幸せな作品だと思いますよ。続けたくてもリタイアに追い込まれる作品もありますしね。ちゃんと最後まで描き切れたというのは、とても幸せな作品だし、応援してくれた人の力もあるし、スタッフ、キャスト全部含めて、いろいろなものがいい形でここまで運んできてくれたんだろうな。どこが欠けても、間違いなくこんなには続かなかっただろうし、こんなエンディングを迎えることができなかったと思います。

 釘宮さん 本当にその通りで、何度も本気で「もう次はない」と言われてきましたから。さすがに一番はじめに言われた時は、「ああ、終わっちゃうのか」と。でも奇跡の大逆転が起こってまた始まる。私たちもファンの方の前段階で、毎回だまされてきたので(笑い)。それを毎回乗り越えられて、続けられて、最後まで完走できるというのは、応援してくださっている方のものすごい熱量のおかげだと思います。

 ――お話を聞いていると、スタッフ、キャストの方々の熱量も伝わってきます。

 釘宮さん 作っている制作陣も本気で怒られ、いっぱい謝りながらもみんながみんな全力で、応援する人も、作る側も、声を当てる私たちも全力で、相乗効果でなんとかここまでたどり着けた。本当に全ての皆さんのおかげでここまでこられてありがたいなと思います。

 ――作品を楽しみしているファンにメッセージをお願いします。

 阪口さん 本当にこんなに息の長いコンテンツになるとは思っていませんでした。15年間応援してくれた方、本当にありがとうございます。とにかく感謝だけです。皆さんの力、応援があって、こうやって幸せなエンディングを迎えることができたので、みんなで見届けていただけたらなと。よいエンディングになっています。

 釘宮さん 今回の作品は、すごくボリュームがある気がするんです。本当に一瞬一瞬が全部大事なシーンで、見ているとあっという間に過ぎていく。15年分積み重なったものが、すごいテンポで進んでいくので、ずっと作品を追いかけてくださっていた方には、一瞬もまばたきすらしないで噛み締めて全部見届けてほしいです。多分、脳内にすごくいい感じのやつが出てくると思うので(笑い)。

 阪口さん いい感じのやつが(笑い)。

 杉田さん すごい表現だ……。

 釘宮さん 「銀魂」という作品は、人が生きていく上で共感できるシーンがあったり、名言も多いんです。下品なシーンや嫌な気持ちになるようなシーンがあるかもしれないんですけど(笑い)、それも含めて人生だなと思えるような人生訓が多い作品なので、みんなで楽しんでもらいたいなと思います。

 杉田さん 楽しみの選択肢の話をしますと、基本選ぶのは1個か2個なんですよ。世の中には面白いものがいくらでもあって、娯楽と呼ばれるものの選択肢がとても多い。そんな中で、「今日は銀魂の映画を見に行こう」という気持ちに至るのだとしたら、それはすごいことなんですよね。感謝しきれないです。皆さんが自分の中の「好き」を楽しみ抜くんだとしたら、それを裏切るようなことはしたくない。今までも、そしてこれからも感謝します。

 ファンの予想の斜め上を行く表現で、笑いと感動を届け続けてきたアニメ「銀魂」。杉田さん、阪口さん、釘宮さんが演じる万事屋の最後の祭りを目に焼き付けたい。

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