俳優の中川大志さんと女優の石井杏奈さんがダブル主演を務める映画「砕け散るところを見せてあげる」(SABU監督)が4月9日、公開された。今回で共演は3回目だという2人にお互いの印象の変化や映画撮影の裏話などを聞いた。
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映画は、竹宮ゆゆこさんの同名小説が原作。どこにでもいる普通の高校3年生の濱田清澄(中川さん)は、“学年一の嫌われ者”と呼ばれて孤立していた1年生の蔵本玻璃(石井さん)を、いじめの手から救い出そうとする。次第に清澄は玻璃の愛らしさと心の美しさに気づき、玻璃は清澄に感謝と憧れの思いを抱きながら、2人は心の距離を縮めていく。しかし、玻璃には誰にも言えない秘密があり、玻璃を守り抜こうとする清澄にも恐るべき危険が迫る……というストーリー。
ーー2人は同い年で、中学2年生で初共演し、今回の作品で3回目ということですが、改めて共演の感想をお願いします。
中川さん:出会った頃から、基本は印象変わらないです。もちろん大人になっていますし、お互いいろんな作品もやってきていますし、役者としての経験値だったりとかは違うんですけどね。杏奈ちゃんとしては変わらないです。知っている分、安心感がありました。
知っているからこそ、今回のこの(映画の中の役柄の)関係性はどうかなと思ったんですよ。最初、ちょっと距離を置こうかな、と考えたんですけど、カメラ前に立った時、杏奈ちゃんが、玻璃として本当にそこにいてくれた。逆に、オフの時は普通にいつも通り和気あいあいとやれたので、変に頑張って距離感を意識することもなく、自然体でやっていましたね。
石井さん:(共演)3回目だけれど、4年ごとぐらいのスパンです。それまではずっと(中川さんを)テレビやスクリーンで拝見していました。役者さんとしてすごく尊敬していましたし、(中川さんは今回の)清澄の役柄にぴったりというか、すごく想像できたんです。なので、現場に行くのも楽しみだったし、実際現場で大志君が演じる清澄が、なんて頼りがいのある人なんだ、自分のすべてを投げ出してぶつけても、全部受け止めてくれる。そういう懐の深さを(撮影)初日に感じたので、3回目の共演だからこその距離感ができたのかなって思います。
ーー初対面の印象と、現在の印象の違いはありますか?また、全然変わってないな、という部分はありますか?
石井さん:(初対面の時は)同い年に見えなかったです。すごく大人っぽかった。
中川さん:僕、初めて共演した時は、杏奈ちゃんにいじめられる役だったんですよ。今度はいじめから救う関係性の変化なんですけれど。(石井さんの印象は)なんかはつらつとしているっていうか、陽なイメージですね。すごく笑ってくれるんですよ。杏奈ちゃんを笑わせるのがすごく好きで、(笑いの)ツボが浅すぎて、何やっても笑ってくれるんでうれしいですね。
石井さん:共演3回目にして、大志君が面白いということに気づきました。2回目までは大人っぽい人だなと、現場慣れしているというか、ちゃんと堂々としてる人だなと思ってたけど。
中川さん:2回目までは気づいていなかったんだ。ようやく見つけられましたか、面白い人だなと。かかりましたね、時間が……。10年ぐらいかかりました。
ーー今回の撮影では体を張った“体当たり”シーンが多くありますが、撮影の中で「一番大変だった」シーンのエピソードをお聞かせください。
中川さん:過酷なシーンとかは、完成(作品)を見たら、「これすげえ大変だな」って思うんですけれど、実際の現場はたいしたことなかったりするんですよ。音響の力だったり、CGだったりとか映像の力ってすごいので、そういうのを経て「すげーなこのシーン」って思ったりするんですけど、今回に関しては、映像で見たまんまの現場っていう感じです。
(一番大変だったシーンは)最後の、何日か前に大雨が降って増水して流れもえげつない中(での撮影)で、本当に今生きていてよかったなって。もちろん本当に万全の体制で行ってるんですけど。だから、本当になんかそういう顔しています。普段絶対に出ないようなそういう過酷な状況だからこその顔が見られるんじゃないですかね。
石井さん:(撮影は)体力的にも大変だったけれど、セリフ量が本当に多くて、それを長回しでワンカットでやったりしました。50メートルぐらいずっと歩いているとか……。でも、当時は本当に楽しくて。こんなに長回しで撮ってもらうことってないからありがたかったですし、役を演じるというより、生きられたなって。生きている感覚がありました。
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