ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気アニメ「ガンダム」シリーズの最新作「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)が6月11日に公開された。同シリーズの“生みの親”である富野由悠季監督が1989~90年に発表した小説が30年以上の時を経て、アニメ化される。村瀬監督は劇場版アニメ「虐殺器官」の監督で知られ、これまで「機動戦士ガンダムF91」「機動戦士Vガンダム」などで作画監督も務めてきた。アニメを手がけるサンライズの小形尚弘プロデューサーは、村瀬監督について「ビジュアルセンスがこれまでのサンライズアニメの枠を超えています。今回も実写志向と言いますか、現場も途中からアニメを作る感覚ではなかったです」と話したことがあった。“映画的な作り方”を目指したという同作について、村瀬監督に制作の裏側を聞いた。
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「閃光のハサウェイ」は、1988年公開の映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のその後を描いた小説。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアが新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す。全3部作。
「閃光のハサウェイ」は、名作と言われてきたこともあり、待望のアニメ化となった。 小形プロデューサーは「『閃光のハサウェイ』を一番いいものにしたかった。だから、村瀬監督なんです」と、絶大な信頼を寄せる村瀬監督に作品を託した。
「話があったのは6年くらい前。小説の存在は知っていましたし、周囲のスタッフも好きな人が多かったけど、読んだことはありませんでした。『虐殺器官』を制作しながら、小説を読みましたが、最初に読んだ時、よく分からなかった。なんで、この結末なんだろう?と。何回か読んでいくと、この結末ありきだったのかもしれないと考えるようになりました。なんとなく企画書のような感じもした。1、2巻で出たことを3巻で捨てていく。富野さんのテレビシリーズの作り方に近いのかな?と」
村瀬監督は3部作の“映画”としてまとめることを考えた。
「第1部が、第2、3部につながるようにいらないものは捨てて、必要なものを入れる。核になるのはハサウェイです。最初、ハサウェイ、ギギ、ケネスの行動が分からないところもありましたし、ハサウェイが、なぜシャアと同じようなことをするのか?とも。どう理屈付けるかを考えた。第1部は“振り”のようなところもあり、この後で、なぜ(ハサウェイが目指したのが)アムロではなく、シャアなのか?というところに踏み込んでいくつもりです」
村瀬監督は「『F91』の構成に似ていると思った」とも話す。「F91」は、富野監督が手がけた劇場版アニメで、1991年に公開され、村瀬監督は作画監督として参加した。「F91」には特別な思いがあった。
「『閃光のハサウェイ』は『F91』の前に書かれた小説。中盤に空襲シーンがありますが、『F91』の冒頭の空襲シーンと割と似ていて、『F91』でもう一回やったのかな?とも感じた。『F91』で自分は、ちょうどそのシーンを担当していましたが、うまくできなかったと思っています。それに『F91』で、仕事のやり方を学びました。当時、できなかったこと、できたことが、自分の中でずっと残っているんです。そこも解消したかった」
「F91」で“仕事のやり方”を学んだ村瀬監督にとって、富野監督はどんな存在なのだろうか?
「すごく怖い人ですね。僕も体育会系なので、怒る人は見てきたけど、あそこまで怒る人はなかなかいない。僕は直接、怒鳴られたことはないのですが。アニメーターになり、富野さんから、教わったことがあります。ものを作る時に考えないといけないこと、奥行きみたいなことです。手を動かすだけでなく、頭を使えと。アニメーターとして、カットに向かう考え方をたたき込まれました。でも、それに応えられない自分に絶望してアニメーターを辞めていますしね。それに縛られることがいいのか、悪いのかは分からないです。そんなに考えなくて、もっとライトでもいいのかな?と思うこともありますし」
「閃光のハサウェイ」は、映像化が不可能とも言われてきた。その理由は、Ξガンダム、ペーネロペーの形状が複雑で、作画(手描き)で動かすことが難しかったからだ。しかし、3DCG、作画を駆使することで見事にアニメ化した。
「CGで何かを作りたいというよりは、現場の問題ですね。一枚画としてモビルスーツを描けるけど、動かすのは無理。スタッフのバランスなども考慮して、CGでやりました。個人的には、作画でやった方がリッチだと思う。目、脳に残るし、引っかかりがある。でも、CGに頼らざるを得ない。『ガンダム』に限ったことではないのですが」
「閃光のハサウェイ」は、原画の前に、3Dのレイアウトガイドを作り、その構造を元に原画を描いた。
「空間として構築したものに、作画の画を乗せているので、その雰囲気が画面に出ているのかもしれません。リアリティーを最低限担保しないといけないと思っていました。それがどこまで必要なのかは考え方で、富野さんはそこまでやる必要はないと言うかもしれませんが」
確かに「閃光のハサウェイ」は、リアリティーのある映像に仕上がっている。小形プロデューサーが「アニメの枠を超えています」と話すのもうなずける。
「リアリティーを高めたいと考えたというよりも、画から得られる情報量を上げるには、そうするしかない。せりふで説明するよりも画で説明しようとした。キャラクターだけを追いかけてドラマを作ることもあるけど、背景で状況を説明する。実写ではそういうこともしますが、アニメの場合、せりふで説明してほしい人もいるかもしれません。テレビでやろうとすると、せりふで説明しないと、誰も気付かないかもしれない。映画だからできたことです」
「背景には気を使いました。背景がキレイだと画面として落ち着くし画が持つ。業界全体で、5年くらい前から背景のスタッフの取り合いなんですよ。昔よりも要求も上がっていますし」と映像にこだわり抜いた。
「閃光のハサウェイ」は全3部作だ。村瀬監督は今後の展開について「基本は小説と区切り方も同じですが、第2部はハサウェイの内面をより明らかにするために、膨らませる。盛りだくさん、より濃くなると思います」と話す。第2、3部にも期待が高まる。
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