6月26日にスタートしたNHKの特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」。同作では“平成最後の仮面ライダー”「仮面ライダージオウ」で主人公・常磐ソウゴを演じた奥野壮さんと、「ウルトラマンダイナ」の主人公、アスカ・シン役で知られるつるの剛士さんの共演が実現した。奥野さんが大きな夢を持ち、パラ陸上の練習に打ち込む17歳の高校生・森宮大志役、つるのさんが大志の夢を後押しする“ポジティブ・パパ”森宮源役での出演。ウルトラマンと仮面ライダーが“父子”としてタッグを組んだ形だ。そんな2人に共演した印象などを語ってもらった。
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「超速パラヒーロー ガンディーン」のテーマは「パラスポーツ×スーパーヒーロー」。大きな夢を持ち、パラ陸上の練習に打ち込む17歳の高校生・森宮大志(奥野さん)が仲間が作るサポート・ギアを駆使して侵略者から地球を守る……という内容で、正義のヒーロー「ガンディーン」は、空から落ちてきたイケメン宇宙人「グー」から授かったパワーにより、大志が特殊なプロテクターを装着した姿となる。
奥野さんとつるのさんは今回が初共演。俳優としても、ヒーローとしても大先輩にあたるつるのさんが父親を演じることについて、奥野さんは「僕の中の勝手なイメージで『めちゃくちゃパワフルなお父さんが来たな』って最初に思った」といい、「で、実際に共演したら……全く僕のイメージ通りで(笑い)。テレビ画面で見ていた、すごいエネルギッシュなつるのさんが目の前にいたという印象です」と明かす。
一方で、つるのさんは奥野さんとの共演について「今の若い子たちって“草食系”なイメージがあるので、『ちゃんと受け入れてもらえるか』みたいなことも思って、最初はちょっと不安でした。我々はもう雑草というか骨太というか、“肉食系”なのでやっぱり(笑い)。でも、おじさんのことを皆さん本当に温かく迎えてくれて、ありがたかったです」としみじみとする。
また、つるのさんから見た奥野さんの印象は「真面目」。さらに「静かな重みっていうのかな。僕らみたいなしゃべってごまかすような年代と違って(笑い)、今の若い子はちゃんと自分の言葉をしっかり持っている。芝居論みたいなものも語れて、すごいなって思いました」と感心していた。
ジェネレーションギャップ(?)はありつつ、つるのさんと奥野さんには、特撮ドラマの長期間の撮影によって鍛えられたという共通項がある。
「ウルトラマンダイナ」は「1年を通して、僕の本当の、リアルな成長記録だった」というつるのさん。「怒られちゃうけど、当時、台本なんかほぼ読んだことがなくて、役作りもあまり考えてなかったし、周りの俳優さんにはすごく迷惑をかけたと思います」と反省交じりで、「だから、第1話から51話まで、キャラクターがどんどん成長していく様というのも、『ダイナ』の魅力の一つでもあったと思うし、見てくださった方には楽しんでもらえたんじゃないかと思います」と持論を披露する。
また「毎日通勤している感じで、撮影スタジオが会社みたいだった」と当時を思い返すつるのさん。革素材の隊員服について「子供向けの絵本にはすごい万能で、夏は涼しく、冬はホットみたいな感じで描かれていたと思うのですが、実際は真逆(笑い)。冬はキンキンに冷えているし、夏はめっちゃ暑いんですよ」と苦笑いを浮かべ、「子供たちがみんなまねをするので、髪形をいじれなかったりとか、そういう大変さもありました」と振り返る。
奥野さんも「仮面ライダージオウ」の頃を「やっぱりスケジュールがつめつめなので、睡眠時間が少なくて、大変と言えば大変でした。つるのさんみたいに『髪形が変えられない』というのもずっとあって、苦痛ってほどではないですけど、17歳だったので『いろいろ変えてみたいな』とか思ったりはしました」と述懐。
撮影スタジオに「出勤していた」という感覚は奥野さんもつるのさんと一緒。「基本的には、僕は『仮面ライダージオウ』を通してお芝居がどんどんと好きになっていったので、毎日すごく楽しくて、充実していました」と笑顔を見せ、「人としても、役者としても、基盤を作ってもらった作品だったのかなと思っています」と作品への感謝を示した。
3大特撮ヒーローとされる「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「ウルトラマン」のうち、「仮面ライダー」と「ウルトラマン」で主演を張った2人が父子役で交わった「超速パラヒーロー ガンディーン」。作品の魅力をどんなところに感じているのだろうか? 奥野さんは「多様性」をキーワードに挙げている。
「パラスポーツとスーパーヒーローの融合ってやっぱり今までになかった、全く新しいものなので、もちろんそこも一つの魅力だと思います。あとは主人公である森宮大志と大志に関わる人たちとの人間ドラマという側面もある。プラスアルファしてヒーローの『ガンディーン』がかっこ良くて、怪獣と戦うシーンがめちゃくちゃ面白いので、いろんな楽しみ方ができると思います」
つるのさんはヒーロー「ガンディーン」について「一見、悪者っぽい、ヒールっぽい感じの造形で、何かかっこいいですよね」と太鼓判。
撮影では奥野さんが変身アイテム「モードシフター」を持つたび、毎回「見せて」「いいな」とうらやましがり、「俺も変身したいんだ!」と願望を隠すことはなかったといい、「変身アイテム見るとね、もうむずむずしちゃう。一回でも変身した経験がある人は、あれを見ちゃうと『何で俺ができないんだ』みたいな感覚にどうしてもなってしまうんですよ」と素直な思いを吐露し、“現役感”をのぞかせた。
今回、“変身”こそかなわなかったものの、改めて「ヒーローは終わってからが大事なような気がする」と話すつるのさん。“終わってから”とはテレビシリーズ終了後のことを指し、「そこからが本当のヒーローの始まり、“ドキュメント”のような気がしていて。(ヒーローを演じたという経験を)本当に生かすも殺すも、絶対にその人の生き方だったりもする。この年になってすごく思うんです」と力を込める。
そんなつるのさんは、奥野さんに「だから大切にしてほしいんですよ。『ジオウ』をやったということを」とアドバイスを送る。
続けて、「『キャラクターを背負うとやりにくい』という意見もありますけど、そんなものは自分次第でどうにでもなると僕は思っている」と熱弁。最後に「『ジオウ』を大切にすればするほど、ファンは応援してくれると思うし、『ジオウ』という作品自体が雪だるま式に素晴らしい作品になっていく。だからヒーローをやった人は、“終わってから”が大事なんだと思います」と結論づけた。
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