シン・ウルトラマン:話題のネロンガ、ガボラ “やりすぎ”なソフビの魅力 樋口真嗣監督に聞く

「シン・ウルトラマン」を手がける樋口真嗣監督
1 / 9
「シン・ウルトラマン」を手がける樋口真嗣監督

 庵野秀明さんが企画・脚本を担当し、樋口真嗣さんが監督を務める話題作「シン・ウルトラマン」(公開日調整中)。今年1月に公開された特報に「ウルトラマン」でおなじみの怪獣・ネロンガ、ガボラが登場したことも話題になっている。ネロンガ、ガボラのソフトビニール製フィギュア(ソフビ)が、バンダイの「ムービーモンスターシリーズ」から「ムービーモンスターシリーズ ネロンガ(クリアver.)」「ムービーモンスターシリーズ ガボラ(ヒレ閉じver.)」として発売されることが発表された。樋口監督は“ソフビ愛好家”としても知られている。新商品の試作品を手に、ネロンガ、ガボラのソフビの魅力を語ってもらった。

ウナギノボリ

 そもそも「ウルトラマン」のネロンガ、ガボラは、東宝の怪獣映画「フランケンシュタイン対地底怪獣」のバラゴンの着ぐるみを流用したものだった。バラゴンの着ぐるみの頭をすげ替えるなど改造したことで「ウルトラQ」のパゴスが誕生し、それを改造することによってネロンガが生まれた。さらに改造することで、マグラー、ガボラが誕生した。樋口監督はネロンガ、ガボラの造形の特徴を「東宝怪獣と円谷怪獣のハイブリッド」と説明する。

 「バラゴンという正統派の東宝怪獣をアレンジしたのがネロンガ、ガボラ。東宝怪獣と円谷怪獣のハイブリッドなんです。東宝怪獣は生物感があるけど、円谷怪獣は角が光ったり、背中が回転したりする仕掛け、機電があるんですね。生物感とはちょっと違う方向性もあり、それが魅力なんです。ネロンガ、ガボラは、利光貞三さんから始まる東宝怪獣の生物感がありつつも、特徴的な唇や目つきのヤバさもあって、面白いんです。『ウルトラマン』初期を飾る名怪獣として愛され続けています」

 ネロンガ、ガボラのソフビは「ムービーモンスターシリーズ」から2月に発売されている。このほど発表されたソフビは、特報映像で透明化しているネロンガをイメージしたクリアバージョンの「ムービーモンスターシリーズ ネロンガ(クリアver.)」、ヒレを閉じた状態のガボラの「ムービーモンスターシリーズ ガボラ(ヒレ閉じver.)」だ。

 ソフビは、特報映像のCGモデルをベースにデザインした。樋口監督は「本当にいいですよね。素晴らしいです。墨入れしたり、自分で手を入れると、モールドのすごさがより分かる。こんなに彫り込んでいるんだ!」とご満悦。バンダイの担当者が「ソフビは彩色などに制限があるので、造形に力を入れています」と説明すると、樋口監督は「制限があるからこそいいんですよ」と話す。

 「制限があるけど、このクオリティーですよ。これは企業努力のたまものです。歩留まりと妥協はあるものだけど、ソフビでここまで頑張っていることが大事。おもちゃ屋に並ぶマスプロダクツとしてどこまでのものが作れるのか? やりすぎですね(笑い)。大人も楽しいんですよ。映画はまだ公開されていないので、内容は分からないけれど、僕の友人はソフビを買って、<俺の考えた『シン・ウルトラマン』>をやっている人もいます。理想のブンドド(フィギュアなどでせりふや効果音を口に出しながら遊ぶ行為)ですね」

 「ムービーモンスターシリーズ ネロンガ(クリアver.)」は、バンダイの担当者が「特報映像で透明になりますし、絶対に『クリアver.』を商品化したかった」と話す。

 「ムービーモンスターシリーズ ガボラ(ヒレ閉じver.)」は、特報でも話題になったヒレを閉じた状態のガボラを再現し、ヒレの造形の細部まで表現した。樋口監督は「すごいシリーズですね。作品を作っていて、ソフビになった時が一番うれしい(笑い)」と喜ぶ。

 「シン・ウルトラマン」のソフビも今後の展開も気になるところで、バンダイの担当者は「ご期待ください!」と話す。映画に登場するほかの怪獣は明かされていないが、さらなる新商品も期待される。

 「ムービーモンスターシリーズ ネロンガ(クリアver.)」「ムービーモンスターシリーズ ガボラ(ヒレ閉じver.)」は、バンダイの公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」で6月4日午前11時から予約を受け付ける。価格は各3850円。11月に発送予定。

 ◇作品情報(敬称略)

「シン・ウルトラマン」

企画・脚本:庵野秀明

監督:樋口真嗣

出演:斎藤工 長澤まさみ 有岡大貴 早見あかり 田中哲司 / 西島秀俊

鋭意制作中 公開日調整中

(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会(C)円谷プロ

写真を見る全 9 枚

アニメ 最新記事

MAiDiGiTV 動画