異世界魔王の“裏側”:第3回 講談社・庄司智副編集長 原作誕生秘話 企画書を全く読まずOK出し!?

「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」の一場面(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王Ω製作委員会
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「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」の一場面(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王Ω製作委員会

 講談社ラノベ文庫(講談社)のライトノベルが原作のテレビアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」の第2期「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」が4月からTBS、BS-TBSで放送されている。同作のスタッフが制作秘話を語る「異世界魔王の“裏側”」。第3回は原作の担当編集で講談社のシリウス・ラノベ・エッジ編集部の庄司智副編集長に作品の魅力などを語ってもらった。

ウナギノボリ

 ◇毎巻、こうきたか! 飽きさせない展開

 --原作が生まれたきっかけは?

 著者のむらさきゆきや先生、イラストレーターの鶴崎貴大先生とは元々、顔見知りだったのですが。ある日、お二方に秋葉原に呼び出されて……。鶴崎貴大先生のイラストで一緒にやりたい企画がありまして、というお話をむらさき先生よりいただきました。その際にお渡しいただいた企画書のプリントアウトを、僕は全く読まずに企画OKしたのは、今でも鮮明に覚えていますね……。

 お二人のチカラは企画書を見ずとも分かっていましたし、そのお二人が組むのであれば、僕が余計なことを言う必要はまったくないなと。あれは英断だったなと、僕の編集者人生が続く限り語っていきたいなと思っているエピソードです!(笑い)

 --原作の魅力は?

 第1巻の原稿を最初に読んだときには、ディアヴロを召喚した(と主張する)シェラとレムの二大ヒロインがとにかく魅力的に感じましたね! イラストが付く以前から、文章だけでも、とても可愛らしいキャラだなというのが脳内に浮かび。そしてさらに、鶴崎先生のイラストが素晴らしくイメージ通りで……。また、主人公ディアヴロの、魔王ロールプレイ的な二面性も、すごく印象に残りました。

 企画を立てる際、作家さんにはよく、「主人公やヒロインは魅力的にしてください」「読者が一言で他人に薦められるような、推(お)しどころが見えやすい企画がよいです」といったお話をするのですが。本作はそのお手本のような作品だなと!

 --お二人の魅力は?

 むらさき先生の文章、ものすごく読みやすいですよね……。第1巻から、そして巻を重ねても、全くだれることなく、テンポよく読ませていただけるのが本当にすごいなと。鶴崎先生のイラストも、巻数とともにキャラも増えてくる中、毎巻、こうきたか!と思わされて、決して飽きないのが魅力です。

 あと、作品とは別の話になりますが。お二人とも、スケジュールまわりなどでお電話すると、必ずきちんと出てくださいます。これめっちゃ大事。お二人とも大好き。

 --異世界ブームをどのように分析している?

 小説では元々、ファンタジー作品というのは根強い人気がありましたが。コミカライズ、アニメなどを通じて、海外を含めてこれまでよりさらに広い層のファンの方々にも届きやすくなったのが最近の傾向かな、と思っております。

 それにしても、ファンタジー小説とか、あとそれに関連してTRPGとか、本当に一般の方々にもファンが広がりましたよね……。自分が少年だったころは、もう少しクラスの片隅でこっそり同好の士が集まっていたイメージでしたが、今ではすっかりオープンになったなと(笑い)。本作もそういった人気拡大の一翼を担うことができていたら、担当編集としてとてもうれしく思います!

 ◇今後の展開は!? 最新巻のラストはとんでもない展開

 --第1期を含めアニメ化されて感じたことは?

 原作小説では文章とイラストだけだったものが、コミックになり、そしてこうしてアニメになる。キャラたちが動いて、声がついて、というのは、なにものにも代えがたい感動がありますね。

 個人的に、アニメ第2期で好きなのは、第4話のダンジョン攻略~ライブシーンです! シェラ、レム、ルマキーナ、ホルンといったヒロインたち……それにディアヴロ(笑い)が、本当に楽しそうにライブをしていて感動しました! オリジナルの劇中歌もこのために作っていただいたりして、スタッフの皆様には心より感謝しております。

 --アニメに今後、期待していることは?

 アニメもいよいよ佳境ということで、ますますの強敵が立ちふさがります。それに対して、ディアヴロや仲間たちがどう立ち向かうのか……!? 緊張感と、その一方での、本作を貫くテーマであるディアヴロ最強な爽快感。この二軸の演出にぜひご注目いただければと!

 --原作の今後の展開は?

 原作の最新14巻では、ラストがとんでもないことになっていまして。編集者として読んでいても、続きがとても気になる展開でした! その続きを、自分自身早く読みたいですし、何より楽しみに待ってくださっている読者さんに届けるためにも……お原稿お早めにお願いしますね、先生方!(笑い)

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