飯島寛騎:奥野壮との共演で互いに“おちゃめ”な性格発見 Huluオリジナル「悪魔とラブソング」で同級生の親友役

ドラマ「悪魔とラブソング」に出演した飯島寛騎さん(左)と奥野壮さん
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ドラマ「悪魔とラブソング」に出演した飯島寛騎さん(左)と奥野壮さん

 女優の浅川梨奈さんと俳優の飯島寛騎さんがダブル主演するオンライン動画配信サービスHulu(フールー)のオリジナルドラマ「悪魔とラブソング」が、6月19日から一挙独占配信される。特撮ドラマ「仮面ライダーエグゼイド」で主人公・宝生永夢/仮面ライダーエグゼイドを演じた飯島さんと、「仮面ライダージオウ」で同・常磐ソウゴ/仮面ライダージオウを演じた奥野壮さんが、再共演することでも話題。そんな飯島さんと奥野さんに、役作りや撮影エピソード、「ジオウ」での共演時の印象やドラマの見どころを聞いた。

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 ◇2人共に自身が演じた役とは「似ていない」

 本作は、少女マンガ誌「マーガレット」(集英社)とHuluがタッグを組んだ「マーガレット Love Stories」の第2弾で、桃森ミヨシさんの同名マンガが原作。美しい歌声と容姿を持ちながら、常に本音で話すため周囲から「悪魔」と呼ばれる女子高生・可愛マリアが、転校をきっかけに理解者を見つけ、同級生らとの交流を通じて変わっていく姿を描く。飯島さんはピアノにコンプレックスを持ち、クールに見えて困っている人を見過ごせない“巻き込まれ男子”目黒伸、奥野さんは目黒の親友でクラスのムードメーカーの神田優介を演じている。

 目黒役について、「言いたいことを言おうと思えば言えるけど、相手を気にして言えない、人間関係が崩れるのが怖いといった人間らしいキャラクターだなと感じました」と飯島さん。一方、奥野さんは神田を「目黒とは対照的」と捉え、「うまくみんなと良い距離感で接する、環境に適応することが上手な子かなと思いましたし、明るく彼自体がすごく良い人だなというのが最初の印象」と話す。

 それぞれ演じた役の性格とは共に「似ていない」と口をそろえた2人。飯島さんが「争いを好まない子で面倒くさいことは笑いでごまかし、多少バカやって楽しい学園生活を送りたいといった、どちらかというと神田と同じようなタイプだったかな」と自身の学生時代を振り返り、「(目黒は)思ったことを口に出しちゃうし、その言葉にトゲを入れない」と役との違いを説明する。

 奥野さんも「(学生のころ)僕は教室の隅の方でゲームしていました。神田のように明るくないし、コミュニケーション能力にも長(た)けていないし、うまく適応できるところも違う。自分の性格に合っているのは目黒の方かな」と互いに相手の役の性格に似ているという。

 ◇目黒と神田のやり取りシーンでは距離感を意識

 役作りについて、飯島さんは、「少し言葉づかいが強めなので、ちょっと言い過ぎで嫌なやつと思われないかなと、台本を読んだときに思いました。神田との関係性ではちょっと丸みをつけるというか、『この関係性はこんなトゲはいらないな』とかは意識しました」と語る。

 奥野さんは、「クラスメートみんなと仲が良いという人物なので『話さなきゃ』と思い、(共演する生徒役のキャストと)現場でよく話しをしました」と役作りのプロセスを説明するも、実は「今まであまり現場で人と話すことを積極的にしてこなかった」と告白。自分とは違う神田役を演じるために行った行動で、「自分にとってプラスになると感じたので、これからの現場でもコミュニケーションをとっていこうと考えるようになり、良い影響を与えてもらいました」と感謝する。

 クールで他人に興味がない目黒とクラスの人気者で誰にでも優しい神田は、正反対のタイプだが親友。そんな2人のやり取りを演じるうえで、「どういう見え方が一番良いのかみたいなのは、ちょこちょこ話しました」と奥野さん。「ずっと近くにいるから、神田が『もしかして目黒のこと好きなの?』という見られ方は今作では違うので、そういったバランスなども話し合いましたね」という。

 ◇ヒロイン・浅川梨奈のストイックさに驚く

 マリア役の浅川さんの印象を聞くと、「クランクイン前から歌を練習する様子や、シーン一つ一つも『こうしたらいいかな』『ああしたらいいかな』など視野を広く持って現場を見ている姿を目にして、すごく努力家だなと感じました」と飯島さん。さらに「“キュン”ポイントはどういう見られ方が一番画(え)としてきれいに映るか、(自身と浅川さんが)身長差があるからどうするのがいいのかといったことは、いろいろ話し合いました」とマンガ好きな浅川さんと相談したことを明かす。

 浅川さんの第一印象を「怖い」と意外な言葉で表現した奥野さんだが、「マリアのイメージを強く感じたから」と理由を説明。実際には「驚くほどパワフルで明るい方でした(笑い)」といい、「それなのにマリアの雰囲気を身にまとえる、キャラクターを自分の中に落とし込むのが上手な方だと思いました」と浅川さんの演技を絶賛する。

 役どころ的に「浅川さんもキャラに徹して最初は控室も別だった」と飯島さんが明かすも、「助監督さんがフランクな方で、みんな乗せられて監督も含めキャストも早々に仲良くなっていきました」と奥野さん。飯島さんも、「役に徹底していた浅川さんも現場の雰囲気もあり、途中で崩れて笑い上戸な部分も見えてきました(笑い)」と現場でのエピソードを披露する。

 ◇飯島「大人びた10代」 奥野「お兄ちゃんみたい」

 飯島さんと奥野さんは「仮面ライダージオウ」で共演しているが、当時のことを奥野さんは「ごめんなさい……そのころは緊張していたのもあり、先輩がきてくださったといった感じでした」と振り返り、「今回の共演が(気持ち的には)初めての共演みたいなテンションですね」という。飯島さんも「そうだね。(ゲスト出演時は)現場での姿を見て『頑張れ!』と応援する気持ちでした」と共演時の心境を話し深くうなずく。

 改めて互いの印象を聞くと、飯島さんは「壮はあまりイメージ変わらない。最初から『大人びた10代の子だな』と思っていたし、話してみても実際にしっかりしている」。奥野さんは「お仕事に対して真っすぐな方で、しっかりされているのに時折見せるおちゃめな姿があって」という回答が。

 飯島さんは今作の撮影現場での奥野さんについて、「最初は先輩だからということで気を使ってくれていた」と話すも、「周りのキャストから僕がイジられるようになると、壮も(撮影)後半はイジるようになった(笑い)」と告白。すると奥野さんは、「本気で何かに喜ぶときに、子どもみたいに喜ぶ姿などを見ているとピュアだなって」と言い、「お兄ちゃんみたいな感じがします」と親しみを込めて表現する。

 聞いていた飯島さんは、「現場の居心地が良かったからこそ、そういうことができたのだと思うけど、(奥野さんは)家に帰った方が絶対いいのに現場でもどこでも寝ちゃうし、夜(撮影が)終わるまでいることもあり、『大丈夫かな』という心配はありました(笑い)」と“反撃”。続けて、「彼のおちゃめなところを見ることができ、奥野壮って面白いなと思った」と話し、2人で目を合わせて笑う。

 ◇こだわったピアノ演奏シーンに注目

 飯島さんは本作の魅力を、「目黒や神田、目黒の父という各男性キャラのシーンでは、原作は少女マンガだけど、みんなのちょっとした一言や表情など男性視点も大事にしている描写にグッときました」と力説。さらに「クランクインの2カ月前から始めて、ほぼ毎日練習していました」と自身のピアノ演奏もアピール。

 演奏では「音に感情を乗せることが難しかった。ストーリーが進むにつれて、『ここまでは』という感情が音でもわかるように、そのインスピレーションが大変でした」と苦労した点を明かし、「やっぱりラスト。そこで目黒自身が壁を越えるためにやった行動は目黒の成長でもあるし、マリアと出会ったからそうしたことでもある。大事に演じさせてもらったシーンなので見どころです」と自信を口にする。

 飯島さんはバイクに乗るシーンも第1話で披露しているが、「実際に運転しました。(撮影ではエンジンを)気持ち吹かしてすぐ発進とか、細かいこだわりは出しています」とバイク好きの一面をのぞかせ、「高校生がバイクの後ろに彼女を乗せてというのは、『ホットロード』じゃないですけど、ロマンありますよね。そういうところは大事にやらせてもらいました」と撮影を振り返る。

 「毎話グッとくるシーンがあるドラマ」と切り出した奥野さんは、「5話の中村亜由役・小野花梨さんの芝居に度肝を抜かれました。(自分は)その芝居を受けた側なのですが、ズンと心にくるような表情だったり言い方だったりしていてすごく良かった。見てもらえばわかります」とおすすめのシーンを挙げる。

 自身が演じる神田の注目ポイントについては、「ここというシーンももちろんありますが、普段の日常的な会話のなかに神田の良いところや魅力がたくさん詰まっていると思う」と何気ない会話を楽しんでほしいと話した。(取材・文・撮影:遠藤政樹) 

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