岡田結実:主演ドラマ「江戸モアゼル」で花魁役 女優業は「一生やっていきたい」 バラエティー、モデル業への意欲も

ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」で主演を務める女優の岡田結実さん=読売テレビ提供
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ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」で主演を務める女優の岡田結実さん=読売テレビ提供

 女優の岡田結実さんの主演ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」(読売テレビ・日本テレビ系)が、1月7日からスタートする。ドラマは、岡田さん演じる江戸時代からタイムスリップしてきた花魁(おいらん)が、令和の東京を舞台に繰り広げるハートフルなラブコメディー。主人公・仙夏(せんか)役の岡田さんは、「お着物を着ることによって可動範囲が少なくなるので、自分にはない“おしとやかさ”が出るんじゃないかという期待を込めて(笑い)、頑張っています」と話す。ドラマへの意気込みや、「一生やっていきたい」という女優業への思いを聞いた。

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 ◇花魁スタイルになるまで3時間 「頭も体も重い」

 ドラマは、江戸キリエさんのマンガ「江戸モアゼル」が原作。野暮(やぼ)なこと、筋が通らないことを嫌い、客だろうがお大尽だろうがキッチリと言い負かす、気風(きっぷ)のいい愛すべき江戸の花魁の仙夏が、現代に突然タイムスリップし、「コミュニケーション下手で、恋に奥手な令和男」を中心に恋の四角関係を繰り広げる物語。

 突然現れた仙夏に翻弄(ほんろう)されながらも影響を受けていくフリーターでカフェ店員の蔵地俊輔役を葉山奨之さん、蔵地のことは高校の同級生としてしか見ていなかったが、じょじょに惹(ひ)かれ始めるウェブ広告会社「バードネット」勤務の春日泉美役を吉谷彩子さん、「バードネット」で泉美の上司としても働く社長で、仙夏に興味を持つ鳥居直樹役を前田公輝さん、俊輔や仙夏が働くカフェのオーナー蔵地雄彦役をお笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹さんが演じる。

 今作で仙夏役を演じることになった思いについて、「『えっ、これ私!?』って思いました」と率直な思いを明かした岡田さん。「台本を読んでも『こんな役演じられないよ』と正直思って……。今までどちらかというと等身大の役をさせていただいていて、(今回は)ある意味、挑戦の役でもあるなと思ったので、役者業を一つの仕事としたい身としては、『もうやるしかないな……』と。『ドッキリであってくれ』が8%くらいあって、『やるしかないな』は92%ありました(笑い)」とユーモアたっぷりに話す。

 岡田さん演じる仙夏は、江戸時代に生きる吉原の花魁。義理人情に厚く、世話を焼きすぎてお節介すぎる場合もある。突如、江戸時代からタイムスリップしてきて、蔵地が働くカフェでアルバイトをすることになる。いつか江戸に戻らないとわかりながらも、東京の人々に愛着を覚えるようになり……という役どころ。

 着物を着て、頭は結われ、きれいな髪飾りがついた“花魁スタイル”になるまでは、3時間ぐらいかかるという。「めちゃくちゃ重くて、頭も体も重いんです。花魁の着付師さんは、『花魁はまず手を動かさない。ぶんぶん振り回さない』と言っていて。私、すぐぶんぶん振り回しちゃうからやべーって(笑い)」と明かしながら、「振り袖のときよりももっとたくさんの布とひもでぐっと締めているから、息が吸えなくて。『大声を出す演技とかあったらどうしよう』って思ってちょっと不安です」と続ける。

 ◇仙夏の生き方は「理想」

 慣れない“花魁スタイル”での演技に加えて、花魁としての色っぽさを表現できるかどうかも心配だったと話した岡田さん。「監督に『私、色気とかマジで皆無なんですよ。本当にどうすればいいですか? 仙夏みたいになれないです』と伝えたら、(監督は)『ポスター撮影をしているときの流し目が妖艶だったよ』と言ってくださって。めっちゃうれしくて……」とにっこり。

 自身と仙夏の似ている部分を聞いてみると、「今のところ、めっちゃなくて……」と話し、「その妖艶さ、おしとやかさだったり、人の人生に寄り添ってあげる優しさ、人の機微みたいなものをちゃんとわかって立ち向かってあげる行動力がなさすぎて。役に近づきたいのに、役を追いかけっこしている状態で……」と明かす。

 岡田さんにとって、仙夏の生き方は「理想」といい、「仙夏として生きられること時点ですごくうれしいので、ちゃんと中身のあるセリフの出し方をしたいです」と力を込める。

 ◇女優業への手応えは? 視聴者が「ぐっとくるものがある演技をしたい」

 2019年1月期放送のドラマ「私のおじさん~WATAOJI~」(テレビ朝日系)、2020年1月期放送の「女子高生の無駄遣い」(同局系)に続き、3年連続で1月期ドラマの主演を務める岡田さん。女優業の手応えを聞くと、「ゼロですね、正直」と率直に語る。

 「役として生きるのはめちゃくちゃ好きなので、一生やっていきたいと思うんですけど……やりたいことを続けるには、評価が伴わないとといけない瞬間が来る。だからめちゃくちゃ不安ですし、どの作品をモニターでチェックしても、『うわ、自分の演技クソだな』って思う。自分の出た作品は正直見たくない、というのはありますね」と続ける。

 そんな中、被害者遺族の少女役を演じたWOWOWの連続ドラマ「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」の撮影では、「初めて、『あ、いけた』という感触があった」と振り返った岡田さん。「でも、できあがった映像を見たら、『なんだこの演技は。なめてんじゃねーよ』と自分に思って。ゼロもないところからスタートだなと思って。だから役者業って楽しいんだなとすごく思いました」と明かす。

 冷静に自己分析する岡田さんは、目標とする女優像や、「この人の演技に憧れる」というのも一切ないが、「役を演じているこの人はすごく好きだな」という存在はあるという。脚本家の坂元裕二さんの作品が好きだといい、「『カルテット』(TBS系)で、満島ひかりさんが演じたすずめちゃんとか、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の有村架純さんが演じた役の生き方が個人的には好きで。役として生きたときに、見た人がぐっとくるものがある演技をしたいなと思っていますね」と話す。

 昨年は事務所を移籍するなど、環境の変化もあった。「すごくいばらの道になるって思っていたんですけど、今のところめちゃくちゃ楽しいです」と心境を明かした岡田さん。2021年は、「バラエティーもものすごくもっと出たいですし、モデルももっともっとやりたいですし、役者もすっごくもっとやりたいですし、コスメとかもすごい携わっていきたい」とやりたいことがいっぱいだ。

 「自分のやりたいことをもっと具現化したい。それをちゃんと形にして、長い計画になってもいいからちゃんと動き出したい」と抱負を語った岡田さん。最後に視聴者に向けて、「江戸から花魁が現代に来るという時点ですごく面白いと思うので、そこは注目していただきたいですし、ラブもあったり、コメディーもあったり、仙夏の生き方というのは現代の方に突き刺さるものがあるんじゃないかなと思っています。気楽に、軽い気持ちで見ていただきたいです」と呼びかけた。

 ドラマ「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」は、1月7日から毎週木曜午後11時59分放送。

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