東出昌大:佐藤泰志原作「草の響き」で3年ぶり映画主演 函館の街を“走り続ける”男に

映画「草の響き」に主演する東出昌大さん(C)HAKODATE CINEMA IRIS
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映画「草の響き」に主演する東出昌大さん(C)HAKODATE CINEMA IRIS

 俳優の東出昌大さんが、2021年秋公開の映画「草の響き」で主演を務めることが4月22日、明らかになった。東出さんが映画で主演を務めるのは、2018年の「寝ても覚めても」以来、約3年ぶり。精神科に通いながら、治療のために函館の街を走り続ける主人公・工藤和雄を演じる東出さんは、「心を病んだ男がそれでも毎日走る理由は、きっと『良くなりたい』からだと思います。そして『良い』とは何なのか。羽毛のように柔らかい函館の西日を受けながら、皆で作った映画です。楽しみに待っていてください」とコメントしている。

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 原作は佐藤泰志の同名小説。精神に失調をきたし、ふるさとの函館に妻と戻った工藤和雄が、路上で出会った若者と心を通わすようになり、何かが変わり始める……というストーリー。「草の響き」は佐藤の本格的な文壇デビュー作品で、2020年が佐藤の没後30年にあたることから、記念作品として映画が製作された。

 プロデューサーの菅原和博さんは、「若かりしころの佐藤泰志の分身のような男が、函館の街を一人黙々と走る。そのイメージを考えた時に、東出昌大さん以外に思いつかなかった」と起用理由を明かした。

 佐藤の小説の映画化は、函館の映画館・シネマアイリスの代表である菅原さんプロデュースのもと、2010年にスタート。同年の「海炭市叙景」の公開を皮切りに、これまで「そこのみにて光輝く」(2014年)、「オーバー・フェンス」(2016年)、「きみの鳥はうたえる」(2018年)が公開された。

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