武内直子さんの人気マンガが原作のアニメ「美少女戦士セーラームーン」シリーズの新作劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」の後編が2月11日に公開された。「Eternal」には個性的なキャラクターが続々と登場するが、原作でも屈指の人気を誇るのがエリオスで、エリオスとちびうさの淡い恋模様が見どころの一つになっている。エリオスを演じるのは「ソードアート・オンライン」のキリト/桐ヶ谷和人役や「鬼滅の刃」の嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)役などでも知られる人気声優の松岡禎丞さんだ。神々しくもあるエリオスを自然に演じようとしたという松岡さんに、作品への思い、アフレコについて聞いた。
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「美少女戦士セーラームーン」は、1991~97年に少女マンガ誌「なかよし」(講談社)で連載された人気マンガが原作で、テレビアニメも1992~97年に放送された。ドジで泣き虫な月野うさぎが、愛と正義のセーラー服美少女戦士セーラームーンに変身し、仲間の戦士たちと活躍する姿が描かれている。劇場版アニメ「Eternal」は、原作の第4期「デッド・ムーン」編が前後編で描かれる。
スタートから瞬く間に大ブームとなった「美少女戦士セーラームーン」シリーズは、女児だけではなく男児、男性にも人気があった。松岡さんも当時アニメを見ていたといい、特別な思いがあった。
「ストーリーが深いんですよね。それぞれのキャラクターが抱えているものがあったり。子供の頃に見ていて、僕の好きな女性像の根底を作った作品でもあります。セーラーヴィーナスが刺さったんです。一目ぼれみたいなものでした。ガツン!ときたんでしょうね。今でもヴィーナスが好きですし、髪の長い女性が気になります」
特別な思いがあった作品ということもあり、出演が決まり「まさか自分が出演することになるとは……」と驚きと喜びがあった。
「正直、オーディションで受からないと思っていました。『セーラームーン』ですよ! 自分なんかが……と思っていました。オーディションでは、自分が考えたエリオスを演じたのですが、すぐに終わったんです。落ちたな!と(笑い)。なので、びっくりしました。とある現場でマネジャーから分厚い台本をいただき、何だろう? 映画かな?と思ったら、『セーラームーン』と見えて、驚きました。ドッキリみたいでした」
アフレコに入る前から緊張が大きかったといい「現場に行くまでは不安でした。最初はうれしい!ばかりだったのですが、収録日が近づくにつれ、緊張で眠れなくなったんです。ヤバいな……って」と明かす。アフレコでは共演者に助けられることもあった。
「アフレコは女子会みたいでした。男としては肩身が狭かったです(笑い)。でも、皆さん、すごく優しいんです。今まで見たことがない差し入れ、いろいろな甘い物があって、『松岡君、これ持って帰ってもいいから!』と声をかけていただいたり。みんなで楽しくお仕事させていただきました」
松岡さんが演じるエリオスは、地球の地下深くにある聖地エリュシオンの祭司。地球と月の征服をもくろむネヘレニアに捕らわれてしまい、ペガサスの姿でうさぎ・ちびうさの前に現れ、助けを求める。松岡さんはエリオスという存在を「神々しい」と感じているという。
「エリオスは分け隔てなく優しい。エリオスという存在が優しさの塊です。相手を上に見ること、下に見ることもなく、誰に対しても礼節、尊敬の念がある。敵に対する熱い思いもあります。神々しいんですよ。だからこそ、演じる際、感情の流れに無駄な抑揚を付けないことを考えていました。自然な流れの中で、スッと入ってくるような音の出し方を意識していました」
「Eternal」では、エリオスとちびうさの淡い恋も描かれる。アフレコ前は不安もあったというが、ちびうさ役の福圓美里さんと共演する中で、不安は消えた。
「現場では感情をぶつけ合うので、オーディションとは違いますし、アフレコが始まる前まで掛け合いがどうなるんだろう?と不安もありましたが、福圓さんのおかげで不安もなくなりました。この世界に入って、福圓さんが演じるちびうさとの会話に集中するだけでいい。陶酔できたというか……。福圓さんはやっぱりすごい方です! ただ、エリュシオンという言葉がなかなかうまく言えなくて。苦労しました。こんなところに伏兵が!と冷や汗をかきました」
松岡さんはエリオス役として出演することが発表された際、「アフレコに臨むにあたり、エリオスの生きた人生とセーラームーンの世界観を読みといていたら、すぐに松岡の頭からの指令で『禎丞、これは行ける。自然に演じるんだったら、これでいこう』と、 いつもの“お告げ”がきたので、無理なく精いっぱい演じました」とコメントを寄せていた。“お告げ”とはどんなものなんだろうか?
「キャラクターによって声の高さや低さ、声色が変わっているように聞こえるかもしれませんが、自分の中から自然に出ているものなんです。台本を読んで、キャラ表と照らし合わせたりして、結果的にそうなるんです。自分の中の何かが言うんです。『これでいこう』『これが自然だ』と。一番、重要視しているのは、自然なことです。演技をしようとするのではなく、作品の世界で、自然にせりふが出てくるような。無理なく自然になるかを考えています。エリオスも無理をせずに自然にお芝居をしようとしていました」
松岡さんは数々の人気作に出演してきた人気声優だが、最初から“お告げ”があったわけではない。キャリアを重ねる中で変化があった。
「デビュー11年くらいになるのですが、6、7年目くらいですかね。それくらいから、どんどん現場が楽しくなったんです。それまでは、現場に行きたくない……となることもありました。仲間に助けてもらいながら、何とかやっていました。現場の感覚、バランスを考える中で自然にこういう考え方になったところもあります」
エリオスを演じる上でも自然であることを意識した。さらに、これまでにない挑戦もあった。
「初めてに近いことだったのですが、限界まで抑揚を付けないことを意識していました。せりふの中で、ここを立てないと頭に入ってこないというものがあります。その抑揚を一定にして、立てたいところは、ちょっとだけ盛り上げる。自然に耳に入ってくるような演技を意識していました。終わった後、気持ちよかったです。やりきった!と達成感が大きかったです」
「Eternal」はさまざまな魅力にあふれているが、松岡さんが「やりきった!」エリオスの演技も大きな見どころになりそうだ 神々しくもある演技に注目したい。
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